2017年10月07日

有楽町で世にも不思議な同窓会が勉強会に変身

 今日は、日比谷図書文化館で、古文書塾「てらこや」の体験講座がありました。
 常に新しい風が舞い込むように、受講希望者に私がやっている今の講座を体験してもらおう、という機会が用意されているのです。初めてお目にかかる方々に、鎌倉時代に書き写された『源氏物語』の写本の文字だけを追いかける講座であることを、いろいろな例を示しながら説明しました。興味を持っていただけたようで、何人かの方が来月からの講座においでになるようです。仲間が増えることは良いことです。

 終了後は、これまで『源氏物語』の講座を受講なさっている方々が会場前にお集まりになっており、ご一緒に有楽町のビヤホールに移動しました。そこでは、現在講座で読んでいる橋本本「若紫」を、みんなで現代語訳をしようという無謀な計画を実現しようという密談(?)がなされたのです。しかも途中からは、この日比谷の講座で第1期の頃に参加なさっていた方も、日頃の向学心をさらに磨く機会だとばかりに、駆けつけてくださいました。久闊を叙する間も無く、少しお酒を口にしながら、侃侃諤諤ならぬ思い思いの意見を出し合いました。
 手元には、私が一夜漬けで作成した、橋本本「若紫」を現代語訳するための試案のプリントがあるだけです。さて、来月からどう進めようか、ということです。
 今日の話し合いの中で一番盛り上がったのは、「若紫」冒頭の「わらはやみ」をどう訳すか、ということでした。これは難題です。

 現在は大島本が唯一のテキストとして読まれています。しかし、その大島本の本行の本文が

しゝこらうしつる時はうたて侍るを(「うし」ママ)


としているところを、橋本本は、

しゝこらかし侍りぬるはあやにくに侍るを


という本文を書き記しているのです。ここでの橋本本は、どう訳し、その違いをどう理解したら良いのか。現代語訳を超えた、本文の解釈に及ぶことになります。
 光源氏が若紫を誘拐する場面や、藤壺との密通場面などなど、早々とどんな訳にしようかと、ワクワクなさっていました。
 そんなこんなで、話はどんどん膨らみます。
 今日のみなさまとの話で得られた合意としては、『源氏物語』を何かで読んだことがある人を対象にした現代語訳をしよう、というところに落ち着きました。これから作る現代語訳の対象は、高校生でもなく、大学生でもない、ということです。そして、来月4日の講座の後には、この集まりを企画立案してくださった、世話人でもある星野さんが、今日配布した第一丁の資料の範囲だけでも、現在流布する大島本と、講座で読んでいる橋本本が違う箇所をどう訳すか、などの問題点を提示してくださることになりました。
 これは、思いがけない展開で、素人集団の華麗なる遊び心が蠢き出したことになります。
 さて、今後はどのような展開になるのか、楽しみにして推移をごらんください。そして、参加してみようという方の加入を心待ちにしています。

 有楽町にはゴジラがいます。

171007_gozira.jpg

 それに負けず劣らず、得体の知れない10人が、密かに雄叫びをあげました。
 10月7日を「日比谷源氏の記念日」としましょう。
 
 
 
posted by genjiito at 23:50| Comment(0) | ◎源氏物語
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