2015年05月22日

有明での教育ITソリューションEXPO(EDIX)雑感

 江東区有明にある東京国際展示場「東京ビッグサイト」で開催中の「第6回 教育ITソリューション EXPO(EDIX)」に行ってきました。
 これは、教育分野においては日本最大の展示会で、広大な会場に620社が出展していました。


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 教育現場におられるみなさんが、日頃の山積する課題を解決する手掛かりを得るために、新しい発想による知的刺激に満ちた製品やツールを、直接見聞きする出会いの場となっています。「日本最大の学校向けIT専門展」といわれるゆえんです。

 全国各地から学校と教育関係者がいらっしゃっていることが、会場を回るだけでわかります。
 eラーニングや教育教材の開発に関する出展が目立ったのは、私の問題意識がそこにあったからでしょうか。

 事前にウェブサイトで、「特別支援教育教材・コンテンツ」というジャンルの出展カテゴリーで検索したところ、24件の業者がリストアップされました。
 今回は、全620社のブースはくまなく見ました。特に、あらかじめリストアップした24社の展示場所は、可能な限り展示物と説明パネルやパンフレットを確認するようにしました。

 しかし、実際に目の不自由な方と一緒に『源氏物語』の古写本を読むためのヒントがもらえる出展は、たった3社にしかすぎませんでした。これにはがっかりしました。
 各企業共に、まだこうした支援教育の分野には手をつけておられないようです。
 今後に期待しましょう。

 今日の時点では、今後とも協力が得られる会社との幸運な出会いは、残念ながらありませんでした。しかし、次の3社とは可能性があると思って、名刺交換をしました。記録ということで、以下に紹介がてら書き留めておきます。
 
(1)シナノケンシ株式会社の「PLEXTALK Producer」
 これは、「音声を聞きながら、同時に絵や写真を見ることができる。」というところに、私の注意が向きました。
 『源氏物語』の写本の立体文字を触りながら、音声による説明が聞ける仕掛けを創る際に、もう一工夫すれば活用できそうです。
 「マルチメディアDAISYが作りやすいソフトウェア」だとか、「ルビや発音設定による読み情報補正機能を搭載」という宣伝文句も、気に入りました。
 予定している『変体仮名触読字典』や『点字版古文学習参考書』でも、有効に活用できるものになりそうです。
 福祉・生活支援機器ビジネスユニット プロジェクトリーダーの西澤さんには、私の名刺と一緒に、科研「挑戦的萌芽研究」の内容をまとめたチラシを手渡しました。


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 私のプロジェクトに魅力を感じられたら連絡をください、と一言申し添えることを忘れませんでした。
 科研のテーマである「視覚障害者と共に古写本の仮名文字を読み日本古典文化を共有するための挑戦的調査研究」という長い文字列は、よく意味がわからなかったのか視線が動いたのは一瞬でした。
 しかし、この会社の製品との接点はありそうなので、『源氏物語』という語句に興味を示され、連絡があることを待つことにします。
 
(2)東芝ソリューション株式会社の「音訳支援クラウドサービス DaisyRingsトレードマーク(TM)
 これは、今日のプレゼンテーションを見て興味を持ったものです。
 音声合成を活用してオーディオブックの作成を支援するものなので、『源氏物語』の古写本に書写された物語本文を、翻字データを参照しながら読み上げたり、変体仮名の説明に活用できます。
 また、膨大な手間と時間のかかる音訳作業において、これはその軽減化に一役かいそうです。
 今年の7月からサービスを提供するとのことでした。
 官公ソリューション事業部 事業推進部 参事の木田さんの名刺をいただきました。
 こことも、接点がありそうなので、今後の連絡を楽しみに待つことにします。
 
(3)光村図書出版の「国語デジタル教科書」
 eラーニングと一緒に、デジタル図書やデジタル教科書の展示はたくさんありました。
 その中でも、今日のところは、光村図書出版の「国語デジタル教科書」に目が留まりました。
 また、「書写デジタル教科書」や「わくわく古典教室」と「わくわく漢字伝」も、目の見えない方々と一緒に古写本を読むときに、有効活用できそうな手法が盛り込まれているように思われます。
 

 今回、展示会場を駆け回り、教育分野でのITがおもしろい展開を見せていることを実感しました。

 私は数十年前に、大阪府立高校2校のコンピュータ導入にかかわりました。機種選定に留まらず、部屋のレイアウトや床下配線等々…… 他に人がいなかったことと、提案者として責任を取らされた、という事情もありました。
 やっと2バイトのひらがなと漢字が使えるようになった時代のことです。

 また、短期大学での情報教育文具としてのコンピュータの導入にも深く関わりました。そのときは、ネットワークを活用した教育支援システムを、マッキントッシュ50台で組みました。
 国語や文学・語学教育にコンピュータがどのように活用できるのか、先が見えない中でひたすら夢を描きながら挑むことができた、コンピュータ元年といわれていた過去の話です。
 懐かしく思い出すと共に、今日の熱気を肌身に感じて、今後とも教育分野の変化が楽しみになりました。

 そうした中での、目が見えない方々と一緒に古写本を読む試みは、このIT分野の参加協力なしには実現しないことはわかっています。
 よきパートナーとの出会いがありますように。
 今後とも、人と情報と物を求めて、可能な限り出歩いていきたいと思います。
posted by genjiito at 22:26| Comment(0) | ■視覚障害
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