2017年03月21日

江戸漫歩(154)昨日の鳥の写真から「帰雁」を想う

 伊井春樹先生から、いい写真を見せてもらったという感謝のメールをいただき、恐縮しています。
 昨日のブログの後半に掲示した、中央大橋の上空を隊列をなして飛ぶ鳥の写真のことです。

 私が持ち歩いているカメラはコンパクト版なので、拡大するとぼやけてしまいます。この鳥が何なのか、私にはよくわかりません。しかし、先生がおっしゃるように雁だと思うことで、イメージが膨らみます。
 鳥の専門家の方々には、どのように見えるのでしょうか。
 それはともかく、「帰る雁」として結構楽しんでいます。

 先生は、「帰雁」は大阪では見かけないのものの、東京では数回目にしたことがあって懐かしい、とおっしゃっています。この官舎にお住まいだった頃に、越中島公園でご覧になったことがあったのでしょうか。
 この写真が、先生のご記憶を刺激したようです。

 また、「帰る雁」は確かに和歌にもよく出てくるし、森鴎外の「雁」、水上勉の「雁の寺」等々、文学との縁も深いものです。

 隅田川に雁という取り合わせが、この季節ならではの、春先に北に帰る姿だとは。
 そんなこととはつゆ知らず、絵になるなーっと思って、無意識にシャッターを切ったのです。
 そういえば聞いたことがあるな、という程度の歌心のない貧弱な感性しか持ち合わせていないので、それではと早速調べてみました。
 和歌や物語や俳句に無数に歌われています。
 一部を引きます。


春霞立つを見捨てて行く雁は花なき里に住みやならへる 伊勢

朝ぼらけの空に、雁連れて渡る。主人の君、
(光源氏)故郷をいづれの春か行きて見むうらやましきは帰る雁がね 源氏物語「須磨」

いくかすみいく野の末は白雲のたなびくそらに帰る雁がね 定家

なきつれてかへる雁がねきこゆなりわが古さとの花も咲くらむ 一葉

去年今年大きうなりて帰る雁 漱石

それが一つには帰雁とあり 芥川竜之介「俊寛」


 ということで、昨日は連写で撮影していたので、その写真の前後のものも掲載します。
 
170320_kari1.jpg

170320_kari2.jpg

170320_kari3.jpg

170320_kari4.jpg
 
 
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ・江戸漫歩
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。