2015年08月11日

京洛逍遥(370)下鴨納涼古本まつり -2015-

 京都五山の送り火が近づいて来ました。
 如意ヶ岳の大文字では、「大」の字が輪郭を見せています。
 草刈りなどの整備が進んでいる頃でしょうか。


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 京都古書研究会が主催する、恒例となった下鴨納涼古本まつりが、今日から16日までの6日間、下鴨神社を包み込む太古の森である糺ノ森を会場として開催されました。


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 本部の方にお聞きしたところでは、会期中に80万冊もの古書が出品されるのは、屋外での古書市としては国内最大級だとのことでした。そして、常時50万冊は手に取って見られるそうです。

 今日は初日にもかかわらず、すでにお昼には、本棚に隙間が目立ちました。多くの方が早めに本を買い求めておられるようです。

 私は、ネットショッピングは意識的にしないことにしています。ネットでの買い物は、街中の小売り店の廃業を促進させる行為に直結していると認識しているからです。そして、いずれは利用者が困る事態に追い込まれるのでは、と危惧しています。

 もちろん、世の中の流れが小売り業を切り捨ててネットでの売り買いに移行していることは承知しています。社会の仕組みが弱者排斥の論理で動いていることは、もう止めようがないのでしょう。しかし、実際に物を見ないで、人との会話もなくて物を手に入れることには、どうしても馴染めません。

 若者にとっては、というよりも高齢者も含めて、人との関わりという煩わしさがない方がいいのでしょう。また、加齢を重ねてくると、面倒なことを避けたいがために、相手に頼りがちになります。不本意なままに、騙されていてもしょうがないと諦めて、不承不承ものを手にする立場に身を置く人も多いようです。

 老若男女、煩わしくない人生を送るために、人との関係性を捨象したネット社会は快適でしょう。しかし、私はそれを快適とは思わなくなりました。不便でも、面倒でも、自分で触り、言葉を交わして、自分で確認しながら手に入れる楽しみを、これからはさらに大事にしていきたいと思っています。

 書籍も、決してネットでは買いません。全国の善良な小売り書店を潰す破壊行為に加担したくないのと、本との直接の出会いを楽しみにしているからです。


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 自分が求めている本は、本の方からおいでおいでをしてくれる、と信じています。
 今日は、1時間半ほどで会場の約4分の1を見て回りました。数冊の本が、私に囁きかけて来ました。しかし、もう家の中に本を置けない状況なので、家を傾けかねない本を、しかも他の本を処分して置き換えるだけの価値を天秤にかけて、結局は等価交換に値しないと判断して見送りました。

 一生の内に読める本の数は知れたものだと思います。そのような中で、今後私が読む順番の中に入るかどうかも、今回購入を断念した理由でもあります。

 もちろん、これは自分で所有することを見送ったということであり、国文学研究資料館はもとより国会図書館や京都府立図書館にもなさそうな本は積極的に買うようにしています。それも、今日のところは出会いがありませんでした。

 下鴨神社の参道と馬場に沿って流れるのが瀬見の小川です。その瀬見の小川の左側の馬場一帯で、今回の古書市が開催されています。


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 言い伝えによると、玉依媛命が瀬見の小川で遊んでいると川上から丹塗りの矢が流れてきたという、その小川のせせらぎを耳にしながら古書を探すのですから、この上もなく贅沢な時間を持つことになります。
 今年は、まだまだ見切れていないので、もう一度行くことになるでしょう。

 なお、京都古書研究会は毎年「京の三大古本まつり」を開催しています。
 いただいた団扇の裏面を掲示して、宣伝とします。


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posted by genjiito at 21:55| Comment(0) | ◎京洛逍遥
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