2014年06月22日

京都で『十帖源氏』を読む「明石_その4」

 ワックジャパンでの前半は、昨日の記事で報告した通り、ハーバード大学本『源氏物語』の「蜻蛉」巻を読む会でした。
 その後、後半では『十帖源氏』を読む会となります。
 その前に、気分転換を兼ねて和菓子をいただくことが多くなりました。

 昨日も、娘から季節感溢れるお菓子が届けられました。


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 左側の2つの四角い小箱は、桃林堂の「生水ようかん」の抹茶と小豆です。
 私が大阪府八尾市の高安の里に住んでいた頃は、この桃林堂のお菓子を母が時々買ってきてくれました。近鉄高安駅と河内山本駅の間に、桃林堂の本店が今もあるようです。
 新鮮な野菜や果物を砂糖漬けにしたお菓子の「五智果」や、丹波大納言粒餡と最中の皮が別々になっていて、いただく直前に手で詰めて口に運ぶ「五風十雨」というお菓子は、今でもその味を覚えています。

 桃林堂が懐かしくなりホームページを見たところ、「五智果」という名前の由来が記されていました。「蕗の青」、「蓮根の白」、「人参の赤」、「金柑の黄」、「無花果の黒」の色から、五つの知恵を象徴する五智如来にちなんで、文学博士の中村直勝先生が「五智果」と名付けられたとか。
 お菓子の名前の命名由来は、いろいろとおもしろい背景があるようです。古典文学に題材を採ったものも多いことでしょう。気付いたら、メモをしておくつもりです。

 写真の右側の黄色くて丸いお菓子は、河原町四条にある永楽堂の「琥珀 せとかの雫」です。
 「せとか」という名を知らなかったところ、参加者のみなさんが教えてくださいました。2001年に登録されたみかんの新種で、〈柑橘の大トロ〉とも言われている果実だそうです。口にすると、せとかの甘さと香りが華やかに広がります。これまた、夏らしい爽やかさが感じられます。

 このお菓子をいただきながら、しばし歓談です。

 さて、『十帖源氏』では「明石」巻を読み進んでいます。
 問題となったことを、以下に列記しておきます。

・「風なをり、雨のあししめりて」というところで、「なをり」と「しめりて」をどうするかということで頭を悩ませました。そして、「風が弱まり、雨は止み」と訳すことになりました。

・「みちくるなごり」は、「なごり」をどうするかをいろいろと検討した結果、「満ちて来た影響で」としました。

・「あまどもの、きゝもしり給はぬ事どもを、さへづりあへるもめづらかなり」とある箇所は、たっぷりと時間をかけて討議しました。
 まず、「きゝもしり給はぬ」は「聞きなれない」となりました。
 続く「さへづりあへる」という言葉については、鄙の地の漁師たちの様子がイメージできるような訳にしました。「言い合っているのも、都では珍しいことです。」とすることで、鄙の地と都との違いを意識した訳になりました。

 今回の訳は、簡潔でわかりやすい表現になったと、参加者一同満足しています。回を重ねるたびに、海外の方々のための、わかりやすい現代語訳という感触が摑めるようになりました。
 「明石」を読み終わったら、現代語訳を公開しますので、それまでしばらくお待ちください。

 次回、7月の『十帖源氏 須磨』を読む会は、7月19日(土)午後3時から5時までです。場所は、いつもの京都御所南にあるワックジャパンです。
 こうした海外の方のための現代語訳を作ることに興味をお持ちの方は、連絡をいただければご案内のメールをさしあげます。
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◎国際交流
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