その決定を受け、〈池田亀鑑賞のホームページ〉を通して、第6回の授賞作が公表されました。
第6回 池田亀鑑賞の授賞作は、本橋裕美著『斎宮の文学史』(翰林書房、2016年10月刊行)です。
〈池田亀鑑賞のホームページ〉には、関連する情報が掲載されています。
授賞式は、平成29年6月24日(土)午後、日南町総合文化センター多目的ホールにて行います。
本作を選考した理由などについては、授賞式の場で公表いたします
参考までに、本書の目次を引きます。
序 本書の意義と構成
第一部
第一章 『伊勢物語』狩の使章段と日本武尊
−「斎宮と密通」のモチーフをめぐって−
はじめに
一、狩の使章段の構造
二、斎宮と密通の歴史
三、「明くれば尾張の国へこえ」る昔男
四、古今集時代の日本紀受容
五、狩の使章段の「斎宮と密通」モチーフ
おわりに
第二章 『大和物語』の斎宮と『うつほ物語』
はじめに
一、『大和物語』に描かれる斎宮たち
二、済子女王の密通
三、『うつほ物語』の斎宮
四、物語における斎院前史
−斎宮との差異をとおして−
おわりに
第三章 光源氏の流離と伊勢空間
はじめに−明石の君と六条御息所の「けはひ」−
一、先行研究
二、六条御息所、徽子女王、明石の君
三、「伊勢島」の六条御息所
四、麻続王と光源氏
五、明石の君の役割
おわりに
第四章 六条御息所を支える「虚構」
はじめに
一、六条御息所の「虚構」
二、「中将の御息所」とはだれか
三、〈中将御息所〉という設定の行方
おわりに
第五章 「別れ路に添へし小櫛」が繫ぐもの
−秋好中宮と朱雀院の恋−
はじめに
一、恋情の始発と絵合巻の贈答
二、「別れの櫛」とは何か
三、「櫛」考−別れの「櫛」に向かう手がかりとして−
四、『源氏物語』における「別れの櫛の儀」
五、三度目の贈答−「別れの櫛」の再登場−
おわりに
第六章 『源氏物語』絵合巻の政治力学
−斎宮女御に贈られた絵とその行方−
はじめに
一、斎宮女御に贈られた朱雀院の御絵
二、「公茂」とは誰か
三、「公茂が仕うまつれる」朱雀院
四、朱雀院の志向
五、朱雀院の絵の行方
おわりに
第七章 『源氏物語』における春秋優劣論の展開
はじめに
一、薄雲巻の春秋優劣論
二、六条院 秋の町
三、少女巻 春秋の競い
四、胡蝶巻 春秋の競い
五、乖離する「秋の町」と秋好中宮
六、「対」からの解消
おわりに−御法巻という結末−
第八章 冷泉朝中宮の二面性
−「斎宮の女御」と「王女御」を回路として−
はじめに
一、女王の立后
二、「斎宮の女御」としての立后
三、「王女御」という回路
おわりに
第九章 冷泉朝の終焉−玉鬘物語をめぐって−
一、冷泉帝のあり方−少女巻から藤裏葉巻へ−
二、「かぐや姫」玉鬘
三、冷泉帝と『竹取物語』の帝−玉鬘物語の発展と結末−
四、玉鬘物語に底流する冷泉帝治世
五、竹河巻の玉鬘・冷泉院
おわりに
第十章 「神さぶ」櫛のゆくえ
−『源氏物語』秋好中宮と女三の宮の関わりが意味するもの−
はじめに
一、秋好中宮による女三の宮支援
二、「櫛譲り」が照らし返すもの
三、鈴虫巻の役割
おわりに
第二部
第十一章 『夜の寝覚』における前斎宮の役割
はじめに
一、『夜の寝覚』における前斎宮
二、父入道の位置づけ
三、前斎宮と入道
四、斎宮経験者と皇室復帰の物語
おわりに
第十二章 『狭衣物語』女三の宮の位置づけをめぐって
はじめに−『狭衣物語』の〈斎王〉が抱える特殊性−
一、女三の宮の人物像−位置づけ・卜定・託宣−
二、嵯峨院にとっての女三の宮−若宮立太子の切り札として−
三、天照神にとっての女三の宮−託宣という切り札−
四、斎院・源氏の宮との役割分担−「さとし」「告げ」のあり方から−
おわりに
第十三章 平安後期物語から見る大津皇子の物語の展開
はじめに
一、平安後期物語に見る「大津の王子」
二、狭衣の恋
三、大伯皇女と兄妹婚
四、「秋の月」と大伯皇女
おわりに
第十四章 『浅茅が露』の始発部をめぐって
−退場する「斎宮」「皇女」−
はじめに
一、常磐院の姫宮
二、先坊の姫宮
三、二つの恋の役割
第十五章 『海人の刈藻』における姉妹の論理と皇女たち
はじめに
一、按察大納言の三姉妹と冷泉帝の三姉妹
二、一条院の斎宮の役割
おわりに
第十六章 『恋路ゆかしき大将』における斎宮像
−一品の宮をめぐって−
はじめに
一、一品の宮と端山の恋
二、婚姻の破綻
三、梅津女君の人物設定
四、鎌倉期の斎宮像と一品の宮
おわりに−斎宮経験者の結末−
第十七章 〈斎宮経験〉の視点から見る『我が身にたどる姫君』の前斎宮
はじめに
一、前斎宮の設定と問題の所在
二、前斎宮の居住空間
三、前斎宮の望むもの
四、前斎宮空間−中将の君の果たす役割−
おわりに−前斎宮と女帝の問題へ−
第十八章 『更級日記』の斎宮と天照御神信仰
はじめに
一、源資通の語る斎宮の姿
二、嫥子女王
三、孝標女と天照御神信仰
四、「天照御神」とは何か
おわりに−斎宮の冬の夜をめぐって−
第十九章 文学サロンとしての斎宮空間
−良子内親王を中心に−
はじめに
一、斎宮イメージの形成と柔子内親王
二、良子内親王の貝合
三、『堤中納言物語』「貝合」との関わり
おわりに
第二十章 反復される斎宮と密通の語り
−『小柴垣草紙』が語る〈禁忌〉の恋を中心に−
はじめに
一、『小柴垣草紙』について
二、『小柴垣草紙』短文系統の内容
三、短文系統から長文系統
四、撹乱される規範
おわりに−建礼門院の読む『小柴垣草紙』−
終章 物語史の中の斎宮−上代から中世における斎宮の文学史−
はじめに
一、歴史から物語へ−上代の斎宮像−
二、『伊勢物語』狩の使章段と『源氏物語』秋好中宮
三、『狭衣物語』の斎宮と王権
四、斎宮と女帝の物語−『我が身にたどる姫君』からたどる斎宮の物語史−
五、〈王権〉を支える〈天照神〉と斎宮−『狭衣物語』から捉え返す女帝即位−
おわりに−女帝になれなかった斎宮が照らすもの−
あとがき 初出一覧 英語訳・中国語訳要旨 索引
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