2015年05月31日

盲教育史研究会で多くの方々と歓談

 盛会のうちに閉会となった盲教育史研究会の後、参加者の半数となる30人以上の方々と一緒に、懇親会場があるすすきの地域へ向かいました。

 繁華街であるすすきのの交差点角には、ニッカウヰスキーのおじさんがいました。これは、「キング・オブ・ブレンダーズ」といわれるW・P・ローリーだそうです。「ブラック・ニッカ」のラベルに描かれています。ここにこのおじさんが姿を見せたのは1969年。今は3代目です。


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 懇親会場は、地元でも人気の「コロボックル(古艪帆来)」というお店でした。


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 始まる前に、『月刊 視覚障害 ─その研究と情報─』を発行しておられる星野敏康さんが、日本点字図書館の田中徹二理事長に紹介してくださいました。
 私が『源氏物語』の古写本を触読するテーマに取り組んでいることから、期せずして田中先生も早速挑戦してみよう、という展開になりました。

 「須磨」巻の立体コピーと木彫りの連綿文字をテーブルに置き、読むポイントとなる文字に人差し指を置いてさし上げると、指を小刻みに何度も何度も動かしたりなぞって、しばし思案しておられました。


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 表情が真剣で、難しい、判らないとおっしゃりながらも、2文字は確かに手応えがあったようです。少しご説明すると、なるほどと頷いておられました。

 突然の触読実験となり、引田会長や諸先生方も興味深くご覧になっていました。

 これは、私にとっても大きな自信になりました。目が見えなくても変体がなが読める、という好感触を田中先生の反応からいただけたからです。

 開会後すぐに挨拶に立たれた引田会長は、その最後に再度、異分野から挑戦をしている方の話題がこの後で語られるでしょう、とここでも好意的な言葉を添えてくださいました。

 参会者各自の自己紹介では、再三にわたってご紹介をいただいた後だったので、先ほど田中理事長に読んでいただいた『源氏物語』の立体コピーと木片を取り出して、現在の取り組み状況をお話ししました。
 そして、木彫りの連綿文字は、京都府立盲学校で岸 博実先生に見せていただいた、「七十二例法」と言う草書や行書で書かれた木片群にヒントをいただいたものである、ということと、音声の活用も考えていることを申し添えました。

 みなさんが、この古写本の触読というテーマに興味と関心を示してくださったことは、本当に心強く思います。近い将来、きっとよい成果が報告できることでしょう。

 テーブルを挟んだ前の席には、この会を取りまとめておられる岸先生がいらっしゃいました。周到な目配りと、細かな気遣いをなさる先生です。私はいつも、少しでも先生を見習おうと思っています。

 右隣の席には、北海道特別支援学校退職校長会会長の大泉恒彦先生がいらっしゃいました。
 大泉先生と『源氏物語』のお話をしているうちに、息子さんがNHK朝のテレビドラマ『まれ』に出演中の大泉洋さんであることがわかりました。大泉洋さんは私も知っています。妻は大のファンです。
 大泉先生は、広島大学の稲賀敬二先生と印象が重なる、温厚な先生でした。とても80歳以上とは思えないエネルギーが伝わってきました。

 そうこうするうちに、左隣にいらっしゃった香取先生は、国文学研究資料館が品川の戸越にあった頃にアルバイトとして行っていた、とのことでした。さらには、私と同僚の青木先生とは同級生だったとも。何とも奇遇としか言いようがありません。
 古文書を触読しているとおっしゃるので、早速持参のかな文字に挑戦していただきました。かなは勝手が違うようで、なかなか苦戦しておられました。

 少しずつではありますが、こうした集まりに顔を出すことで、今から700年前に書かれたかな文字を読む趣旨と意義をご理解いただき、お願いの輪を広げて行くことができるようになりました。

 今回は、学校の先生が多かったので、今後は学校とは関わりの薄い生活をなさっている方々にも、広くお声掛けをしていくつもりです。老若男女、幅広い方々が対象です。この触読に挑戦していただける方の紹介を、お待ちしています。

 今日は、非常に楽しく有意義な集まりに参加して、多くの方々とお知り合いになった1日でした。
 初めて来た北の大地で、充実した人との出会いを持てたことは、今後につながる大きな出来事となりました。
 折々にお声掛けいただいたみなさま、本当にありがとうございました。

 明日は、本研究会における2日目のイベントである、オプショナルツアーの報告をします。
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ■視覚障害
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