2013年12月18日

愛知県春日井市の中部大学でお話をしてきました

 小雨の中、愛知県春日井市にある中部大学大学院国際人間学研究科で、「世界にひろがる源氏物語」というテーマでお話をしてきました。

 これは、大阪大学でご指導をいただいた蜂矢真郷先生と、一緒に勉強をした本田恵美先生が声を掛けてくださって実現したものです。

 開会前に、大学の中にある「建築資料作成室」で、池浩三先生のもとで作成された『源氏物語』に出て来る殿舎などの復元模型等を見せていただきました。

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 かねてより見たかったものでもあり、二条院、六条院、紀伊守邸などの復元資料を、間近に興味深く拝見しました。

 さて、今日は、『源氏物語』が世界24ヵ国、31種類の言語で翻訳されていることを踏まえ、その翻訳本の表紙等を紹介し、そこから見えてくる今後の新しい研究テーマ等をお話ししました。

 私はパワーポイントを使ったプレゼンテーションはしないように心掛けています。あれは、マスターベーション以外のなにものでもない、と思っているからです。聞いてくださる方々に、知的刺戟を与えない、電気紙芝居にすぎないからです。
 今日も、実物投影機を用意していただき、翻訳本などの実物を見ていただきながら話を進めていきました。

 イタリアの本屋で「ゲンジモノガタリ プリーズ」と言うと『源氏物語』のイタリア語訳の本が出て来る話は、本当の話だけにみなさん興味を示されたようです。
  本ブログ「ヴェネツィアから(7)イタリア本」(2008/9/14)でも紹介しています。

 また、ないはずのウルドゥ語訳『源氏物語』が、実際にはインドの図書館の中国のコーナーにあった、「ウルドゥー語訳『源氏物語』をインドで発見」(2009/3/5)ということも、先入観のない調査が成果を生む例として紹介しました。

 その他、最新情報としてのスペイン語訳『源氏物語』や、先月刊行されたオランダ語訳『源氏物語』が、ネットでは「horror」(ホラー・恐怖)に分類されていることも報告しました。

 また、現在の研究として、『源氏物語』の本文研究の実情や、海を渡った『源氏物語』の例として、「米国議会図書館本『源氏物語』」や、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』のことも紹介しました。

 海外の『源氏物語』研究については、私が最近獲得した科学研究費補助金による研究としての「海外における源氏物語を中心とした平安文学及び各国語翻訳に関する総合的調査研究」のことも、詳しく報告しました。

 この話に関しては、外国語に翻訳されたものを日本語に訳し戻すことについて、後でいくつかの質問を受けました。これは、日本文化の伝播に関する研究テーマとなるものです。今後のおもしろい検討課題であることを、再認識しました。

 翻訳本の情報として、持参した14種類の翻訳本の表紙をスクリーンに映しながら説明しました。これは、先般国文学研究資料館で実施された、国際日本文学研究集会で展示した本のいくつかを入れ替えてお見せしたものです。

 これは、予想外の本の装訂と表紙絵のオンパレードなので、みなさんスクリーンを凝視なさっていました。終了後に、実際に本を手にとって見ていただきました。

 幅広い年齢層の方々が参集されており、気持ちよくお話ができました。
 関係者のみなさま、ご高配に感謝いたします。

 無事に終わり、中部大学がある神領駅から名古屋駅に向かう車中で、朝日新聞名古屋本社から連絡が入っていることに気付きました。国文学研究資料館の事務を通して、至急取材をしたいとのことでした。内容は、今日の海外の『源氏物語』に関することではなくて、『源氏物語』の本文研究に関することのようです。

 たまたま今ちょうど名古屋にいることを伝え、名古屋駅前で朝日新聞の記者の方と待ち合わせをしました。記者の方も、私が名古屋にいることは知らずに東京に連絡をしたら、すぐに名古屋で会うという展開に、驚いておられました。
 駅の横にあったティールームで1時間ほど取材を受けました。
 こんなことがあるのです。何とも、不思議な巡り合わせの1日となりました。
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◎源氏物語
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