前作「読書雑記(122)水野敬也『夢をかなえるゾウ』」(2015年04月03日)がよかったので、楽しみにして読みました。
しかし、この第2作はハズレでした。
続けての傑作とは、なかなか出ないものです。
受けない芸人の話から始まります。主人公は、「夢はかならずかなう」と信じています。ライブハウスで出会ったガネーシャに、「人間は生長する生き物なんやで」と言われ、我に返ります。
中でも、本でも解決できない悩みがある件はおもしろい指摘でした。一理あるのです。
『本』でも解決でけへん悩みちゅうのは何なん? 自分の悩みは地球初の、新種の悩みなん? 自分は悩みのガラパゴス諸島なん? (60頁)
その他、チェックした箇所を抜き出しておきます。
・「実は『他人に対する言葉や行動は、自分に対する言葉や行動』でもあるんですよ」(185頁)
・「何かを手に入れるということは、何かを手放すということです。そして何かを手放す覚悟のない人が……成功することはありません。」(224頁)
前作が傑出していたせいか、本作は間が持たず、キレが良くありません。おまけに、理詰めで展開していきます。そして、説明が増えたので、おもしろさよりも興味に訴える物語となっています。
ことばが先行し、ことばに頼る文章となっています。感性が前作よりも相当劣化しています。
話題を引き延ばししすぎるため、話のキレが悪くなっています。テンポがよくないのです。説明口調になっているので、軽快な展開となるはずが寸断されているのです。
最後の「西野勤太郎のメモ帳」を引きます。
これを含めて、全体的に読者へのサービス精神が低下しています。【2】
■ガネーシャの教え
・図書館に行く
・人の意見を聞いて、直す
・締切りをつくる
・つらい状況を笑い話にして人に話す
・優先順位の一位を決める
・やりたいことをやる
■金無幸子の教え
・楽しみをあとに取っておく訓練をする
・プレゼントをする
・他の人が気づいていない長所をホメる
・店員を喜ばせる
・自分が困っているときに、困っている人を助ける
・欲しいものを口に出す
・日常生活の中に楽しみを見つける
■釈迦の教え
・つらいとき、自分と同じ境遇にいる人を想像する
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