2015年09月09日

ミニ展示する翻訳本の説明文

 昨日の本ブログで紹介した通り、明日10日から『源氏物語』の翻訳本のミニ展示が始まります。
 各翻訳本には、簡単な説明パネルが置かれています。
 その説明文は、昨年のものに少し手が入っています。
 問い合わせを受けましたので、以下にその説明文を引用します。
 お出でになる前に、一通り目を通していただくと、表紙の絵が語りかけてくれるはずです。

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「特設コーナー」《さまざまな言語に翻訳された『源氏物語』》

 今回の特設コーナーでは、翻訳本『源氏物語』の表紙デザインの多彩さを楽しんでいただけるような選書をしました。
 各国で『源氏物語』がどのように受容されているか、という視点でご覧いただけると幸いです。
 【4】・【5】・【6】・【11】は国文学研究資料館蔵、それ以外は個人蔵です。

【『源氏物語』が翻訳されている32種類の言語】
アッサム語(印度)・アラビア語・イタリア語・ウルドゥー語(印度)・英語・オランダ語・オリヤー語(印度)・クロアチア語・スウェーデン語・スペイン語・スロベニア語・セルビア語・タミル語(印度)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(印度)・ドイツ語・トルコ語・現代日本語・ハンガリー語・韓国語・パンジャビ語(印度)・ヒンディー語(印度)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ポルトガル語・マラヤラム語(印度)・モンゴル語・リトアニア語・ロシア語

【今回展示した翻訳本 21種】

【1】アラビア語(エジプト、2004年)
   アハマド・モスタファ・ファトヒ訳
   瀬戸内寂聴訳『源氏物語』の抄訳したアラビア語訳。国際交流基金での出版翻訳事業のひとつ。

【2】イタリア語(2012年)
   マリア・テレサ・オルシ訳
   イタリア語で初の古文からの完訳。表紙と箱は国宝『源氏物語絵巻』「鈴虫」・「関屋」巻を西陣織にした山口伊太郎遺作の『源氏物語錦絵絵巻』「鈴虫」・「関屋」。

【3】クロアチア語(2002年)
   ニキツァ・ペトラク訳
   表紙は国宝『源氏物語絵巻』「鈴虫」巻で、天金装訂が施されている。

【4】スペイン語(2004年)
   フェルナンド・グティエレス訳
   アーサー・ウェーリー訳の重訳。挿絵は、山本春正『絵入源氏』(慶安三年版)の絵である。

【5】スペイン語(2005年)
   ハビエル・ロカ・フェレール訳
   1巻の表紙は宮川春汀『当世風俗通』のうち『さくらがり』(1897年)、2巻は月岡芳年『大日本史略図会』のうち『第八十代 安徳天皇』(1880年)

【6】スペイン語(全2巻、2006年)
   ジョルディ・フィブラ訳
   ロイヤル・タイラー訳の重訳。1巻の表紙はバーク・コレクションのひとつ、土佐光起筆『源氏物語画帖』「花宴」、2巻は「浮舟」。

【7】スペイン語(全2巻、ペルー版、2013年)
   イヴァン・アウグスト・ピント・ロマン、下野泉 共訳
   スペイン語で初の古文からの直訳。表紙は國學院大學蔵「久我家嫁入本『源氏物語』初音巻」。

【8】スロヴェニア語(全2巻、1968年)
   シルベスター・スカル訳
   ヘルベルト・E・ヘルリチュカのドイツ語訳からの重訳。表紙に浮世絵を使用している。

【9】タミール語(印度、1965年)
   K.アッパドライ訳
   サヒタヤ・アカデミーが企画したうちの1冊。表紙は太陽と金閣寺を背景にした、近世風の男女の絵。

【10】中国語(全3巻、2001年)
   黄锋华訳
   本シリーズは表紙にボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』を使用している。

【11】ドイツ語(1911年)
   ミューラー・バブッシュ・マキシミリアン訳
   末松謙澄の英訳『源氏物語』を重訳したもの。扉絵はフランツ・クリストフ作。

【12】ハンガリー語(2009年)
   ホルバート・ラースロー訳
   エドワード・サイデンスティッカー訳の重訳。ハンガリーでは初の完訳。1巻の表紙はインディアナ大学美術館蔵『源氏物語図屏風』「若紫」、2巻はフリーア美術館蔵の土佐光吉筆『若菜・帚木図屏風』のうち「若菜上」、3巻は京都国立博物館蔵の伝・土佐光元筆『源氏物語図』「蜻蛉」。

【13】韓国語(1999年)
   田溶新 訳
   表紙に、植村佳菜子画・伊藤鉄也所蔵の源氏絵を切り抜いて反転したものを配している。

【14】パンジャビ語(印度、1961年)
   ジャジット・シン・アナンド訳
   サヒタヤ・アカデミーが企画したうちの重訳の1冊。表紙は浮世絵を使用している。

【15】フランス語(1952年)
   キク・ヤマタ(山田菊)訳
   初版は1928年。アーサー・ウェーリー訳を底本としたフランス語では初の翻訳。

【16】ポルトガル語(全2巻、2007年)
   1巻はリヒア・マリェイロ訳、2巻はエリザベート・カーリ・レイア訳
   表紙は立松脩のデザインによるもの。

【17】ポルトガル語(全2巻、2008年)
   カルロス・コレイア・モンテイロ・デ・オリベイラ訳
   1巻の表紙は、月岡芳年『月百姿』のうち『忍岡月 玉淵斎』(1889年)、2巻はハーバード大学美術館蔵の土佐光信筆『源氏物語画帖』「椎本」巻を題材に、どちらもカルロス・セザールがデザインしたものである。

【18】モンゴル語(2009年)
   オチルフー・ジャルガルサイハン訳
   谷崎潤一郎、与謝野晶子、瀬戸内寂聴らの訳を参照した。表紙は石山寺蔵の狩野孝信筆『紫式部図』(部分)である。

【19】タイ語(全13巻、1980年)
   大和和紀訳画『あさきゆめみし』のうち、吹き出しがタイ語に翻訳されたもの。
   同じくタイ語で翻訳されたものでは、美桜せりな『源氏ものがたり』(2007年)もある。

【20】日本語(全6巻、2001年)
   大和和紀 訳画
   講談社漫画文庫の『あさきゆめみし』で、今も多くの読者をつかんでいる。

【21】日本語(全7巻、1987年)
   大和和紀 訳画
   愛蔵版として出版された『あさきゆめみし』で、和装豪華本仕立て。
posted by genjiito at 23:10| Comment(0) | ◎源氏物語
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