2016年09月27日

新刊紹介『もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』 第3集』〔160928_改版〕

 『もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』 第3集』(伊藤鉄也編、336頁、新典社、2016(平成28)年9月)を刊行しました。数日中に、全国の書店に並ぶことでしょう。

 今月末の30日(土)には、池田亀鑑の生誕の地である鳥取県日野郡日南町で、「第5回池田亀鑑賞授賞式」が開催されます。さらに、先週23日からは、日南町美術館で池田亀鑑の特別展が開催中です。
 おめでたいイベントにこの本が間に合い、ホッとしています。

 今回は、研究者・池田亀鑑ではなく、随筆家であり小説家としての池田亀鑑を浮き彫りにする編集を心がけました。


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 【目次】は以下のとおりです。
 『花を折る』は前後2回に分け、後篇は次集『もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』 第4集』に収録します。


  はじめに(伊藤 鉄也)
■復刻■
 『随筆集 花を折る』前篇(日野川のほとり〜抒情の花籠)
■講演■
 池田亀鑑賞の意義(伊井 春樹)
 第二回池田亀鑑賞受賞作の紹介と選考理由(伊藤 鉄也)
 『林逸抄』―俗語で書かれた『源氏物語』注釈書―(岡嶌 偉久子)
  ◎もっと知りたい1 第二回 池田亀鑑賞授賞式と記念講演会◎(伊藤 鉄也)
 池田芙蓉(亀鑑)『馬賊の唄』について(杉尾 瞭子)
   ―その出典と時代背景を軸として―
  ◎もっと知りたい2 『馬賊の唄』の内容と満蒙の地名◎(伊藤 鉄也)
■連載■
 伯耆地方の古典文学(第二回 追憶雑感篇)(原 豊二)
 〈池田亀鑑の研究史〉(第三回 池田亀鑑と『紫式部日記』)(小川 陽子)
■コラム■
 池田亀鑑碑のこと(原 豊二)
 《仮名文字検定》を創設(伊藤 鉄也)
 「変体仮名翻字版」とは何か(伊藤 鉄也)
■資料■
 復刻・池田亀鑑著作選
  (美しく悲しい安養尼のお話 上・下/
   嵯峨の月/笄の渡/落城の前/咲けよ白百合)
 小説家・池田亀鑑の誕生―少女小説編―(上原 作和)
  ◎もっと知りたい3 池田亀鑑の小説デビュー作と米子◎(小川 陽子)
 アルバム・池田亀鑑(昭和四、五年頃)(伊藤 鉄也)
  おわりに(伊藤 鉄也)
  執筆者紹介


 今回も、多彩な内容となっています。
 読んでみようかと思っていただけたら、との思いから、「はじめに」を以下に引用します。
 書店等で、お目に留まり、お手に取っていただけたら幸いです。
 また現在、池田亀鑑のご子息である池田研二先生がお持ちの手紙類を整理する準備をしています。
 もし、池田亀鑑に関する資料や手紙等をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご一報いただけると幸いです。


  はじめに

 『もっと知りたい 池田亀鑑と「源氏物語」』は、平成二三年五月に『第1集』を、その二年後の平成二五年八月に『第2集』を刊行した。本書は、三年を置いての『第3集』である。その後の本文研究と池田亀鑑に関する情報や資料を、こうした形で提供できたことにより、また『第4集』へとつなげることができる。
 本書では、『源氏物語』を中心とした本文や文献に関する内容と、その調査・収集・整理・研究に生涯をかけた池田亀鑑を取り上げている。これが、待ち望んでおられる方々にお届けできることは、編者としてありがたく嬉しいことでもある。
 『第1集』と『第2集』の間にあたる平成二四年春には、鳥取県の日南町と池田亀鑑文学碑を守る会のご尽力のもとに、めでたく池田亀鑑賞を創設した。その池田亀鑑賞の授賞式等でその出生地である日南町を訪れるたびに、池田亀鑑が書き残したさまざまな文章を長野甞一氏が中心となって編まれた『随筆集 花を折る』(中央公論社、昭和三四年一月)の復刊を、楽しみになさっている地元のみなさまの声を耳にした。池田亀鑑の望郷の念が語られ、その成した研究成果の背景から、池田亀鑑の実像が偲ばれるものだからである。
 池田亀鑑が亡くなったのは昭和三一年一二月であった。『随筆集 花を折る』の刊行は、その二年後のこととなる。それから五七年が経ち、入手が困難な書籍となったこともあり、今回その全文をありのままに復元することにした。『随筆集 花を折る』を、前編(「日野川のほとり」〜「抒情の花籠」)と後編(「忘れえぬ人々」〜「源氏を大衆の手に」)に分け、本書『第3集』には、その前編を収載している。後編は次に予定している『第4集』となる。今となっては、内容に差別的な言辞を含む文章もある。しかし、ここでは刊行時のままで復刻した。
 さらに本集では、第二回池田亀鑑賞の授賞式の報告と、小説家としての池田亀鑑の紹介と実作品を資料として掲載した。池田亀鑑賞については、その後、第三回から本年度の第五回までが決定し、以下の作品が受賞している。
  第三回受賞作 『狭衣物語 受容の研究』須藤 圭(新典社発行)
  第四回受賞作 『菅原道真論』滝川幸司(塙書房発行)
  第五回受賞作 『平安朝の文学と装束』畠山大二郎(新典社発行)
 これらの詳細は、『第4集』以降で順次公表していくことになる。今しばらくお待ちいただきたい。なお、本書に講演録として収載した「池田芙蓉(亀鑑)『馬賊の唄』について―その出典と時代背景を軸として―(杉尾瞭子)」は、第四回池田亀鑑賞授賞式及び記念講演会において、研究報告として口頭発表されたものである。本書後半のテーマである小説家池田亀鑑と密接に関連するものであることから、ここに掲載することにした。
 池田亀鑑とその仕事については、まだ知られていないことが多い。さまざまな切り口から、池田亀鑑を広く知っていただければ幸いである。

  平成二八年九月

                           伊藤鉄也
posted by genjiito at 21:17| Comment(0) | □池田亀鑑
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