2015年03月29日

神戸凮月堂で源氏物語の京ことばでの朗読を聴く

 神戸元町にある神戸凮月堂本店で開催された、「朗読サロン「京ことば 源氏物語」に行ってきました。


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 副題に「もののあはれ源流への旅」ともあり、女房語りという設定で山下智子さんが独りで語り手を努めておられます。今回は、第八帖花宴の巻です。
 この朗読サロンは、いろいな方が語り継いでおられ、山下さんはここでは8回目となるそうです。「花宴」の巻は、ワルシャワ大学でも朗読した想い出深い巻だとのことでした。
 今、私の所でアルバイトをしている学生さんで、ポーランドのワルシャワ大学を出た方がおられます。私もポーランドへ行った時に、メラノビッチ先生のお世話になりました。ポーランドと『源氏物語』ということで、参考までに関連するブログの記事を引いておきます。

「ポーランド語訳『源氏物語』の新情報」(2010/11/20)


 今日はまず、「花宴」巻の概要を、山下さんが優しい京都弁で語られます。分かり易い説明です。
 凮月堂の地下ホールに集まった40人ほどの参会者は、はんなりとした語り口に包まれ、次第に物語の世界に誘われます。


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 30分ほど話を聴いた後は、しばし休憩時間です。
 ここで、凮月堂特製の『源氏物語』をテーマにした和菓子とほうじ茶をいただきました。


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 『源氏の由可里』(吉川冬季子、昭和52年11月、凮月堂)という本が手元にあります。これは、神戸凮月堂が創業80周年を記念して、村山リウさんの源氏講義に因んで作製した和菓子を収録したものです。書名は、この和菓子の原点となった村山リウさんによるものです。


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 そこでは、「花宴」として次のお菓子が掲載されています。弘徽殿にいる女性たちの出衣を想起させる意匠です。


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 ただし今日の和菓子は、これとは異なり、扇と桜の花びらを配したものでした。
 花宴の後、光源氏と朧月夜が扇を取り交わした場面をイメージしたものです。
 甘さを抑えた、上品な味と舌触りでした。

 店頭には、「若紫 若紫の姫君」「横笛 笛」「夕顔 枕上の女」「花の宴 扇」(写真左から)の4つが並んでいたので、お茶菓子として一箱いただきました。


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 この内、「若紫」以外は『源氏の由可里』に掲載されているものと違います。
 凮月堂では、今も『源氏物語』をテーマにした和菓子を作りつづけておられるのでしょうか。
 後ろに立てかけてある本のことを聞き忘れて帰りました。また、確認しておきます。

 後半は、中井和子さんの『現代京ことば訳 源氏物語』(大修館書店)の朗読です。
 情感たっぷりというよりも、思ったよりもやや抑制気味に、そして短い巻ということもあり、一気に読み進めて行かれました。
 関西人としてまったく違和感のない、流れるような京ことばでした。近世の言葉遣いであり発音だとしても、平安時代らしい雰囲気を彷彿とさせる朗読です。

 続いて、短い巻ということで、原文を「京都音調語り」とおっしゃる語り口で読まれました。
 古文なので、会場のみなさんは、戸惑いながらも真剣に耳を傾けておられました。少し眠くなった方もいらっしゃったようです。しかし、京ことば訳と同じ部分の原文すべてが読まれたことは、「花宴」ならではのことです。

 この巻は、さくらの季節にふさわしい内容です。時宜を得た得難い朗読を聴く機会となりました。
posted by genjiito at 22:06| Comment(2) | ◎源氏物語
この記事へのコメント
はじめまして、
ロンドンでデザインを学んでおります、通りがかりの者です。
『源氏の由可里』という本が気になり、コメント失礼致します。
本の印刷の加減もあるのかもしれませんが、現在販売されている和菓子の写真と比べて、とても上品で繊細な印象を受けました。
和菓子については興味がありましたが、30年前に和菓子がどのようにデザインされ、写真を撮られ本にされているかを見たのが初めてだったので印象的でした。

源氏物語は高校の古文で勉強した以来ですが、ひさしぶりにとても興味を持ちました。源氏香など(物語に直接関係あるのかなどちゃんとした知識はありませんが)香、和菓子、きっと色や着物など(想像です)様々なものが物語と重なり合って世界が広がっていく感覚が素敵です。

出衣以外のお菓子も是非拝見してみたいです。

乱文失礼致しました。
Posted by ともみ at 2015年04月02日 08:23
コメントをありがとうございます。
『源氏物語』はいろいろな分野に影響を与えていますね。
お香や和菓子などなど、これまでにも私のブログでも取り上げました。
「源氏千年(20)京菓子饗宴」
http://genjiito.blog.eonet.jp/default/2008/04/20-7b38.html
今、京都で『源氏物語』を読む会を進めています。
そこでは、毎回、『源氏物語』に関連するお菓子も楽しんでいます。
「京都で『源氏物語「蜻蛉」』の写本を読む(第16回)」
http://genjiito.blog.eonet.jp/default/2015/02/16-d250.html
『源氏物語』は創造力を刺激する文学作品でもあると思います。
こんな文化を一人でも多くの方々に語り伝えたいものです。
今年は2月にロンドンとケンブリッジに行きました。
和菓子を置いているお店を、まだ見つけていません。
ご存知でしたら、おついでの折にでも教えてください。
Posted by genjiito at 2015年04月03日 17:38
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