2017年04月19日

新規科研の開始にあたって4(おおよその研究計画とその方法)

 新規採択(内定)となった科研A「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」の、研究計画とその方法をまとめておきます。

 まず、研究目的を達成するための研究計画と方法についてです。

 本課題では、世界各国における日本古典文学に関する実態調査(研究機関・研究者・研究成果・翻訳書等)に基づき、受容と研究の歴史を総合的に整理します。それと共に、『十帖源氏』の多言語翻訳と研究を踏まえて、日本文化の海外における変容を共同研究のテーマとして取り組みます。これらは、インターネットを活用したコラボレーションと、毎年実施する国際日本文学研究交流集会で確認して推進していくことになります。
 具体的には、調査・研究・翻訳・公開に関する活動を通して、情報交換をする中で研究成果を集約していきます。

 本応募課題による調査研究は、次の3群で構成しました。

1.翻訳から見た日本文化の変容
 各国の平安文学に関する翻訳書を整理し、それを日本語に訳し戻して基礎資料とする。
 翻訳を通して、日本文化が変容して伝えられていく諸相と実態を確認する。

2.『十帖源氏』の翻訳と研究
 日本側で作成した平易な現代語訳を活用して各国語で翻訳を進める。
 各国語の翻訳の訳し戻しを基礎資料として共同討議を行なう。

3.共同研究基盤の整備
 ホームページ「海外源氏情報」や電子版『海外平安文学研究ジャーナル』等のメディアを活用して、情報公開と共同研究を推進する。


 この3群を4年間にわたって推進する過程で、海外の研究者との情報交換を密にし、恒常的な人的ネットワークを構築するのです。これは、今後につながる人的な資源の継承であり、ここに集まる情報は貴重な資産になるはずです。
 また、スペインとインドで開催する国際日本文学研究交流集会における講演・シンポジウム・研究発表の成果は、ウェブを通して情報を公開し共有します。
 この計画を着実に実現するために、次の細目を4年間で実施する予定です。

(1)【調査活動】
 研究論文と翻訳書を調査し収集整理
 コラボレーションを通して基礎資料を作成
 海外における受容と研究の諸相をまとめる

(2)【研究活動】
 翻訳における日本文化の変容
  1.海外で翻訳された平安文学を日本語に訳し戻す
   『日本古典文学翻訳事典1〈英語改訂編〉』と『日本古典文学翻訳事典2〈平安外語編〉』(平成28年12月刊行予定)で確認済みの、各種言語で翻訳されているものを対象とする
  2.翻訳の訳し戻しから日本文化の各国における移し替えの実態を研究する

(3)【翻訳活動】
 各国語への翻訳を通して日本文学への理解と若手研究者の育成
  1.『十帖源氏』の多言語翻訳は各国の翻訳技術の向上が期待できる
  2.翻訳対象言語:英語・中国語・タイ語・インド諸言語(8言語)・イタリア語・スペイン語等
  (すでに完成させた現代語訳を、各国の研究者・翻訳家の支援のもとに翻訳)

(4)【情報交換】
 研究者ネットワークの形成
  1.研究者間のネットワークを形成するために調査と情報整理
  2.海外での新世代である学生たちとの情報交換

(5)【成果発表】
 研究発表および講演・シンポジウムの開催とウェブ公開
  1.国際日本文学研究交流集会で研究発表の場所と課題を提供し若手を育成
  2.研究情報や成果はホームページを活用して発信し共同研究態勢を構築
  3.研究成果は電子ジャーナル(毎年度発行)で公開発表


 以上の3群5項目を展開することで、昨年度まで取り組んできた「海外における源氏物語を中心とした平安文学及び各国語翻訳に関する総合的調査研究」(科研番号︰25244012)をさらに発展的に拡大した、調査研究及び成果の公開を目指していきます。

 こうした研究テーマに興味と関心をお持ちの方の参加を待ち望んでいます。
 このブログのコメント欄等を通して連絡をいただければ、折り返しお知らせなどをお届けします。
 さまざまな角度からのご意見をいただけることを、前年度までと同様に楽しみにしています。
 
 
 

posted by genjiito at 21:14| Comment(0) | ◎国際交流
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。