2014年06月07日

立教大学での中古文学会 -2014 春-

 春の中古文学会は、立教大学新座キャンパスで開催されました。


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 早く着いたために校舎をウロウロしていたら、秋山虔先生が休憩室にいらっしゃることがわかりました。早速、昨日できたばかりの『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」』(新典社)を直接お渡しし、ご挨拶をしました。
 秋山先生は、お心の籠もった労いのことばと、『源氏物語』の本文資料の整理という仕事のことを含めて、励ましてくださいました。誰もしない地道な仕事だけれど、これまで通りずっと続けるようにとの、温かいことばをいただき感激しました。確かに、私がやっていることは、写本を読んで文字としてパソコンに入力するという、だれにでもできる単純な仕事です。しかし、秋山先生はそれを何十年も続けている意味を、よく理解してくださっています。何度も、長文の励ましのお手紙をいただき、勇気づけられてはまた写本に取り組む、という繰り返しです。
 秋山先生は、私のような情報整理屋をも、元気づけてくださる先生なのです。

 今年の中古文学会では、フリースペースという場所が新たに提供されました。代表委員の阿部好臣先生の発案だということです。これは、素晴らしいことです。

 次の3つのスペースを、それぞれの担当者に申請してもらい、テーブルをお借りすることができました。

(1)今西科研の広報
(2)伊藤科研の広報
(3)NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の広報




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 ただし、科研とNPOが公私混同のように誤解されることを避けるために、(1)と(2)は1つのテーブルで、NPOは少し離れた場所にパンフレットや資料を並べました。

 日頃の研究に関連した情報を広く知っていただくための研究者コミュニティーの提供は、今後とも継続していただきたいと思います。学会だからこそできるプレゼンテーションもあります。特に若い方々は、こうした機会を有効に活用されたらいいと思います。

 このフリースペースの場所が、学会会場の1つ上の階なので、訪れてくださる方はほんの少数だったのは残念でした。すばらしい取り組みなので、ぜひとももっと参加者に宣伝していただきたいと思っています。

 2日目の明日8日(日)も、フリースペースが開催されます。
 科研のスペースでは、送付用のタックシールを用意しています。そのシールに住所を書いていただけましたら、私の科研の報告書である『日本古典文学翻訳事典1〈英語改訂編〉』や、今西科研のDVD付きの報告書を、後日お送りいたします。公費による非売品なので費用の負担をしていただくことはありません。
 この機会に、ぜひともお手元に置かれてはいかがでしょうか。何かとお役にたつ資料集になっていると思います。
 今日は、20数人の方が申し込んでくださいました。
 明日の2日目もフリースペースにいますので、ぜひとも足を運んでいただき、送付先を書いていただきたいと思います。

 また、NPOについては、案内のリーフレットと、先般発行したニューズレターの第1号を置いていますので、どうぞご自由にお持ち帰りください。。
 この印刷物が、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の活動を理解していただく一助にでもなれば幸いです。


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 さて、学会のプログラムとしては、本日はミニシンポジウムが2つありました。

 最初は、「定家本・青表紙本『源氏物語』とは、そもそも何か?」というテーマのミニシンポジウムでした。
 『源氏物語』の本文に関する情報整理をしている者として、期待してうかがいました。
 提言者の久保木秀夫氏が、宮内庁所蔵の三条西家本を再評価をしておられたことが新鮮な成果でした。
 しかし、そのこと以外では関係者には本当に申し訳ないのですが、非常に退屈でした。主催者とパネリストの方々の準備段階からのご苦労には敬意を表します。しかし、内容が思うように展開しなかったように思います。

 私個人としては、「青表紙本」という手垢と黴臭ささにまみれた用語をあえて前面に出されたことに、さらなる新提言や進歩を期待しました。しかし、「青表紙本」という池田亀鑑が広めた用語を、そのまま埋め戻すだけの世間話に終始しました。これでは、若者を〈本文研究〉から遠ざけてしまいます。

 会場では、私の横に岡嶌偉久子さん、その横に藤本孝一先生がおられました。終わってから、お互いに『源氏物語』の本文に関わる研究仲間として、この件で話をしようと思って、近くに席を取って聞いていました。しかし、無言で溜息だけを残して会場を去らざるをえなかったのです。久し振りに会ったのに、お互いにこのシンポジウムのことは何も語らないままに別れることになったのは、返す返すも残念なことでした。

 2つ目の「中古文学会で、中世王朝物語を考える」は、新たな刺激を受けました。日頃はあまり馴染んでいない作品群が話題となりました。短時間にもかかわらず、わかりやすい話でした。
 ただし、共同討議になると、交わされる内容や専門用語が途端にわからなくなったので、後半は苦痛の時間でした。

 ご専門の方々には失礼な物言いでしたら、専門外で勉強不足の身ということで、ご寛恕を願います。年をとったために、若者の話が理解できなくなった、ということにしてください。

 明日は、研究発表があります。
 また、会場の上の階でフリースペースを担当もしています。
 今日も、多くの若い方々とお話をすることができました。
 明日もまた、この学会が新しい出会いの場となることを、楽しみにしています。
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■古典文学
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