2013年07月14日

京都で『十帖源氏』を読む(第4回)

 京町家のワックジャパンで『源氏物語』の写本を読んだ後、少しお茶をいただく休憩時間を挟んでから、今度は『十帖源氏』を読みました。読むというよりも、海外の方に翻訳をしてもらうための現代語訳の作成・確認です。

 『十帖源氏』の版本には、次のように印刷されていた箇所の漢字をどう翻字するか、ということです。
 
 
 
130714_fune
 
 
 

 右側の文字を「船に」と翻字するか、「舩に」とするかで、担当者は「舩」としました。舟偏に「ハロ」か、舟偏に「ハム」か、という問題です。確かに、別の箇所では、左側にあるように「松」という字は、木偏に「公」です。
 いろいろと調べていると、「舩」は「船」の異体字だとあるので、ここでは通行の「船」にすることとなりました。

 「さるの時ばかりに」とある箇所では、担当者は「申の刻ぐらいの時間に」としました。時間の表現をどうするかということです。ここは、現在の時間を補って「申の時刻(午後4時前後)に」と訳すことになりました。

 「かや屋ども、芦ふけるらうなど」についても、問題となりました。
 担当者の訳は「萱ぶきの家や芦ぶきの廊など」でした。しかし、「芦」はいいとしても「萱」はわからない国が多いとのことなので、「萱ぶき」を「藁ぶき」にすることにしました。3匹の子豚の家は「藁ぶき」だということから、わかりやすいということでそうなりました。

 「水ふかうやりなし」も、時間をかけました。
 担当者は「遣り水を深く流し」と訳していました。しかし、「遣り水」と「深く」をどうするかで話し合いました。
 「遣り水」に関しては、「小川」で早々に決着しました。
 「深く」が、今と語感がどうも違うのです。流れる水の深さではなく、奥深くなのでしょう。それでも、どうも雰囲気がでないので、結局は「小川を庭の端から端まで流し」としました。

 こんな調子で、現代語訳をさらにわかりやすいものに仕上げていきました。この作業は、ことばに対する豊かな想像力が試されます。また、異文化に対する深い理解が求められます。
 いつも、いろいろな国からの留学生の方々が参加してもらえたら、と思っています。
 多国の方々をご紹介いただけると幸いです。
posted by genjiito at 22:05| Comment(0) | ◎NPO活動
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