2013年06月14日

授業(2013-9)海外で国際日本文学研究集会をすること

 インドで取り組んだ国際研究集会の報告書を元にして、これまでに実施した全7回の研究発表の内容を確認しました。
 
 
 
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 日本文学の研究がまだ成熟していない地域では、日本人のアドバイスが欠かせません。そのためにも、研究会や学会で使用する言語は「日本語」とすべきです。

 国際集会というと、すぐに「英語」で発表し、質疑応答も「英語」で、となりがちです。しかし、まだアドバイスをするのが日本人である段階では、一人でも多くの日本人研究者や、こうした取り組みへの日本人の理解者が必要です。そのためにも、国際学会での共通言語は「日本語」にすべきです。そうでなければ、その集会に参加して発言できる人が限られるのです。

 このことは、すでに研究が成熟しているアメリカなどで、そうした配慮は不要です。すでに出来上がった方々を相手にする限りは、英語でもいいと思います。

 この点での理解が、あまり浸透していません。英語でさえあればいい、というのは違います。すでに完成した研究者を相手にする場合は、日本人が果たす役割は単純です。英語さえ理解でき、喋ることができれば大丈夫です。

 しかし、これから発展が期待できる国では、やはりまだ研究環境の整備と基礎的な日本文化に関する知識の共有というテコ入れが必要です。そのためにも、当面は日本語を学会や研究集会の共通言語とし、より多くの日本語話者からのアドバイスを期待すべきです。ひいては、それが相手国の今後の活力をもたらすことにつながると思います。

 日本において、日本文学研究が急激に衰退する中で、海外の理解者や研究を志す方々への支援は、今後ともどうしても必要です。日本文学研究の伝統を守るためにも、相撲が、柔道がそうであるように、今は海外の方々の参加が不可欠です。この危機的状況にあるという認識の共有が大切だと思います。

 なお、海外における研究集会でのテーマの設定では、今は宗教・戦争・政治は時期尚早だと思います。それに耐えられるだけの研究の蓄積が、日本側にないと思うからです。

 海外から日本に来て、日本文学研究に携わっている方々の成果も、海外の方と共有すべきです。これは、海外の方にとって、貴重な研究事例となるからです。

 1冊の『インド国際日本文学研究集会の記録』(国文学研究資料館、2012年3月31日)をもとにして、そうしたことを語りました。
 なお、この冊子のことは「『インド国際日本文学研究集会の記録』が出来ました」(2012/4/5)で詳しく書きました。参照いただければ幸いです。
posted by genjiito at 22:55| Comment(0) | ◎国際交流
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