2017年04月20日

新規科研の開始にあたって5(平成29年度の研究計画)

 新規採択(内定)となった科研A「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」の、平成29年度に実施を予定している研究計画は以下の通りです。

 初年度は、今後4年間の準備と展望の確認を行ないます。最初に手がけるのは、翻訳文献資料の調査収集と各国語訳を日本語に訳し戻すことです。

 まず、海外で刊行された文献資料を再確認することから。これは、これまでの成果としてウエブに公開している『日本古典文学翻訳事典1〈英語改訂編〉』と『日本古典文学翻訳事典2〈平安外語編〉』を基本情報として、さらに調査を進めることになるものです。訳し戻しについては、すでに着手済みの『源氏物語』に加えて、『古今和歌集』『伊勢物語』『宇津保物語』『蜻蛉日記』『枕草子』等の諸作品を対象とします。日本人研究者と、翻訳された現地の研究者との双方での共同作業です。

 『十帖源氏』の多言語翻訳については、すでに着手している第1巻「桐壺」と第5巻「若紫」に続き、第12巻「須磨」と第13巻「明石」を開始します。『源氏物語』は54巻あり、これはほんの一部にしかすぎません。しかし、ここで作成される多言語翻訳の成果は、今後の全巻翻訳のための基盤構築となるものです。

 「第1回 国際日本文学研究交流集会」は大阪で開催します。テーマは「海外で翻訳された平安文学の諸相」。これは、これまでの成果を踏まえて、今後の展開を見据えたものです。

 本科研に関わるメンバー内では、年間数回の情報と意見を交換する会合を持ち、研究と成果を討議していきます。その内の1回は、外部の研究者に向けての公開研究会とし、海外からゲストを招いて実施する予定です。

 たとえ思うような成果がまとまらない事態が生じたとしても、ここで構築をめざしている各種情報の総整理に対する視点と、そこから生み出されたデータは生き続けます。これまでに蓄積し、データベースとして公開している成果が、今回の申請課題を下支えしてくれることでしょう。日本古典文学を世界に広め、相互理解を深める上において、貴重な研究情報の公開となり成果となるはずです。

 こうした内容についても、興味と関心をお持ちの方からの連絡をお待ちしています。
 
 
 

posted by genjiito at 21:25| Comment(0) | ■科研研究
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