2016年06月19日

熱く語り合った「第8回 海外平安文学研究会」

 午後は、4時間という長時間の討論の後、場所を東京駅の地下街に移して、さらに2時間も語り合いました。なんと6時間。よく喋り合ったものです。


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 午前中もそうですが、午後も有史以来はじめてというテーマを掲げて、それぞれの立場での思いをぶつけ合ったのですから、頭の中はフル回転です。
 今、心地よい疲労を感じています。

 今日は、スペイン語訳『伊勢物語』と、ウルドゥ語訳『源氏物語』に関する発表を聞いてから、自由に意見を闘わせました。興味深い問題が次から次へと繰り出されるので、気の休まる暇もありません。それでいて疲れが溜まらないので、こんなに楽しくて有意義な時間はありません。


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 プログラムは以下の通りです。


・挨拶(伊藤鉄也)
・2016年4月・5月の研究報告(淺川槙子)
・科研のサイト利用について(加々良惠子)
・2016年度の研究計画(伊藤鉄也)
・発表「スペイン語版『伊勢物語』における官職名の訳語について
  ―「大臣」「中将」「馬の頭」を中心に」(雨野弥生)
・発表「ウルドゥー語版『源氏物語』の特徴と問題点─「桐壺」を中心に」(村上明香)
・発表「十帖源氏 桐壺の巻のウルドゥー語翻訳に関する所感」(麻田豊)
・諸連絡(淺川槙子)


 これについても、後日ホームページ(「海外源氏情報」)で、詳細を議事録として報告します。

 スペイン語訳の特色や、ウルドゥ語訳の特徴、そして翻訳の意義などについて、興味深い研究の成果が報告されました。
 特に、インド語の一つであるウルドゥ語訳『源氏物語』については、今秋インドのデリーで開催される「第8回 インド国際日本文学研究集会」で、『十帖源氏』のインド語10言語による翻訳の問題点で扱う言語の一つでもあります。秋の研究集会が、ますます楽しみになりました。

 そのインドでの研究集会に参加を予定している者が、今日は5人も出席しているので、なおさら話し合いにも熱がこもります。

 日本の文化の特質とその伝播を、翻訳を通して鮮明に浮かび上がらせることは、非常に新鮮な驚きと共に知的刺激を与えてくれます。
 さらには、翻訳とは何か、という問題も炙り出されるのです。

 多言語翻訳という視点で日本の文学や文化を見つめ直すと、我々の精神世界から風俗習慣までが浮かび上がります。異文化交流という時空の中に自分を置いてみると、これまでに知り得た知識が少しずつ繋がることに気付かされます。知的快感とでもいうものなのでしょうか。得難い体験の中で、知的好奇心と異文化理解が浮遊する世界に、時を忘れて彷徨う楽しみが味わえました。

 貴重な場を展開してくださった参加者のみなさま、お疲れさまでした、そしてありがとうございました。
 次は、今秋インド・デリーでお目にかかりましょう。
posted by genjiito at 09:00| Comment(0) | ◎源氏物語
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