2015年10月31日

京洛逍遥(380)京都御所一般公開 -2015秋-

 京都御所では、昨日30日より来月3日までの5日間、秋季一般公開が実施されています。
 機会を見つけては足を運び、有職故実人形展示だけは見るようにしています。

 今日は少し肌寒いとはいえ、天気がよかったので多くの方が参観に来ておられました。
 聞こえてくる会話は、日本の文化を知りたい、という思いからのものがほとんどです。
 日本通と思われる方が、日本の文化を熱心に語っておられます。ただし、それが的外れな説明になっていることがしばしば。それでも、聞いていて微笑ましいものがあるので、この一般公開という空間の演出は大歓迎です。

 とにかく、自分の目でじっくりと見ることが、まずは1番大切だと思います。
 見られる時に見る、というのが大事なのです。理解や説明は、後からいつでもいいのです。

 紫宸殿の南庭西側の月華門から見た紫宸殿です。


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 そこから南に回って、建礼門の前の承明門から見た紫宸殿。


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 御所南東の建春門の前には、3日に行なわれる舞楽の準備がなされていました。


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 ちょうどその時、散水車が通りました。砂利道の埃を静めるためなのでしょうか。めずらしい光景なのでパチリ。


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 私が目指す有職故実人形展示が、例年は小御所のところを、今年は清涼殿で行なわれていました。
 内容が、「五節舞姫御前試」だからです。

 設置されている2つの説明文には、次のように書かれていました。


(左側)展示について

 御前試の舞台となるのは、清涼殿東廂と東弘廂です。東廂には天皇の座、皇后の座(同席される場合)があります。天皇の座には殿上の間の御椅子を使用し、皇后の座には大床子に敷物を敷いて平座として使用しました。舞姫は、東弘廂の円座に着座しました。
 儀式では、東弘廂の舞姫の座の三方(南・北・東)を屏風で取り囲み、東廂と東弘廂の間の御簾を下ろしました。
 御前試は、平安時代に年中行事として定着しましたが、南北朝時代には途絶えたとみられ、当時の装束は伝えられていません。展示している舞姫の五節舞姫装束は、今上陛下の大嘗祭で使用されたものです。
※天皇の座と皇后の座の位置のみ御簾を上げ、内部をご覧いただきやすくしています。
 
 
(右側)展示の場面について

 御前試の儀式を、2つの場面に分けて展示しています。
 向かって左から右へ、場面が展開します。

場面1(向かって左三体):対面
 清涼殿に参上した舞姫と舞師が、東弘廂に敷かれた円座に着座し、両陛下と対面している場面です。

場面2(向かって右二体):舞披露
 対面を終えた舞姫が、五節舞を披露している場面です。
〔平安宮内裏の清涼殿は、江戸時代に復元された清涼殿よりも柱間が広かったため、本来は両陛下の前で、四人の舞姫が舞いました。〕



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 中央の説明文は次のように書かれています。


五節舞姫御前試(人形展示)

 五節舞は、11月に行われた年中行事である新嘗祭と、一代一度の大嘗祭の後に豊明節会で披露される舞で、新嘗祭では4名、大嘗祭では5名の舞姫が、大歌と呼ばれる歌にあわせて、檜扇を翳して舞いました。
 御前試は、紫宸殿で行われる豊明節会の本番を前に、天皇や皇后の御前で舞姫達が予行演習をする儀式です。
 展示では、平安時代の儀式書である『江家次第』に基づき、清涼殿で行われていた儀式の様子を、五節舞装束の人形と御所に伝わる調度を用いて再現しています。



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 右端にある説明文は、次の通りです。


紫式部・清少納言と五節舞姫

 平安中期の貴族層や女房達にとって、11月に行われる五節行事(帳台試・御前試・童女御覧・豊明節会)は、最も華やかで待ち遠しい年中行事であったといわれています。
 紫式部の『紫式部日記』には、舞姫が宮中に入る様子や儀式を見た時の感想が記され、顔を隠すことが女性の礼儀とされた当時、殿上人等に囲まれ、煌々と照らされた明かりの中を参入しなければならない舞姫への同情の気持ちが率直に記されています。『源氏物語』にも舞姫に関する叙述があります。清少納言の『枕草子』には、皇后藤原定子が舞姫を遣わした際の様子や、五節行事期間の宮中の様子が生き生きと描かれています。



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 今春も、五節の展示がありました。参考までに、次の記事の中の写真をご覧ください。

 「京洛逍遥(350)京都で『源氏物語』を読んだ後に御所の一般公開へ」(2015年04月04日)

 紫宸殿の東側の宜陽殿には、威儀者・威儀物捧持者の人形展示がありました。


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 例年人形展示がある小御所では、屏風(模写)が見られるようになっています。


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 御常御殿を塀越しに見上げると、紅葉がきれいでした。


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 御内庭は、いつ見てもみごとです。


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 帰りに飛香舎(藤壺)を振り返ると、爽やかな比叡山の姿が望めました。
 この藤壺は、「京洛逍遙(108)御所の秋季特別公開」(2009/11/3)で見ることができました。普段は公開されません。


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 一時、いにしえの時空を遊び楽しんで来ました。

 帰り道、賀茂大橋から川沿いの紅葉が色付いているのを見つけました。
 これから、この賀茂川の散策が目を楽しませてくれます。


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posted by genjiito at 21:51| Comment(0) | ◎京洛逍遥
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