2017年10月21日

第6回日本盲教育史研究会は京都府立盲学校で開催

 日本盲教育史研究会は、設立6年目となった現在、186名の会員で構成されています。盲学校等の教員及び関係者が多数を占めているそうです。今日の参会者は60名にもなっています。この研究会への期待と、情報交換の場としての質の高さが評価されてきています。

 その第6回目となる日本盲教育史研究会が、京都府立盲学校高等部(花ノ坊校地)で開催されました。颱風がやってくる中、幸いにも小雨だったので安堵しました。

 今回も、普通文字、拡大文字、点字の資料が準備してあり、手話通訳も配置されています。きめ細かな配慮が、随所に感じられます。これも、事務局長である岸博実先生とお手伝いのみなさまの、心優しい気遣いが結実したものです。

 午前中は、新装なった資料室見学がありました。これまでの点字印刷室を第2資料室として改装されていました。
 京都府の文化財になっているものなど、スチールのスライド式書架にきれいに収納してあります。古文書を中性紙の袋に入れ、箱に詰めてありました。これらは、デジタル化も終わっており、今後は普通の閲覧はパソコンで、さらに詳細な調査にはこの書架の原本を、ということになります。ただし、防災に関してはまだまだ手が届いていないとのことでした。

 新装なった資料室も拝見しました。

171021_siryousitu.jpg

 6メートル、8メートルの部屋です。これまでの資料室は、雑然と貴重な資料が押し込まれた部屋、という印象でした。それが、明るくてゆったりと資料が展示されており、手に取って見ることも容易になっていました。展示品に添えてある説明板も見やすく整理されています。部屋の一画では、パソコンでデジタル化された資料を閲覧することもできます。多くの方々が、こうした資料を直接見て、日本盲教育の現場とその歴史の一端を知ることで、幅広い知識と関心を深めて行かれる場所になればいいと思いました。ただし、まだ、音声対応にはなっていないとのことです。まだまだ、この資料室の整備は続くようです。

 展示品の中では、「盲生遊戯図」に注意が向きました。これは、杭と竹で作った迷路の「直行練習場」、カタツムリの迷路の「方向感覚渦線場」、太鼓・ドラ・琴に向かって球を投げる「打毬聴音場」の絵が描かれています。遊びの中から距離感や方向感覚を学ぶために、いろいろなことが盲学校で行われていたことを知り、私が知らなかった教育の役割などについて考えるいい機会となりました。

 とにかく、さまざまな工夫を凝らした教具から、先人の創意工夫が実感を伴って伝わってきました。

 私が展示の中で特に注意が向いたのは、展示ケースの中の「投票用紙展示板」でした。これには、次の説明文が添えてあります。
投票用紙展示板
大正14年4月、選挙法改正により点字投票の有効が確認された。木製点字板は全国投票所に常時備えてある。

 折しも明日は、衆議院選挙の投票日です。点字投票が大正14年から今に至るまで実施されていることは知っていました。しかし、点字で投票する時の道具を見るのは初めてです。以前、岸先生からは、この資料室の説明を一通り伺いました。しかし、問題意識が希薄だったこともあり、この道具については目が向いていませんでした。いい機会に見られて幸でした。

 総会では、さまざまな報告がありました。着実に活動が進展していることがわかります。
 来年は東京で開催するとのこと。
 その後、盲教育と点字資料の発掘と収集に関する討議がなされました。
 その中で、資料の保存方法について話題となりました。私も、前の職場である国文学研究資料館が資料保存を専門とする機関であることを紹介しました。可能であれば、全国の支援・盲学校などに眠ったままの明治大正期の資料や、どんどん処分されているという日本盲教育関係の文献などの保存について、調査の手を着ける時期かと思います。まずは手持ち資料のリストを作成することでしょう。そして、貴重なものの保存へと進みます。このことについては、私も何かお手伝いすることができるかもしれません。昔の仲間に連絡をしてみようと思います。

 午後は、講演と研究発表会です。
 事前に公開されているプログラムは以下の通りです。
日本盲教育史研究会第6回総会・研究会

 日本盲教育史研究会は創立から6年目を迎え、お陰様で会員数およそ190名の研究会へと育ちました。フィールドワーク中心の小規模なものに改善した春のミニ研修会は、金沢で5月21日に開催し、多くのご参加もあり、内容も好評でした。
 秋の第6回研究会は京都府立盲学校のご好意により同校を会場に開催させていただきます。現在、資料室の増改修を行い、展示や閲覧の方式を充実させる事業が進んでいると伺っております。研究会は協議の時間の確保など研究交流が深まるよう運営の改善も進めています。新しい資料室の見学も含め、日本の盲教育発祥の地での研究会に多くの皆様の参加をお待ちしています。
       日本盲教育史研究会会長 引田秋生
 
日時 2017(平成29)年10月21日(土)10時〜16時30分
会場 京都府立盲学校高等部(花ノ坊校地)2階・多目的教室、1階・資料室 
主催 日本盲教育史研究会 
後援 全国盲学校長会(予定)・日本盲人福祉委員会・毎日新聞社点字毎日
 
開場・受付:9時30分〜 資料室見学(10時〜12時 2交代) 
第6回総会:11時〜12時(会員のみ)
第6回研究会:13時〜16時30分


 以下、私のメモを備忘録として引きます。拙いものながら、思い起こしたり確認する時には、何かの役にたつと思ってまとめたものです。

171021_kouen.jpg

■記念講演
「石川県の盲教育史研究
 −「人」にスポットを当てた石川県立盲学校の史実に関する一考察」
    金沢星稜大学・元石川県立盲学校 松井繁 氏

 石川県立盲学校 の歴史的背景について、キーパーソンに注目しながら、詳細な研究成果を語ってくださいました。多くの方々が心血を注いで叡智を提供された歴史とその成果を知り、充実した時間をいただきました。

 最後に、以下のようにまとめられました。

ア、改革・刷新される時は、必ずそれをリードする情熱的パワフルなキーパーソンがいた。
イ、該当者が転退職するや改革は、一見止まって元の状態に戻ってしまうかのように見える。
ウ、しかし、キーパーソンは、多かれ少なかれ後ずっと影響を与え、確実に足跡を残している。


また、盲教育を継承発展させるための今日的課題を、以下のようにまとめて、締め括られました。

ア、大学の教員養成課程に、盲教育史を必須科目として位置づける。また、盲学校においても視覚障害者の歴史を必須として教える。イ、ー人のキーパーソンの働きだけでは限界がある。教員集団の底上げの方策が望まれる。各学校における断片的な講習会や、見よう見まね的な伝承では不十分で、文部科学省による本格的系統的な視覚障害教育の講習会が望まれる。


 なお、松井先生とは、今春のミニ研修会 in 金沢でお目にかかり、親しくいろいろなお話をしていただきました。今日は、ご著書『道を開拓した21人〜不滅の足跡を残した石川の視覚障害者達、関係者達〜』(橋本確文堂、2015年3月)を頂戴しました。ありがとうございます。

171021_matsui.jpg


■研究発表
「1951年に知ったルイ・ブライユ点字とコンピュータ時代以後の点字の展開」
 (点字情報処理の経緯)   長谷川貞夫(ルイ・ブライユSYSTEMプロジェクト代表)

 これまでの体験談を通して、情報処理の視点から展示のこれまでと今後について語ってくださいました。
 ただし、今日は時間がなかったために、会場のみなさんが知りたかったことにまでは及びませんでした。今回語られなかったことで、配布された資料から「全人類が体表で読む"第3の文字"」に関する箇所を、長文ながら引用しておきます。
 詳細は、以下の報告書に記されています。
 「光る点字(体表点字)開発の現状と未来
  −音声言語、視覚文字言語と並ぶ第3の文字言語”体表点字”」
 (『情報処理学会研究報告』Vol.2017-AAC-4 No.10 2017/8/27)

5.体表点字
 いまは、コンピューター時代である。ルイ・ブライユから178年を経た2003年1月に、点字の1点を振動体で表現し、全身で点字を読める6点式体表点字を共同研究者と開発した。
 点字の6点の形と6bitの情報交換用符号と比較すると、点字における「1の点」・=「あ」と、情報交換用符号の最初の信号とが同じ位置である。また、点が6点ある「め」は、全部が点の信号である。つまり、dotとbitが完全に一致している。言い替えると、点字を文字として見た場合、最も簡略化された文字なのである。ルイ・ブライユが、指先の触覚で6点を読み分けたように、体表点字の振動を強くすれば、触覚が最も鈍い足の裏でも点字が読める。それは簡略化された文字だからである。
 6点の体表点字を、頭部の周囲、背部の6点、両上肢の三角筋部・肘関節部・手関節部など、全身で読めることを確認した。
 このように、最初の体表点字は、指先で読む点字と同じように6点であった。しかし、これを・上段、中段、下段とほぼ0.3〜0.5秒の時間差で順に振動を送ることにより6点として読める2点式体表点字を開発した。
 この段間時間は、今後の研究で、より短縮されるであろう。つまり、読み速度が、一般の人が通常の文字を読むぐらいに、速くなる可能性があるということである。

6.光る点字(ピカブル)
 2017年の今年、2点式体表点字に同期して発光する振動体を「ピカブル」と名づけ、開発を進めている。(共同研究者は、本発表者6名)
 ピカブルの1点を表わす振動体の大きさは、現在のプロトタイプではワイシャツのボタンほどの大きさであり、両耳たぶにつけて、2点式体表点字の点字の振動を確認できるようにしている。このとき同時にピカブルを装着している当事者以外の人もLEDの発光によって、それが動作していることを確認できる。光の色は、点宇の左列1・2・3の点を赤色のLED・右列4・5・6の点を青色のLEDとし分けることによるわかりやすさの検証を行っている。
 体表点字データは、専用のスマートフォンアプリケーション(現在はこのアプリケーションの名称も「ピカブル」としている)から B1uetoothで送信されるため、ピカブルを装着した盲ろう者に対して、支援者がスマートフォンで点字データを送信し、少し離れた揚所から体表点字によるコミュニケーションをするような使い方も想定している。
 例えばiPhoneでピカブルを起動し、通常の文字で「こんにちは」と入力して送信すると、ピカブルは2点式体表点字でコンニチハと振動し、振動と同期してLEDも光る。
 開発中の専用アプリケーションは、現在はピカブルの使いやすさを検証するため、振動時間を数値で調整したり、それを複数のプリセットデータとして保存したり、練習用の定型文を保存し、ワンタッチで呼び出せる機能をもつプロトタイプであるが、複数の当事者による実証実験を通して、より最適な振動時間の初期値の設定や、必要とされる操作系ユーザインタフェース(「一時停止」や「1マスもどる」などの操作ボタンの必要性は実証実験により確認された)の検討を進めた上でリリースする予定である。
 ピカブルは点字を読むための出力装置だが、点字の形を利用した入力装置としては「イッピツ」を開発しており、次にこれを説明する。

7.イッピツ
 イッピツ(一筆)は、スマートフォンの画面上で点字の6点を一筆書きの要領でなぞることにより、点字を入力できるアプリケーションである。これについては第2回研究会で「音声言語、文字言語に並ぶ誰もが全身で使えるルイ・ブライユ点字」として既に発表しているが、ここで改めてその概要と、その後の経過を含めたこれまでの経緯を紹介する。
 イッピツは2013年に「点字一筆式入力 IPPITSU IME」というAndroidスマートフォン用のアプリケーションとして既に公開している。
 スマートフォン画面の四隅の位置を点字の4点、1(左上)、3(左下)、4(右上)、6(右下)の点に見立て、1と3、4と6の辺の中間に2の点および5の点を置いて、これら6つの点全体を点字の1マスと見立て、入力したい点字の点をなぞることで文字を入力できるという基本仕様は、当時から現在まで変わっていない。
 たとえば、左上1の点は点字の「あ」である。この点に指が触れるとブルッと振動し、そこで指を画面から離すと「あ」が入力される。点字の「い」は1の点と2の点である。1の点の振動を感じてから、そのまま指をずらして2の点まで移動し、振動を感じてから指を離すと「い」が入力される。6点すべてをなぞってから指を離すと点字の「め」が入力される。画面に触れてから離すまでに通過した点情報を文字に変換する。通る経路は自由で、何回同じ点を通ってもかまわない。これがイッピツの基本原理である。
 画面の点に指が触れると振動するため、視覚障害者、盲ろう者も入力することができる。つまり、健常者、視覚障害者、ヘレンケラーのような盲ろう者が相互に通信を行えるのである。
 2015年、AppleWatchの登場を受けて、このイッピツの仕組みを腕時計型端末の上で動作させれば、最も小さいウェアラブルな点字入力端末になるのではないかと考え、2016年に発表されたWatchOS3を使い、イッピツの仕様に基づくプロトタイプを開発した。しかしながら限られた画面サイズ上での文字入力以外の機能を組み込む負荷や、iPhoneとの通信時のタイムラグの課題などにより、AppleWatch上での開発は現在一旦保留している。
 現在は、iPhoneで稼働するiOSアプリケーションとしての「イッピツ」の開発を行っており、AppleWatchとの連携は、今後のハードウェア性能の向上やWatchOSのバージョンアップの動向を見ながら、再開する計画である。AppleWatch版にこだわる理由は、単に小型の点字入力端末としての期待ではなく、スマートフォンの画面サイズを使ったイッピツよりも使い勝手がよくなることが期待されるからである。端末の画面の四隅を使うことで、視覚に頼らない入力ができるというコンセプトは共通でも、画面が大型化しているスマートフォンでは、点から点になぞる移動は必ずしも思い通りにならないことが多い。しかし端末が小さければ、四隅の位置の把握がしやすく、安定した入力ができる上、移動距離が短くなるため、入力にかかる時間も節約でき、結果的により速くかつ正確に文字を入力できると考えているからである。
 iPhoneアプリケーションとしてのイッピツには、画面上の点の位置を利用者が任意に変更できる機能を実装している。これを使って6つの点の位置は自由に決められるが、一方で視覚障害者にとって重要な情報である画面上の点の位置についての手がかりがなくなってしまう。そこでイッピツの開発に使用しているiPhoneの画面には、変更した点の位置を触覚で知覚できるようにシールを貼っている。これにより端末の四隅に縛られずに画面上の点を把握しやすくしている。そして入力エリアを小さくすることにより、簡単に点字が入力できるようになることを検証できた。
 入力した文字が意図したものであるかを把握するための方法として、現在のイッピツでは1文字入力する度に音声と振動で入力した文字を確認できるようにしている。また、ある程度まとまった文章を入力した後、それをまとめて読み上げたり、振動で連続した文章を確認する機能も実装している。このときに使っている振動データは、点字の6点を1から6(または1-4-2-5-3-6)の点の順で振動させるもので、これを1点式体表点字という。1点式体表点字は振動する端末が1つしかなくても、つまりスマートフォン本体のみで利用できるのがメリットだが、1っの文字を確認するためにそれなりの時間がかかるという問題がある。そこで、イッピツの中にピカブルの2点式体表点字システムを導入することで、より高速な確認が行えるようになる。ピカブルはBluetoothを使った外部装置なので、これを別途導入してもらう必要があるが、このような形でこれらの装置が将来的に統合システムになることで、健常者、視覚障害者、盲ろう者を問わず同じアプリケーションを使ってコミュニケーションができるようになると考えている。

8.2020年東京オリンピック・パラリンピックを盲ろう者にヘレンケラー放送で中継放送
 ちょうど、この学会発表日から2年11か月後の、2020年7月24日から東京オリンピック・パラリンピックが開催される。この開催に間に合うように、開発の目標を決めた。ここでいうヘレンケラー放送だけで、オリンピック・パラリンピックの実況放送を楽しめるようになるのは、完全に視覚・聴覚がない最重度の情報障害者である「重度盲ろう者」だ。
 現在、「重度盲ろう者」に対する放送に相当するものは、まったくない。つまり、メールも情報検索もまったくできない環境である。このコンピューター時代における「通信の真空スポット」なのである。これを、何とか解消してさしあげる必要がある。それで、イッピツ入力による送信と、ピカブル受信で、競技の実況放送を行うことを目標としている。ここで大事なことは、放送が可能ということは、個人のメールや情報検索も可能になるということだ。
 たとえば、一般の人でYouTubeを送信と受信で利用している人は、もちろん、メールや情報検索を行っている。つまり、盲ろう者が、これと同じ通信環境に初めて住めるということなのである。現在、日本に、盲ろう者が約1万3000人いると言われている。もし、このうち、10%の盲ろう者が重度情報障害者であれば、1300人の盲ろう者が通信可能になるということなのである。

9.体表点字が人類の新しい文字言語として加わる
 体表点字を、幼小児期から学習した事例はまだないので、一般の人が言語を習得するのと同様に、幼小児期から20歳ぐらいまで学習すれば、音声や通常の文字のように理解できるようになるであろう。
 言語に、話し言葉の音声言語、視覚で読み書きする文字言語がある。また、1825年にルイ・ブライユが発明した指先で読む点字は、触覚文字言語と言える。
 この三種類の言語について述べる。
 音声言語は、数万年以前と言われる人類の誕生とともにあると考える。言葉を使えるようになっての人間である。その起源を確定することはできない。
 文字言語の起源については、約6千年前のメソポタミアの粘土板などに書かれた楔形文字とも言われる。文字の起源については、別の説もある。
 音声言語や文字言語を構成する要素は、あまりにも複雑である。ところが、点字は、6点でマスアケを含めての64パターンである。
 また、世界の多くの言語に対応した点字体系がある。そして、各言語の点字について、幼児期からの学習者は、言語を問わず、20歳ぐらいまでに指での触読が、相当に熟練しているものと考える。
 ところが、体表点字については、その発明と普及の日が浅いので、幼児期から成人期までの学習の経験がない。今後、幼児期から計画的に学習すれば、音声の言葉や視覚の文字を反射的に理解できるように、頭部、体幹部、四肢に与えられた体表点字を、反射的に理解できるようになるかもしれない。
 ルイ・ブライユ点字の真価は、人間の言語能力の新しい開発である。

10.おわりに
 障害者である私が、ボランティア、あるいはボランティア的な立場の方々に、これまでいろいろとご協力をいただきました。本稿でご紹介できなかった方々におわびいたします。
 体表点字の未来の姿は、少なくとも、今後、幼児の頃から学習を始めるとして、成人して社会活動をするまでの年数がかかります。人の誰もが用いる第三の言語になることを願ってやみません。(後注番号は省略)



■研究発表
「鳥居篤治郎先生と京都ライトハウス」
    田尻彰(京都府視覚障害者協会会長)

 師に対する篤い敬愛の情に溢れた語り口でした。京都ライトハウスに、私は何度も足を運んでいます。しかし、鳥居先生について、今日まで何も知りませんでした。溢れんばかりに豊かな発案と企画を実現させようとする姿を、熱っぽく語っていただき、啓発されることの多い時間を持つことができました。
 今日の内容は、以下の項目の通りです。

■京郁の視覚障害児の歴史に流れる鳥居スピリット
1鳥居スピリットの原点
2「ライトハウスビジョン検討会」(上村元館長の思いと私達への語りかけから)
3京都の鳥居→日本の鳥居→世界の鳥居の存在感と広い見識
4『「盲目は不自由なれど、盲目は不幸にあらず」としみじみ思ふ』の言葉に突き動かされた中途視覚障害者の声
5白杖安全デーの産みの親
6鳥居寮力涼都ライトハウスに占める存在感

■鳥居先生の生き方から問いかけられる現代的な課題
1幼小児期の恵まれた家族関係の中で芽生えた豊かな情操
2三療以外の進学に対する強い思い?
3東京での文化人との出会いと世界観の広がり
4伊都夫人との出会い
5京都府立盲学校副校長としての誇りある校風作り
6京都ライトハウス創設とその後の発展に向けた鳥居構想7日本点字の発展に貢献された実績



 研究発表の後は、質疑応答や討議となりました。これは、これまで短時間に終わっていたものです。今回から、たっぷりと時間が設定されました。この会の運営メンバーの英断だったと思います。
 とにかく、質問したい方々の挙手が続き、非常に盛り上がりました。その中でも、弘田会長と日本点字図書館の田中徹二理事長のエスペラントに関するやりとりを、私はもっと伺いたいと思いました。
 なお、質問を受けた発表者から、発表の意図が伝わらなかったことや誤解に対する補足説明がありました。この、コミュニケーションの行き違いについては、今後の質疑応答のあり方への貴重な事例かと思いました。専門用語や漢語が飛び交うと、その言葉の理解に一般聴衆としては困難が伴うからです。やはり、平易な言葉で発表や報告をしてもらうことを、発表者に重ねてお願いするしかないようです。聴衆が専門家ではないことが前提だからです。内容が濃い発表ほど、聞く側としては理解に至らないままに話が展開していき、追いつけないことから内容が正しく受け取れない、ということはえてしてあります。どうしようもないことではありますが。

 閉会挨拶の後は、会場の後片付けをしてから、京都駅近くの懇親会会場へ急ぎました。依然として小雨が降っています。4、5人のグループに別れて、タクシーを使って移動しました。私は、兵庫県の盲学校の先生方と同乗し、懇親会場でも四人で同じ席を占めました。お話をするうちに、札幌のミニ研修会でご一緒していたことや、宇治でのイベントで一緒だったりと、不思議な縁を感じました。
 お集まりのみなさんは、とにかくお元気です。私の疑問についても、いろいろな情報で答えてくださいました。
 現在抱えている、観光とユニバーサルやアクセシブルの問題については、事務局長の岸博実先生から、貴重な情報を教えていただきました。大至急確認します。ありがとうございました。


 最近の、この研究会の活動報告については、私の個人的なものながら、本ブログでは以下の記事にまとめています。おついでの折にでもご笑覧いただければと思い、列記しておきます。

「日本盲教育史研究会の第5回ミニ研修会 in 金沢に参加して」(2017年05月22日)

「第5回・日本盲教育史研究会に参加して」(2016年10月22日)

「日本盲教育史研究会第4回ミニ研修会 in 九州」(2016年06月04日)

「日本盲教育史研究会第4回研究会に関する報告」(2015年10月24日)

「日本点字図書館創設者・本間一夫生誕の地へ」(2015年06月01日)

「盲教育史研究会で多くの方々と歓談」(2015年05月31日)

「日本盲教育史研究会 第3回ミニ研修会(in札幌)」(2015年05月30日)

「日本盲教育史研究会に参加して(その3/3)」(2014年10月13日)

「日本盲教育史研究会に参加して(その2/3)」(2014年10月12日)

「日本盲教育史研究会に参加して(その1/3)」(2014年10月11日)
 
 
 
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ■視覚障害
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。