2017年09月29日

井上靖卒読(209)北陸加賀の湖畔の宿で井上靖の『星と祭』を想う

京都からサンダーバード号で一路金沢に来ました。
そして、今夜は加賀温泉郷の中の片山津温泉で、懸案の頭部神経痛を和らげるために温泉療養をしています。
のんびりと一風呂浴びて、部屋の窓越しに柴山潟の湖面を見やりながら寛いでいると、フッと私が大好きな井上靖の『星と祭』の一節が思い浮かびました。
この『星と祭』は、朝日新聞に連載されていた時、それが掲載されていた新聞を毎朝配達していたこともあって、私には一番思い入れのある小説です。このことは、これまでに何度も書いたので繰り返しません。
私がクラウドに置いているプライベートデータベースから、思い付くままに角川文庫版『星と祭』の一節を抜き出してみました。この記事の最後に掲載したのは、探し当てた2箇所の内の一つです。

ここに引用した部分は、この作品でも象徴的な場面だと思っていることろです。
主人公である架山は、高校時代の友人の息子の結婚式に呼ばれ、金沢に行きます。その式の後、金沢から車で1時間のR温泉にある湖畔の宿で、7年前に琵琶湖で亡くした娘のみはると、いや虚像である娘と対話をするのです。
たまたま、私が今夜泊まっている宿が[湖畔の宿 森本]なので、あるいはここが『星と祭』のモデルではないのか? と、勝手に想像をたくましくしているところです。
これを書いている小部屋の窓越しには、夜の湖畔の水面に湖岸の灯りが鏤められています。出来過ぎだと思われるほどに、小説で語られる雰囲気の中にいるのです。もっとも、頭痛に悩まされている私と作中の架山は、抱える問題に雲泥の差がありますが……

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posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | □井上卒読
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