2016年01月25日

点字による変体仮名版の翻字は可能か(2/from 中野)

 先週、次の記事を本ブログに掲載しました。

「点字による変体仮名版の翻字は可能か(1/伊藤 to 中野)」(2016年01月21日)

 これは、中野真樹さんの論文「日本語点字による写本翻字作成のための表記論」に触発されて、思いつくままに書いたものです。

 これに対して、中野さんから以下の返信をいただきました。
 このテーマについては、まだほとんど討議や検討がなされていないかと思います。
 中野さんとのやりとりを公開し、問題点の所在とその対処策が明確になれば、得るものの多い意見交換になるのでは、との思いから、今後とも折々に取り上げます。

 この意見交換の場を、科研のホームページ「古写本『源氏物語』の触読研究」に開設したいと思っています。
 しかし、その用意がまだ整っていないので、しばらくはこのブログに連載として掲載します。

 このテーマに関して、さまざまな立場からのご意見などをお寄せいただけると幸いです。
 
----- 以下、中野さんからの返信(1) -----


写本を点字に翻字する際の問題点について的確に整理していただきまして、ありがとうございました。

まずはじめに、確認しておきたいのは、「源氏物語写本を日本語点字に翻字する意義と目的」です。
ここであげられている問題点については、墨字で写本を現行の活字に翻字するときにも一部共通する部分があるのではないでしょうか。
変体仮名をどうするか、ミセケチなどをどのように処理するのか、漢字は現行の字体にするのか、写本にある情報をどれだけ再現するのか。
どの分野・どの研究者にとっても完璧な翻字方法などというものはなく、研究目的や方法によって、必要な情報はかわってくるのではないかとおもいます。
源氏物語の点字翻字は、どのような研究に、どのような方法でつかわれることを想定しているのかを確認することで、「どのような点字翻字を目指すべきか、またそのために解決しなければいけない問題点はなにか」が明確になるのではないかと思います。

次に、これと関連するのですが、写本の翻字は近年は紙媒体だけではなく、デジタルテキストとしてインターネット上などで公開されることも多くなっております。
この場合、翻字された文字を視読する以外に、「耳で聞いて読む」という利用方法が考えられるかとおもいます。
「自動音声読み上げにより源氏物語本文をよむ」という利用方法をしている人たちを想定する必要があるかとおもいます。
つまり、変体仮名がユニコードに対応されるというときに、視読以外の方法でデジタルテキストを利用している人々のことを、どれだけ想定しているのか。ということがとても気になっていました。
つまり「か」の変体仮名として「加」「可」「閑」「我」「家」などいくつか想定できるとおもいますが、これは自動読み上げのときは「か」なのか、それとも「変体仮名であり、字母は何である」などの情報も付与されるのか、などということが検討されているのでしょうか。
それともユニコードの変体仮名セットは、視読者の利用のみ、想定していればよいのでしょうか。

皆様のご意見をいただければ幸いです。

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〈この意見交換は、明日の「点字による変体仮名版の翻字は可能か(3/伊藤 to 中野)」へ続く〉
posted by genjiito at 23:43| Comment(0) | ■視覚障害
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