2013年12月10日

日本学士院での林文月先生の授賞式に参加して

 「人間文化研究機構 日本研究功労賞授賞式 及び 記念講演」が、上野の日本学士院で開催されました。

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 第三回となる今年は、『源氏物語』の中国語訳で知られる林文月先生がめでたく受賞されました。

 立派な授賞式で、機構長をはじめ文部科学省や京都大学のご来賓からのご挨拶の後、林先生の講演がありました。

 「平安朝文学の中国語訳」と題して、『源氏物語』を中国語に翻訳するにあたっての詳しい話を伺いました。そんなご苦労が、と聞き入ってしまいました。

 上海生まれで、お父さんが日系企業に勤めておられた関係で、日本語で育ったそうです。小学校6年生から台湾に帰り、台北で中国語の生活と勉強をされました。
 生活の中では、中国語と日本語を置き換えながらの日々であり、翻訳とは何かなどとは考えもしなかったそうです。このことが、後の翻訳に活かされ行ったのです。

 『源氏物語』の中国語訳については、研究論文に付した「桐壺」巻が好評だったことから、5年半で全巻を中国語に翻訳されたのです。その原動力には、京都大学の吉川幸次郎先生が「中国人は日本の古典文学に冷淡だ」と仰ったことがあるようです。それを自分でやろうと。

 林文月先生の中国語訳では、和歌の訳に特色があります。3行で訳されたのです。しかも、韻を踏みながら。また、豊子ト氏の中国語訳を知らずになさったということにも、驚きました。

 林文月先生の話は、『枕草子』『和泉式部日記』『伊勢物語』へと展開しました。
 充実したお話を伺い、多くの啓発を受けました。

 その後のレセプションで、林先生と親しくお話をすることができました。
 現在私が、海外における『源氏物語』の翻訳をテーマとして研究をしていることや、林先生の中国語訳を日本語へ訳し戻すことを終えたことなど、報告や今後のお願いをしました。

 今回お目にかかったことが、今後はどのように展開していくのか、大いに楽しみにしています。

 会場には、秋山虔先生がお出ででした。エレベータでレセプション会場までご一緒し、体調の話などを伺いました。少し足が弱くなってと仰っていましたが、非常にお元気で安心しました。
posted by genjiito at 23:08| Comment(0) | ◎源氏物語
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