2017年05月30日

【復元】移転11・アンナ・カレーニナは名作?

 これまでに何度も、ウエブに公開した記事が消えています。そのような中で、幸運にも探し出せた文章や写真は見つけ次第に、忘れない内に復元してきました。
 今回のものは、今から10年半も前の、ロシアに行く直前に書いた記事です。
 記録として、再現してみました。

(※以下の記事は、平成19年3月に消失したブログの復元です。)
 
 
********************** 以下、復元掲載 **********************
 
 
2006年9月10日公開分
 
副題「文豪の最高傑作を映画で観て想うこと(8月21日)」
 
 
 ヴィヴィアン・リー主演の映画『アンナ・カレーニナ』(1948年イギリス映画)を見ました。
 突然ですが、これも来週からロシアへ行くための準備です。昨日は、教え子たちとの暑気払いで、大阪心斎橋でロシア料理を食べました。初めて行くロシアなので、このところ、いろいろと予習をしています。

 さて、この映画を観て、素直な感想は失望でした。こんな話だったのか、と。

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 私は、中学生から高校生の時代に、たくさんの本を読みました。学校の帰りに、大阪の布施にあるヒバリヤ書店で、新潮文庫の総てのページに目を通しました。毎日立ち寄っては、次から次へとページをめくりました。速読とでも言えば格好がいいのですが、とにかく流し読みです。よくわからないにも関わらず、飽きもせずに数百冊の本を手にしました。恥ずかしながら、作家を目指していたことも関係なしとは言えません。

 また、父がたくさんの本を買ってくれました。
 父は、山一証券に勤めており、社内誌『やまびこ』に川柳やクイズや提案を投稿しては、採用されると記念品として文庫本をもらってきてくれました。次は何がほしいと聞かれて、いつも文庫本の末尾にある作品リストに丸印を付けて渡したものです。それだけでも、百冊はあったかと思います。
 父がくれた新潮文庫には、その総てに「提案応募記念」というスタンプが捺されています。

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 トルストイの『アンナ・カレーニナ』も、そんな時期に読んだはずです。

 高校時代から、大阪上本町にあった天牛書店という古本屋にも出入りしており、そこでもたくさんの本を読み、買いました。
 天牛書店とは、織田作之助の『夫婦善哉』にも出てくる、天牛新一郎さんで知られる店です。常連は、織田作之助、藤沢桓夫、折口信夫(釈迢空)などがいたそうです。
 新一郎さんには、私も難波の店で何度もお目にかかりました。新一郎さんに会うために、何度も通ったものです。今で言うアメリカ村の奥に籠られた最晩年にも、その店へ通いました。「へい、おおきに」と言ってくださった優しい言葉遣いが忘れられません。何かお話を聞きたかったのですが、そんな勇気がないままに姿をお見かけしなくなってしまいました。
 今にして思えば、折口信夫のことだけでも聞いておけばよかったと思うことがあります。

 それはさておき、今回『アンナ・カレーニナ』を映画で観て、そのストーリーをまったく思い出せませんでした。若い時に読んだ名作とは、こんなものかも知れません。
 教員をしていた頃に、高校生に名作を読めという指導をしてきましたが、あれは何か意味があったのか、今となっては自信がありません。国語の教員として、意味もなくお題目として唱えていたとしか思えません。

 『アンナ・カレーニナ』は、7回も映画化されているそうです。このビビアン・リーの映画以外では、グレタ・ガルボのアメリカ映画と、タチアナ・サモイロヴァのソビエト映画、ソフィー・マルソーのフランス映画以外は、今はわかりません。

 いずれにしても、映画を観る限りでは、身勝手な女性が恋愛に悩んだ末に自殺する、という印象しか残りませんでした。あまりにも通俗的なので、世界的な文豪の名作という評判と一致しないのです。
 手元の世界文学全集を手にしました。あらためて見ると、その長編さに驚きました。これは、近日中には読めそうにもありません。ロシアから帰って後に、改めてチャレンジしましょう。

 文学は、あくまでも言葉の芸術なので、映画で作品を評してはいけないことは承知しています。
 この課題には時間がかかりそうですが、何とかしていつの日にか、自分なりの意見をまとめたいと思っています。
 
********************** 以上、復元掲載 **********************
 
 
 
posted by genjiito at 21:03| Comment(0) | *回想追憶
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