第1回目は2013年11月12日でした。
【9.0-国際交流】「東京で『十帖源氏』を読む「若紫」(その1)」(2013/11/12)
その後、12月はみなさん多忙な時期でもあり休会となり、今年の1月はみなさん風邪のために急遽休会となりました。
そんな経緯があり、今日は東京での久しぶりの『十帖源氏』を読む会となりました。
いつものように、荻窪駅線路際にある「あんさんぶる荻窪」に集まりました。
インドからの留学生であるイムラン君が参加してくれました。
また、中国から来ている研究生の趙君も常連として参加です。
中国とインドからの意見には、さまざまな場面で文化の違いが対照的に現れ、非常に楽しい時間となりました。
今日は、『源氏物語』の中でも最も有名な、雀が逃げたと言って若紫が泣いている場面です。
「しろきゝぬ、山ぶきゝて」というところは、若紫の着物について異論百出です。
担当者の訳は、「白と黄色の着物を重ね着して」でした。
「しろきゝぬ」について、『新編日本古典文学全集』(小学館)では下着扱いです。しかし、下着なら「きぬ」ではなくて「ひとえ」だということです。つまり、ここは白の袿になるはずなのです。
「山ぶき」も、単衣ではなくて袿です。
とすると、白の衣と山吹の衣と、どちらが上に羽織っていたのか、ということになります。これは、どちらの可能性もあり、ここでは決めかねる、ということになります。進行役の畠山君は、『源氏物語』における衣服を扱ったテーマを博士論文に設定して執筆中なので、こうした衣装に関しては鋭い指摘が続出します。非常にいい勉強になります。
結局、担当者の訳を踏襲しながら、「重ね着」としていたところを「重ねて着て」とするに留めました。
若紫が雀が逃げたと言って泣いている場面に、「かほあかくすりなしてたてり」とあります。「顔赤く擦りなして立てり」と表記すべきところです。
ここを担当者は、「顔を赤くこすって立っています。」としています。しかし、これでは言葉の並びが不自然です。また、インドでは、顔を赤くするのは怒っている時と受け取られかねない、との指摘がありました。恥ずかしさから、顔を赤らめることでもありません。
涙を拭うかわいい仕草とその様子を、なんとかうまく訳したいのです。顔を擦ったために赤くなることを、どう訳で表現するかに苦心しました。その結果、「(零れる涙を)擦って顔を赤くして立っています。」という訳に落ち着きました。ここは、まだ一工夫できそうです。
「やり水」についても、中国ではわからないと言うのに対して、インドでは対応する言葉があるそうです。そこで、ここは「庭を流れる水」としました。
今日は、服飾に関する豊富な話題と、日本・インド・中国における微妙な文化の違いについて、学ぶことの多い時間となりました。
次回は、3月25日(火)18時半から2時間です。
またその次は、4月22日(火)18時半から2時間、ということも決めました。
共に、場所は荻窪駅そばにある、杉並区の「あんさんぶる荻窪」です。
興味のある方は、自由に参加していただけますので、事前に本ブログのコメント欄を通してお問い合わせいただければ、折り返し詳細をお知らせいたします。
特に、英米語以外のネイティブの方は大歓迎です。
古典文学の知識は不要です。
参加者のみなさまの知恵をお借りしながら、海外で翻訳してもらいやすい『源氏物語』の現代語訳を作っている集まりです。
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