今日は前回に引き続き、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」巻の、第6丁表と裏を確認しました。
字母を確認しながら読み進むにあたり、同じくハーバード大学にある「須磨」巻の字母の傾向を整理した資料を配布しました。
これは、「須磨」巻の約2万字の仮名の字母を確認したものです。
例えば、ハーバード大学本「須磨」には、「あ」が305例あります。その字母の内訳は、「安」が300例、「阿」が5例です。
ほとんどの「あ」が、現在のひらがなの字母である「安」であることが容易にわかります。
この調査結果で興味深いことは、前半と後半で出現比率が異なるものがいくつかあることです。
1冊の写本の中でも、出現数が前後のどちらかに偏ることが確認できる例を、次に参考までに抄出します。
字母=前半/後半
(1)幾=292/274
●支=23/ 2
(2)之=421/440
●新=27/ 9
(3)世=67/44
●勢= 6/40
(4)多=212/220
●堂=144/83
(5)奈=291/342
●那=99/61
(6)留=250/266
●累=29/ 3
これらは、いずれも現在のひらがなと違う字母(●印付)において、前半と後半の出現数が違うことが顕著なものです。
ただし、次の例はその逆で、現在使っている「わ」の字母「和」の出現数が前半に偏っているものです。
(7)王=35/47
和=28/4
また、次の「侍」と「物」は、漢字として用いられている場合です。
これも、前半と後半で出現回数が異なります。
(8)侍=25/6
物=9/18
こうした傾向について、今の私には説明がつきません。専門家のご意見を伺いたいと思っています。
今日は、こうした「須磨」における字母の傾向を確認しながら、「蜻蛉」の字母の確認をしました。
次回は、「蜻蛉」巻の内容を確認する予定です。
休憩時間には、娘が送り届けてくれていた、季節の和菓子をいただきました。
まず、七條甘春堂の季節工芸菓の一つである「清滝の流れ」です。
寒天の中に、嵐山の上流の清滝川と、その涼しげなせせらぎの川面を再現しています。緑の魚が、清涼感を伝えています。
もう一つは、笹屋伊織の祇園祭をテーマにした生菓子でした。
まさに今の京洛の賑わいそのものを、写真右の「巡行」と左の「宵山」とで表現しようとしているようです。
目で季節感と風物が楽しめました。
なお、今週16日(水)の京都新聞の「まちかど」覧に掲載された記事には、間違った開催日が記されていました。
実際には、今日19日なのです。ただし、今回この新聞記事を見てお出でになった方はいらっしゃらなかったので、実害はありませんでした。
今後は、掲載前に新聞社からいただく確認の電話で、日時のことは十分に気をつけます。
次回の会は、8月はお休みをいただき、9月6日(土)の午後1時からです。興味をお持ちの方は、お気軽にお越しください。ただし、資料やお菓子の準備がありますので、事前に参加の旨をお知らせください。
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