この前は、私が京大病院の癌病棟に入院する直前だったので、2年振りの食事会です。
その日のことは、「25年越しの仲間とのデータベース談義」(2010年08月17日)をご笑覧ください。
コンピュータが日本文学の研究に活用できることを、実証的な啓蒙普及活動として推進したメンバーです。昭和62年に、伊井春樹先生と共に立ち上げた日本文学データベース研究会(略称はNDK)は、今でもその活動を継続しているのです。
来年には、また新たなデータベースを提案する予定です。
当時の4人は、図書館員であり高校の教員でした。今は、みんな大学の教員として、日本文学の研究者という環境にいます。身の回りは変わりました。しかし、その志は今も同じなので、語り出すと止まりません。
苦楽を共にした旧知の仲間は、気が置けないこともあって、逢うといつも、夢を交えた話が際限なく拡がります。
今日も、みんな50歳を越えたこともあり、加齢に伴う病気の話題は避けられません。しかし、その話を挟みながらも、やはりコンピュータと情報に関する話題では声も大きくなります。
食後は我が家へ来てもらいました。
玄関脇の小さな花壇は、春の花が芽吹いています。
チューリップも、お客様を迎えるかのように、数日前から咲きだしました。
その花をささやかな茶室に活け、お茶を点てました。
最近退院したばかりの御大にお正客となっていただき、心をこめた薄茶を差し上げました。
お菓子は、鶴屋吉信の「花弥生」と長生堂の「かも川」です。
お抹茶は、一保堂の「幾代の昔」にしました。
部屋の隅には、『源氏物語』の「空蝉」巻をテーマにしたお香を置きました。これは、御大に最初にお願いした仕事が、「空蝉」の本文を扱ったプログラム開発だったからです。
まだ我々には、すべきことがたくさんあります。日本文学研究の情報処理化においては、ここまで牽引してきたという自負があります。手がけてそのままになっていた、平安時代の物語や日記のデータベースを、また手がけることになります。
お茶の後は、コーヒー豆をゴリゴリと挽いて淹れました。
いい豆だと思って、大事にしていたものです。しかし、冷凍庫で保存していた関係か、薫りがひきたちませんでした。
暗くならないうちにということで、賀茂川に出て半木の道の紅枝垂れ桜を見てから、駅まで見送りました。
いい仲間といると、いい時間が持てます。
次は、これから取り組む仕事がらみで、夏に逢うことになりそうです。
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