東京都人権プラザ(台東区橋場1丁目)で開かれている、企画展「読む権利」に行ってきました(入場無料、7月27日まで)。
これは、視覚障害者を支える〈読むためのグッズ〉を、実際に触って体感できる紹介展示でした。私にとっては、初めて見たり触ったりするものです。いろいろと工夫を凝らした〈読むためのグッズ〉としての本や機器を、実際に触ることができました。目の不自由な方が本をどうやって読んでおられるのかを知るのに、いい機会であり、いい勉強になりました。
日本は、本年2014年1月に、障害者の社会参加を促す「障害者権利条約」に批准したそうです。まだ私は不勉強なので、その詳細は語れません。しかし、「障害者の表現の自由、知る権利、平等にサービスを受ける権利」(第21条)は容易に理解できます。
全国の視覚障害者は推計31万6千人(厚生労働省2011年の調査)。東京都では、約3万9千人(2014年2月現在)の視覚障害者が都内で暮らしておられるそうです。
こうした状況を知るにつけ、自由に文字が読み書きできる環境作りに、今私の意識はしだいに傾斜していきます。
今回の展示で、私が一番注意を惹いたのは「触図」です。点字で著された文字による図書だけでなく、凹凸や半立体化によって情報を伝えるものです。
中でも、絵画を鑑賞する本に注目しました。絵画を立体的に浮き上がらせてあり、触って作品の形状を感じられるようになっているのです。
例えば、イタリアの画家サンドロ・ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」は、こんな感じで浮き出しています。
『京都 ─指で読む旅行案内─』という本から、下鴨神社周辺の地図を立体図にしたものを拡大すると、こんな感じになっています。Y字型の少し上の◎印が下鴨神社です。
これだと、確かに触ることで図像が鮮明にイメージできそうです。これなら、知りたい建物や道が、どんな場所に、どの位置にあるのかが、触感でわかります。
漢字についても、その形を触ることで学べる小学生向けの教材がありました。説明パネルには「紫外線硬化樹脂インク(UV樹脂)によって墨字の漢字を凸点で表現しています。」と書いてあります。
もちろん、触る絵本もありました。わが家でも子どもたちが大好きだった「ノンタン」シリーズは、点字で言葉が読める上に、絵も少しですが浮き上がるような透明フイルムが貼ってありました。
そういえば、先月下旬に姪の家に行った時、姪の娘がキティちゃんが印刷されたシートに、いろいろなパーツを剥がして貼って遊んでいました。そのパーツを見ていて、変体仮名もこうした仮名文字のパーツを作って並べたものを考えれば解決するのでは、と思いました。
今回も、企画展で展示物を見ながら、変体仮名で書かれた古写本を読むためのヒントを、たくさんいただきました。
特に、版本が2冊置いてあったことは、いい刺激となりました。
これは、印刷された文字の大きさを比べるために展示されているものでした。しかし、私には、目の不自由な人が縦書きの文字をどうして読んでいるのだろう、という素朴な疑問に立ち向かわせることになったのです。
今から30年前、コンピュータが出始めの頃に、文字をモニタに縦に表示したり、縦書きで印刷することに多大なエネルギー割きました。縦書きにどう対応するかは、すでに経験済みであり、何とか対処できました。
この、縦書きと横書きの問題は、次の記事を参照願います。
「【復元】縦書き & 横書き」(2010/4/21)
この点字や触図と縦書きの表記の問題は、今どのようになっているのか、これから調査します。
一通り展示を拝見してから、この企画を担当なさった都人権啓発センターの林勝一さんに、疑問に思っていることを率直にお尋ねしました。
(1)古写本の変体仮名を視覚障害の方が読む方法
(2)点字では縦書きの表記表現ができるのか
(3)視覚障害の方が縦書きの文字を読むための方策
林さんによると、縦書きのことは考えても見なかった、とのことでした。
また、古写本を読むことなどは、立体プリンタがあるので、墨で書かれた変体仮名を指でなぞることは可能だが、果たしてそれが現実的にどうなのかは実際にはよくわからない、とのことでした。
そして、今回の企画展でお世話になったという、日本点字図書館(新宿区高田馬場)の用具事業課の澤村さんに、すぐ電話をしてくださいました。私の質問を伝えてくださり、調べるのにしばらく時間がほしいので、二三日後に電話をしてほしい、とのことでした。
親切に対応していただいた林さんと澤村さん、お忙しいところを本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
また、こうしたことについて、ご教示いただける方がおられましたら、お知恵をお貸し願いたいところです。
知らないことは恥ずかしくない、ということを強みに、とにかく前を向いて突き進んでいきたいと思っています。
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