2017年07月29日

[町家 de 源氏物語の写本を読む](第0回)の報告

 今回から、会場は「be京都」(http://www.be-kyoto.jp/)になりました。
 地下鉄今出川駅から歩いて5分。酷暑の中だったこともあり、近くなのに歩いていて遠く感じました。
 広い和室の真ん中に座卓を置き、テーブルの上には「彩果の宝石」「さなづら」「二人静」というお菓子を囲むようにして始まりました。

170729_sweets.jpg

 まずは、この集まりの今後の方針の確認です。昨日の本ブログに書いたことを、みなさんに了解していただきました。次回の第1回は、来月8月26日(土)の午後2時からです。
 世間話をしながら、今回のテキストであるハーバード大学本「須磨」の来歴などをプリントを見ながらお話しました。配布した資料の説明文を引きます。

  ハーバード大学美術館蔵「源氏物語」の来歴
 『源氏物語』の第一二巻「須磨」と第五二巻「蜻蛉」は、ドナルド・ハイド氏(一九〇九〜一九六六)のご夫人(一九一二〜二〇〇三)の寄贈により、一九七四(昭和四九)年にハーバード大学美術館の所蔵となりました。この美麗な古写本は、弘文荘の反町茂雄氏(一九〇一〜一九九一)の手を経て、一九六二年にドナルド・ハイドご夫妻が購入されたものでした。
 筆者については、鎌倉中期(十三世紀半ば)の天台宗の学僧で和歌にも秀でていた慈鎮(慈円・一一五五〜一二二五)とされ、現在に至っています。現存最古の『源氏物語』の古写本の一つです。
  ※「日本の古典籍 その面白さ その尊さ」(反町茂雄著、一九八四年、八木書店)
  ※『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」・「蜻蛉」』(伊藤鉄也編著、二〇一三〜二〇一四年、新典社)


 このハーバード大学の本との出会いなども、簡単にお話しました。

 ここで確認する翻字は、変体仮名を交えたものとなります。そこで、ユニコードとして先月の国際会議で承認された平仮名フォント(287文字)について、その会議の報告書を印刷したものを見ながら、平仮名について考えました。

 そうこうするうちにすでに1時間。後は、ハーバード大学本「須磨」の巻頭部分を、字母に注意しながら確認していきました。中でも、「へ」の字母は「部」とされていることについては、時間をかけていろいろと意見交換をしました。結論は出ないまでも、中国の草書体の文字をも参照しながら、「部」を「へ」の字母にするには無理があるのではないか、というのが今日の結論です。これは、今後とも用例を見ながら深めていく検討対象の文字です。

 人名や地名の話の中では、『土左日記』と『土佐日記』についても話題になりました。平仮名については、まだ不明な点が多いので、自由に語り合って楽しい時間が過ぎていきました。
 次回は、異本の異文について検討することから始めます。

 こうしたことに興味と関心をお持ちの方や、写本に書き写された変体仮名などを読んでみたい方は、どうぞご自由に参加してください。
 この[町家 de 源氏物語の写本を読む]集まりは、勉強会であることはもとより、いろいろな意見交換の場でもあります。資料の準備がありますので、前日までに本ブログか〔npo.gem.info@icloud.com〕に連絡をいただけると幸いです。
 
 
 
posted by genjiito at 21:21| Comment(0) | ◎NPO活動
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。