2017年10月29日

京洛逍遥(471)百人一首をテーマとする京菓子展(その1-有斐斎弘道館)

 昨日、[町家 de 源氏物語の写本を読む]の集まりでハーバード大学本『源氏物語 須磨』を読んだ後は、雨が小降りだったので、歩いて御所西の蛤御門の方に向かいました。現在、〈「手のひらの自然 百人一首」京菓子展 2017〉が、有斐斎弘道館で開催されていたからです。ここは、江戸中期の儒者である皆川淇園の学問所に由来する場所です。

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 今年の創作和菓子のテーマは「百人一首」。
 一般公募の350点あまりから選ばれた、48点の和菓子の作品展なのです。
 展示会場は2カ所あり、この有斐斎弘道館には、入選作31点が並びます。

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 特別会場である旧三井家下鴨別邸には、17点が展示されています。下鴨別邸については明日にします。

 今年の入選作の一覧は、「デザイン部門16作品、実作部門32作品が選ばれました」をご覧ください。
 そこに記されている審査基準に、私は注視しました。

【審査のポイント】
・百人一首をどのように捉えるか、京菓子の特性をどのように活かすかについて応募者なりの視点があること。
・京菓子は耳で食べる、と言われるほど銘(お菓子の名前)が重要な要素です。菓子のデザインと銘が互いに引き立てあうような作品を期待します。
・菓子のデザインは特に「食べる」ことを考えた作品であること。


 選考を終えての、審査員のコメントを聞きたくなります。どこを評価なさったのでしょうか。
 また、和菓子の製作者が和歌をどう解釈して苦労したか、ということと共に、見てもらいたいポイントが作品に添えてあれば、我々はもっと楽しめたはずです。勝手に見てください、に留まらない、「おもてなしの気持ち」が伝わる展覧会にしていただけると、さらに充実感が増し、参観者も増えると思いました。ごめんなさい。これは学芸員の視点からの私感です。
 実際に何点かの和菓子は、お茶と一緒にいただけます。これは、なかなかいい趣向です。

 この会場で見た作品の中で、私は笹井真実さんの「恋話」(しのぶれど色に出でにけりわが恋は 物や思ふと人の問ふまで」)が一番気にいりました。鎌倉時代に書写された『源氏物語』の写本を読んだ後ということと、平仮名がうまく配されていた、ということからでもあります。勝手なことを言わせていただけるなら、変体仮名を交えて、例えば「しのふ(改行)連登」と連綿で書いてあると、さらに品格が増したと思います。

171029_しのぶれど1.jpgしのぶれど1

 写真撮影は自由に許されていたので、薄暗い中でのぼんやりした画像ながら、以下にこの本会場に並んでいた入選作の和菓子を体験していただけるようにしてみます(順不同)。お茶でも飲みながら、ごゆっくりとご覧ください。
 
 
171029_かささぎ1.jpgかささぎ1

171029_かささぎ2.jpgかささぎ2

171029_かささぎ3.jpgかささぎ3

171029_しのぶれど2.jpgしのぶれど2

171029_ちはやぶる.jpgちはやぶる

171029_みかきもり.jpgみかきもり

171029_わたの原.jpgわたの原

171029_奥山に.jpg奥山に

171029_花の色.jpg花の色

171029_君がため1.jpg君がため1

171029_君がため2.jpg君がため2

171029_言霊.jpg言霊

171029_高砂の.jpg高砂の

171029_今来むと.jpg今来むと

171029_山川に.jpg山川に

171029_思ひわび.jpg思ひわび

171029_秋風に1.jpg秋風に1

171029_秋風に2.jpg秋風に2

171029_秋風に3.jpg秋風に3

171029_心あてに1.jpg心あてに1

171029_心あてに2.jpg心あてに2

171029_瀬をはやみ.jpg瀬をはやみ

171029_滝の音は.jpg滝の音は

171029_嘆きつつ.jpg嘆きつつ

171029_筑波嶺の.jpg筑波嶺の

171029_天つ風.jpg天つ風

171029_来ぬ人1.jpg来ぬ人1

171029_来ぬ人2.jpg来ぬ人2
 
 
 
posted by genjiito at 19:23| Comment(0) | ◎京洛逍遥
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