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デスカルサス・レアレス修道院は、支倉常長が洗礼を受けた場所だというので行きました。
前日は、多くの人が並んでいたので諦めた所です。
今度は日曜日の朝一番に出かけたので、何とかチケットを手に入れることができました。
一緒に行ってくれた学生さんは学割です。
『地球の歩き方』の頁を繰ってみましたが、この本のどこにも支倉の「は」の字も出てきません。2013〜2014年版なのに、支倉の400周年のことも一言も触れていません。
入口近くの解説書などを、学生さんに見てもらい確認しました。しかし、そこにも支倉のことは書いてないようです。スペインの人は、支倉のことにまったく興味がないことはわかります。それにしても、日本人向けのガイドブックにも、その記載がないのです。
どうもおかしいと思い、関係者に聞いてもらうと、支倉の受洗所はこの隣の教会だということです。
つまり、我々が入ろうとしていたのは、支倉が洗礼を受けた所ではなかったようです。中に、その関連する物があるそうですが、それも確たる証拠があっての物でもなさそうです。
そして、付属教会は無料なので、この修道院の入場料は返すと、ありがたい言葉をいただきました。
上の写真の左側がデスカルサス・レアレス修道院で、右側の少し陰になっているところが付属教会です。
なお、支倉がここで洗礼を受けたとすると、洗礼台帳に記載されているはずです。しかし、その台帳はいまだに確認されていません(『キリシタン将軍 伊達政宗』145頁、大泉光一、柏書房)。いろいろとわからないことが多いようです。
日本に帰ってから、インターネットで調べたところ、「支倉常長の足跡を追う旅」で、支倉常長とマドリッドの話が、何回かに分けて詳細に語られていました。
ただし、この記事も微妙な表現が目に付きました。
追記(02013.11.4):青葉城資料展示館の学芸員・大沢慶尋氏によるブログ「支倉常長の足跡を追う旅」の「マドリッドAデスカルサス・レアレス修道院の南蛮漆芸は支倉使節の進物か?(2008年12月27日)」(http://blogs.dion.ne.jp/honmarukaikan/archives/7941580.html)に、興味深い記事があります。それは、デスカルサス・レアレス修道院(Monasterio de las Descalzas Reales、王立跣足派女子修道院)に収蔵されている聖遺物や宝物の中に、日本関係資料として4点があることが報告されており、その中の桃山時代から江戸初期とされる書見台(A資料)に、私は注目しました。この書見台の表面には、黒漆塗りした上に平蒔絵で紅葉が描かれているからです。
今夏、コロンビア大学大学院生のアリエル君に関する私のブログ「スペイン語新訳『源氏物語』の話を聴きに早稲田大学へ」(2013年7月23日)で、スペインには紅葉がないために、その翻訳に一苦労があったことを記しました。つまり、紅葉はスペイン語に訳せない植物なのです。
伊達政宗の命を受けてヨーロッパに派遣された支倉常長を先導したルイス・ソテロ神父は、日本側からの献納物に紅葉が描かれた美術工芸品があったことに関して、何も思わなかったのでしょうか。その図柄に、何もアドバイスを与えなかったのでしょうか。スペイン人にわからない絵だと……。あるいは、わからないからこそ、進物に相応しいと思ったのでしょうか。
今、素人なりの感想としては、この書見台は支倉がスペインへの贈答品として持ち込んだ物ではないと思っています。
便利な時代に生きているのですから、もっと調べてから行くべきでした。もっとも、土日を市内観光に使うことは、出発前には考えていなかったので、これも致し方なしというものです。
その後、サン・ミゲル市場へ行きました。
まずは、派手なお寿司屋さんから。
旭日旗には度肝を抜かれます。しかし、ネタは豊富です。
次は、たくさんのチーズです。お土産に、山羊のチーズで母乳型のものを2ついただきました。
市場の中を、雀が飛び交っていました。
ちょうど、ハロウィーンの魔女のお尻を見つめる2羽の雀がかわいかったので、写真に収めました。
少し小腹が空いたので、学生さんに勧められるままにチューロスとチョコラーテを、市場の片隅にあったテーブルでいただきました。私には甘すぎましたが、なかなか美味しいおやつです。
折角来たのだからと、スペイン広場へドンキホーテの像も見に行きました。
実は、私はいまだにこの話を読んでいません。帰ってから、読むことにします。
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