2017年12月05日

読書雑記(215)白川紺子『下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ』

 『下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ』(白川紺子、集英社オレンジ文庫、2015年6月)を読みました。シリーズ第2作目です。

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■「ペルセフォネと秘密の花園」
 粗筋だけが語られています。描写がないので、話に付き合うだけでした。モタモタした話で、緊張感がない眠い話です。【1】


■「杜若少年の逃亡」
 連想ゲームのように、メッセージを巡って話が展開します。能の演目であったり、シェクスピアであったり。しばらくは振り回されました。この話が、スーッときれいに着地してまとまります。この作者は、短めの話がうまいようです。【3】


■「亡き乙女のためのパヴァーヌ」
 アンティーク調の着物を着た女子高生たちのティーパーティーが、軽やかに音楽の話へと転調していきます。帯に刺繍された音符から謎解きが始まります。中程からは、鹿乃の友達の奈緒が中心となります。話が長くなったにも関わらず、この手法で物語は緩んだり拡散したりしません。うまい切り替えです。
 昭和20年の西陣空襲のことが、話を引き締めています。男女の恋心も、ふんわりと話全体を覆っています。【5】


■「回転木馬とレモンパイ」
 本話は、アンティークの着物ではなくて、オルゴールの謎解きです。回転木馬にレモンパイなど、話が飛び過ぎていて作り過ぎだと思いました。情の部分で話を盛り上げようとします。しかし、空回りをしていたのが残念です。最後はなんとか着地しました。しかし、作り事めいた印象が終始拭えませんでした。【2】
 
 
 
posted by genjiito at 20:42| Comment(0) | ■読書雑記
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