2014年05月17日

京都で『源氏物語「蜻蛉」』の写本を読む(第10回)+追記

 賀茂川の両岸は新緑で爽やかな初夏となりました。今日は、気温も27度。自転車で川沿いを走ると、心地よい風が次第に生温い感じで身体を包み込んで流れていきます。

 今日は、御所南にあるワックジャパンで、ハーバード大学本「蜻蛉」を読む会と、『十帖源氏』を読む会があります。
 いつものように、途中の出雲路橋から賀茂川の南北を望んだ写真を撮りました。
 まずは川上の北山です。

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 振り返って、葵橋の方を眺めました。


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 1ヶ月前の4月12日は、賀茂川の両岸は次のような葉桜の並木でした。

「京都で『源氏物語「蜻蛉」』の写本を読む(第9回)」(2014年04月12日)

 この川を眺めていると、季節の移り変わりがはっきりとわかります。

 今日の古写本を読む会には、先日の京都新聞の「まちかど」欄に掲載されたお誘いの記事をご覧になった方が、参加をしてくださいました。年配の男性なので、貴重な存在です。電気の仕事をしてきたので、日本の古典文学のことは何も、とおっしゃっていました。かな文字を読むことが中心ですから、ということをご説明して、一緒に変体がなを読み進めました。

 今日は、5丁オモテからです。ちょうどこの丁の紙は、吹き絵に金粉をまぶしたものです。いったい誰が書写を依頼し、この豪華な紙をどのようにして調達し、書写した本を誰に献上したのか等々、想像するだけでも楽しくなります。

 かな文字で「ゐ」や「ゑ」が正確に書けるか、という話になると、みなさん思い当たることがあるのでしょう、反応があって盛り上がりました。中国から来ている大学院生も、「ゑ」はうまく書けないとのことでした。「ゐ」は漢字の「為」に近い文字しか書けないそうです。
 学校では、ワ行の文字はあまり教えないようなので、古典との距離が生じているようです。
 日本語のコミュニケーション・ツールとしてのかな文字のありようが、気になり出しました。

 さらに、「ゐ」と「ゑ」をカタカナでどう書くか、ということになると、日本の大学の学部生も怪しい反応でした。特に、「ゐ」のカタカナについては、社会人の方も悩んでおられました。
 日本語で記述するときに基本となる「ひらがな」と「カタカナ」について、義務教育では強制されていないと思われるワ行の文字について、日本人は正しく理解できているのか現状を知りたくなりました。
 「ゐ」や「ゑ」に留まらず、次の文章は書けるのか、ということも問題になりました。

わたし WA 学校 HE 勉強 WO しに行きます。

 もちろん、「こんにち HA」も、携帯電話やスマートフォンなどが普及し、ショートメールが盛んな現代において、実態はどのようになっているのでしょうか。この件で調査データなどをお持ちか、あるいはご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示いただけると幸いです。

 初めての方がいらっしゃったこともあり、半丁だけで時間が来ました。
 ひらがなの一文字ずつを考えていると、現代の社会でそれが機能的に使われているのか、いろいろと知りたくなりました。このことは、折々に取り上げたいと思います。

【追記】来月の古写本を読む会は、6月21日(土)午後1時から2時半までです。
    場所は、いつものワックジャパンです。
posted by genjiito at 23:24| Comment(0) | ◎源氏物語
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