それでも、賀茂川べりでは多くのお花見の人で賑わっていました。
比叡山をバックに、ソメイヨシノが満開です。
大文字の送り火で知られる如意ヶ岳も、賀茂の河原の桜を見下ろしています。
今日の『源氏物語』を読む会は、いつものワックジャパンが行楽シーズンのために予約で一杯だったために、その裏手の堺町通りにある「キンシ正宗 堀野記念館」の2階で行いました。
階段は、ワックジャパンと同じ造りです。
お借りした和室には、投扇興の道具が置いてありました。
今日は、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の今後の活動の説明をした後、部屋が2時間しかお借りできなかったこともあり、『十帖源氏』の「明石」巻の現代語訳の確認だけをしました。
ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」巻の「変体仮名混合版」の確認は、次回まで延期です。
今日の「明石」巻では、明石入道の娘が光源氏からの立派な手紙を受け取り、「はずかしげなるさまに心ちあしとてふしぬ」とあるところをどう訳すか、ということに時間をかけました。
担当者は「あまりにも立派なので、気分が悪いと言って横になってしまいます。」と訳しました。しかし、「気分が悪い」では「心地悪し」をそのまま訳したものであり、この場の意味としては相応しくないのではないか、ということで、さまざまな訳語を考えました。
いろいろな訳語を検討した後、「気分が落ち込む」ということにしました。
また、この場面には桐壺院が出てきます。この『十帖源氏』の現代語訳では、天皇以外に敬語は使わないとしていました。しかし、今日の場面では敬語を使うことになるため、細かな補正をしました。
今日、娘が差し入れしてくれた和菓子は、京菓子處「鼓月」の「桜花爛漫 花すだれ」と「桜餅」でした。
共に桜の葉と道明寺粉を使った御菓子で、美味しくいただきました。関西風の桜餅の競演を堪能することができました。
次回の集まりは、5月16日(土)の午後1時半から5時までです。いつもの通りワックジャパンで行います。興味のある方は、ご連絡をいただければ、お誘いの連絡を差し上げます。遠慮なくお問い合わせください。
いつもより早く終わったので、京都御所の一般公開に行ってきました。
承明門から望んだ左近の桜です。
紫宸殿の前の桜は少し散り染めでした。
今年の小御所の人形展示は、「萬歳楽」と「五節舞」でした。
この展示は、古典文学における有職故実の勉強になるので、毎年楽しみにしています。
今年の一般公開は、海外からの方々が多かったように思います。
日本の伝統的な文化を直接目に留めていただくことは、日本とその文化の理解に大いに益のあることだと思います。
こうした折に、日本の文化の奥深さを実見して帰っていただくと、日本の理解が深まるので国際的な文化理解と共有にいい催しだと思います。
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