日比谷図書文化館の前では、今日も多くの方が「ポケモン・ゴー」に熱中しておられます。
今日読んだ歴博本「鈴虫」で、読みにくかった箇所の確認をしておきます。
「御さ可りの」(13丁オ5行目)では、「さ可り」から「の」へと、流れるように筆が走っています。
この部分だけを見ていては、「さ可り」の「可」にあたる箇所が何という文字なのかがよくわかりません。ここは、文意を意識して見ていかないと、「さ八りの」とか「さとりの」あるいは「さ尓の」などと読んでしまいかねません。
次は、行末の例です。
古写本では、行末や丁末においては、書写者の意識が次の行や次の頁に向いているので、ケアレスミスが多発します。
これは、「やを」ではなくて、「やう/\」と読むところです。しかし、「う」は読みにくい字形をしている上に、その位置も左にずれています。前後の文意を考えないと判読に苦しみます。親本通りに書写しようとして、行末が詰まってしまった例です。
こうした行や丁の末尾における判読が困難な文字は、書写者の集中力が途切れる場所であることを意識しておくと、さまざまな読みの可能性に思いを巡らしながら、候補となる文字が絞り込みやすくなるものです。
今日は、大学生で全盲の尾崎さんにも参加してもらい、実際に講座に参加されている方々と一緒に、歴博本「鈴虫」を読んでもらいました。立体コピーを活用して、自由に触読の訓練をしてもらったのです。そして、尾崎さんが読み取りにくい文字は、みなさんが翻字をなさる時にも有効なポイントとなります。
変体仮名を読むのが大好きだという尾崎さんは、今日も多くの文字を追いかけ、読み取っていました。漢字や線の多い変体仮名などには手を焼いていたようです。しかし、それでも持ち前の勘を働かせて、少しずつ仮名文字のパターンを習得していました。
日頃は一人で翻字などをしているそうなので、もっと仲間と一緒に写本を触読する環境を整えてあげると、迷うことも少なくなり、早く読み取れるようになることでしょう。
今後がますます楽しみになってきました。人間の可能性の豊かさを実感しています。
今日の感想を文章にして送ってくれるとのことなので、明日には紹介できると思います。
【◎NPO活動の最新記事】
- キャンパスプラザ京都で相愛大学本『源氏物..
- 法務局と銀行でNPOの手続きに奔走
- 宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名..
- 日比谷で『源氏物語』と『百人一首』の変体..
- キャンパスプラザ京都で相愛大学本『源氏物..
- NPO法人の理事会と総会をキャンパスプラ..
- 宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名..
- [その2]キャンパスプラザ京都で相愛大学..
- 宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名..
- キャンパスプラザ京都で相愛大学本『源氏物..
- 京都駅前での源氏講座の新年度の開催予定日..
- [その1]宇治で古写本『源氏物語 橋姫』..
- 日比谷で『源氏物語』と『百人一首』の変体..
- キャンパスプラザ京都で相愛大学蔵源氏物語..
- 宇治での勉強会のチラシを作ってくださいま..
- 宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名..
- キャンパスプラザ京都で相愛大学蔵源氏物語..
- 映画『裳着』の制作にご参加を
- キャンパスプラザ京都で相愛大学蔵源氏物語..
- 本年度の変体仮名を読むNPO活動の報告
