2015年10月01日

歴博本「鈴虫」をカラー版で「変体仮名翻字版」として刊行

 本日、『国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」』という本の最終校正が無事に終わり、印刷の段階に入りました。
 この本の書誌は、次の通りです。


書名:『国立歴史民俗博物館蔵 『源氏物語』 「鈴虫」』
発行日:2015年10月30日
編著者名:伊藤鉄也・阿部江美子・淺川槙子
出版社:新典社
定価:1800円(本体)
頁数:152p(内、カラー48p)
ISBN:978-4-7879-0637-3



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 昨年と一昨年に、鎌倉時代中期に書写された古写本の影印版として、『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』(新典社、二〇一三年)と『同「蜻蛉」』(同、二〇一四年)を刊行しました。
 今回の歴博本「鈴虫」は、この本のツレと思われる写本であり、国立歴史民俗博物館が所蔵するものです。日本に残った、貴重な古写本なのです。

 特に今回は、この歴博本「鈴虫」巻をカラー版で刊行できました。
 これにより、日本の古典文化を体感できる鎌倉時代の古写本が、影印本として3冊も提供することが叶ったのです。
 所蔵機関と出版社に感謝しています。

 本書では、前著二冊のハーバード本「須磨・蜻蛉」とは異なり、影印の下段に「変体仮名翻字版」で翻字したものを添えました。


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 そして、巻末の資料として、既刊の「須磨」と「蜻蛉」の「変体仮名混合版」も収載しています。

 松尾聡氏が「写本の本文を現行活字に改めて印行して、それを相互比較しつつテキストクリティクをあげつろうなどということは、すでにナンセンスではないか。」(『天理図書館善本叢書 月報38』「新版「校異源氏」夢物語」(三頁、松尾聡、八木書店、一九七八年一月)と指摘されたことを意識しての、本邦初とでも言うべき資料集です。

 過日の記事、「電子テキストを一括置換した痛恨のミス」(2015年09月23日)で告白したように、本来ならば今春にも刊行できたはずなのに、私のミスから今に至ってしまいました

 いろいろな方が待っておられることは知っていました。また、今月末から始まる、放送大学での講座のテキストに指定していたこともあり、急き立てられるようにして本日の下阪に向けて作業をしていました。今月末の中古文学会でも、みなさんに見ていただけます。

 とにかく間に合いました。
 本当に、お待たせしてすみません。
 刊行まで、もうしばらくお待ちください。
posted by genjiito at 20:55| Comment(0) | ■講座学習
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