2017年03月29日

電子版「古写本『源氏物語』触読研究ジャーナル2」を公開中

 科研で取り組んでいる「視覚障害者と共に古写本の仮名文字を読み日本古典文化を共有するための挑戦的調査研究」のホームページから、「古写本『源氏物語』触読研究ジャーナル」(ISSN:2189−597X)の第2号を公開しています。

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 オンラインジャーナルなので、ご自由にダウンロードしていただき、ご教示や情報提供をしていただけると幸いです。

 この電子ジャーナルは、昨年度から取り組んでいる科学研究費補助金による研究成果を、ウェブ上に公開しているものです。本年度が最終年度となり、この第2号でひとまず完結となります。
 その研究テーマと趣旨については、「まえがき」に記した通りなので、それを引用します。


 科学研究費補助金の研究分野において、「挑戦的萌芽研究」に応募して採択された本テーマ「古写本『源氏物語』の触読研究」は、平成29年3月でひとまず終了となります。
 2年という短かい期間での研究にもかかわらず、多彩な成果が得られました。その一端は、本ジャーナル2冊をご覧になれば明らかでしょう。また、2年間の活動の全容は、ホームページ「古写本『源氏物語』の触読研究」(http://genjiito.sakura.ne.jp/touchread/)に、あますところなく報告しています。まさに、情報を共有しながら、コラボレーションという手法で共同研究を展開したことになります。
 ここに至までの経緯は、本誌に「古写本の触読研究に着手した経緯(1)−科研採択まで−」として拙文を掲載しましたので、ご笑覧いただければ幸いです。
 本科研のテーマは、これから一年をかけて情報や成果を整理した後、新たな外部資金の申請などを検討して再開する予定です。また、貴重な情報満載のホームページ「古写本『源氏物語』の触読研究」と「古写本『源氏物語』の触読研究ジャーナル」は、平成29年度からNPO法人〈源氏物語電子資料館〉に運用を移管します。場所を変えて、さらなる展開を図ろうと思っているところです。
 研究分担者と研究協力者のみなさまには、研究会などの機会を通して、さまざまなご教示をいただきました。あらためてお礼を申し上げます。
 また、さまざまな資料や情報の整理を担当してもらった科研運用補助員の関口祐未さんの奮闘も、大きな力となりました。ここに特記しておきます。
 本テーマに関しては、また機会をあらためて再開することになると思います。
 変わらぬご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

平成29年3月31日

日本学術振興会科学研究費補助金
2015~2016年度「挑戦的萌芽研究」
課題番号:15K13257
「視覚障害者と共に古写本の仮名文字を読み日本古典文化を共有するための挑戦的調査研究」
研究代表者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構
国立大学法人総合研究大学院大学
国文学研究資料館 伊藤鉄也


 全278頁という、ボリューム豊かな本号の目次は、以下の通りです。


はじめに 伊藤鉄也
原稿執筆要綱

【研究論文】
薫物文化の実相に照らした『源氏物語』の薫物の特徴
  −古典籍の触読時における参考として−(1)「えひの香」及び「えひの香の香」について
    田中圭子 11
足柄山にひびく笙の音
  −「指」・「耳」・「変体仮名」から考える群書類従本『時秋物語』の世界−
    淺川槙子 35

【実践報告】
『群書類従』所収「竹取物語」冒頭触読レポート
  −弱視生徒の目をかりて−
    渡邊寛子 79

【研究の最前線】
国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」の仮名字体記述
  −ISO/IEC 10646 提案文字による翻字シミュレーション−
    高田智和 91
文字の歴史と凸字・点字の意義
  −そして、<見えない人>による挑戦−
    岸博実 103
厚紙凸字と『立体<ひらがな>字典』作成の試み
    関口祐未 109

【触読研究ジャーナルに寄せて】
触読研究ジャーナルに寄せて 中野真樹 215
「古写本『源氏物語』の触読研究」の活動についての感想 大橋由昌 218
これまでの取り組みにみる「触読研究」の意味と、今後の展望 中村真規 223
古写本触読研究ジャーナルに寄せて 冨田晋作 232
古写本『源氏物語』の触読研究と月刊『視覚障害』 星野敏康 235

【研究活動報告】
古写本の触読研究に着手した経緯(1)−科研採択まで− 伊藤鉄也 243
2016年度「古写本『源氏物語』の触読研究会」活動報告 関口祐未 255

【資料】
明治三十三年八月文部省令第十四号 小学校令施行規則中教授用新定字音仮名遣いに関する規定 271

執筆者一覧 274
編集後記 276
研究組織 278


 「研究論文」「実践報告」「研究の最前線」などでは、鋭い切り口による非常に興味深いものが並んでいます。これが少し重たいとお思いの方は、ぜひとも「触読研究ジャーナルに寄せて」という5本の寄稿文をお読みください。本科研で取り組んでいるテーマの本質が、賛否両論にわたって語られています。特に、批判的なご教示には、本テーマが抱え持つ本質的な問題が横たわっています。今後の展開において、貴重なご意見として受け止め、さらなる挑戦に資するものにしたいと思っています。
 最後に、この科研のテーマに関わってくださったみなさまに、この場を借りてお礼申し上げます。
 一年の充電期間を経て、また新たなスタートを切りたいと思っているところです。これまでと変わらぬご理解とご支援をいただけると幸いです。
 
 
 

posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■視覚障害
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