2015年11月09日

名工大で古写本の音声システムが初稼働して感激

 早朝の小雨の中を、名古屋へ向かいました。
 北大路橋から賀茂川沿いに北山を望むと、紅葉が鮮やかになってきたことがわかります。


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 名古屋駅から乗り換えて鶴舞駅まで7分。
 駅前の道をまっすぐ行って突き当たりが、名古屋工業大学です。
 校門前の木々は、京都とはまた異なる色を見せています。


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 雨上がりの舗道に散る色付いた葉が、水たまりに浮いているのもいいものです。


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 名古屋工業大学では、古写本の触読に関して大きな収穫があったので、取り急ぎ書き記しておきます。

 大学院情報工学専攻の橋本芳宏先生と大学院生の森川慧一さん、そして愛知県立名古屋盲学校高等部の細川陽一先生に会い、音声触図学習システムを古写本の触読に応用する今後について、ざっくばらんに話し合いました。

 まず、前回私が提案したこと(2015年10月09日)の確認から。

 Windows で構築されたシステムを Macintosh で同じ動作をするようにするのは、何かと手間がかかるようです。このことは、優先順位を下げることにしました。

 マルチタッチに対応したタッチパネルに関しては、静電容量の関係からさまざまな問題があることを伺い、理解しました。
 当面は、今のシングルタッチタイプで実験を続けることになります。

 ただし、橋本先生からカメラで指の動きを読みとる、という方式の提案がありました。
 カメラで、現在指が置かれている位置を判別し、その指が置かれている位置にある文字に関して、音声でガイダンスをするというものです。
 これは、思いもしなかったことです。また、それがそんなに難しいものではない、ということです。

 古写本の文字は、上から下へと1行に17文字ほどで書写されています。
 その行を触る指の軌跡を監視すればいいので、これは応用範囲が広そうです。
 行末で改行される文字が、一単語の泣き別れの場合は面倒です。しかし、それはまたその時に考えればいいことです。とにかく、これで1行分を何度も読んで説明することができるようになるのです。文章読解への道が拓けます。

 最近は、ノートパソコンやスマホには必ずカメラがついているので、これは有望な改善策となることでしょう。
 今後は、この方式も検討していくことになります。

 前回の打ち合わせで私が提案した中に、ブルートゥースで情報のやり取りを無線化することについては、これもさまざまな問題があることがわかりました。
 しかし、自由な触読の環境を提供する上では、この無線化は無視できません。
 これは、さらなる課題として保留です。

 そんなこんなで、実際にシステムを組んでくださる細川先生の参加で、さまざまな問題点が明らかになり、またその対処策が具体的に話題となりました。
 予想外に、可能となることの多いのに驚きました。
 非常に内容の濃い打ち合わせになっていったのです。

 そうこうするうちに、私が今日の午後に分子科学研究所で古写本の触読について話をすることに関連して、橋本先生から、今すぐできることがあるだろう、と森川さんにふられました。
 つまり、タッチパネルの上に置いた立体コピーの文字を触ると、その文字について音声で説明させる、ということです。データを登録すれば、今すぐにも実現するものなのだそうです。

 実際に、いとも簡単に、「須磨」巻の最初の「よの中」という文字を1文字ずつ押すと、あらかじめ私が渡しておいた説明文を読み上げてくれたのです。しかも、用意した2種類の文を読み分けるのには驚きました。


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 現在できあがっているシステムに、ハーバード大学本「須磨」の巻頭部分をデータ登録してもらい、タッチパネルに置いた立体コピーをダブルタップすると音声で説明を読み上げるテストは、意外に早く、しかも目の前で確認できたのです。

 私が思い描いていた第1段階は、これでクリアできました。あとは、根気強く読み上げデータを登録していけばいいのです。

 さらには、午後の講演の中で、この動画を見てもらったら、ということになりました。
 実作業にあたる森川さんは大変です。しかし、触読を実演する動画ができて、今日の分子科学研究所で見てもらえたら、これに勝るものはありません。
 可能であれば是非にと私からもお願いし、できたものをユーチューブにあげてもらうことになりました。

 私の午後の出番は、3時50分からです。
 できあがったデモ版を、3時までにユーチューブに上げていただけると、私は午後の話の中で、このできたばかりの画像を参会者のみなさまに見ていただくことができます。
 まさに、電光石火の早業です。

 突然の急展開で、森川さんは大忙しとなりました。
 私は、分子科学研究所がある東岡崎駅まで行かなければならないので、11時半になると挨拶もそこそこに、大急ぎで次の場所へ移動することになりました。

 実験の大成功ということもあり、電車の時間にギリギリというタイミングで研究室を出ることになりました。鶴舞駅までは、キャリーバックを引っぱりながら、もと来た道の紅葉した木々を見る余裕もなく街路を走り抜けました。
 どうにか電車には間に合いました。
 道中、用意していた私の話の内容を変更するために、名鉄の特急電車にゆったりと座り、内容を再構成することに没頭することとなりました。
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◎源氏物語
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