こちらは、完全に頭の体操の様相を呈しています。
日本語でなんと言えば海外の方々にわかるのか、と。
ああでもない、こうでもないと、連想ゲームのような世界を彷徨っています。
今回は、明石入道が、娘を光源氏と結婚させようと思っていることを妻に語る場面からです。
ここで、登場人物の呼称を整理しました。
この「須磨」巻以降では、明石入道と妻との子を「(明石の)娘」とし、その「娘」と光源氏との子を「(明石の)姫」に統一することにしました。
そして、次の文章の現代語訳では、「奉らん」と「かたわや」ということばに時間をかけて検討しました。
姫をこの君に奉らんといへば、あなかたわや(84丁表)
いろいろな議論を経て、現代語訳は次のように落ち着きました。
娘をこの方(〈光源氏〉)と結婚させようと言うので、(妻は、つぎのように言いました)「それは、考えられないことですよ。〜」
これに続く「やんごとなき御めども」という表現も、いろいろな意見がでました。
担当者は「身分の高い恋人」としています。しかし、毎度のことながら、「恋人」「愛人」「想い人」という言い方には、必ず立ち止まってしまいます。
ここでは、「妻や恋人」として、「御め」を幅広く理解しました。
さらに、直後の「みかどの御め」は「帝の寵姫」としました。
「あやしき山がつ」も、さまざまな国の言語に訳してもらうことを配慮して、「賤しい田舎者」ではなく「田舎育ちの娘」とすることになりました。
多言語に翻訳されることを意識した『源氏物語』の現代語訳は、翻訳する方のことを考えると、細部にこだわってしまいます。落ち着くところはありふれた訳であっても、その過程には楽しい言葉遊びがあります。それがおもしろいので、こうして続いているのだと思います。
次回は、12月14日(土)午後3時からです。
この集まりでは、海外の文化に興味をお持ちの方の参加をお待ちしています。
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「京都で『十帖源氏』を読む「須磨_その7」」(2013/10/6)
「京都で『十帖源氏』を読む「須磨_その6」」(2013/9/22)
「京都で『十帖源氏』を読む(第5回)」(2013/8/11)
「京都で『十帖源氏』を読む(第4回)」(2013/7/14)
「京都で『十帖源氏』を読む(第3回)」(2013/6/16)
「京都で『十帖源氏』を読む(第2回)」(2013/5/11)
「京都で『十帖源氏』を読む会がスタートしました」(2013/4/6)
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