2012年12月16日

読書雑記(55)鹿島友義『医者が診つめた『源氏物語』』

 『医者が診つめた『源氏物語』』(鹿島友義、燦葉出版社、2010年4月)を読みました。
 筆者は循環器の専門医です。鹿島さんは、鹿児島大学で伊牟田経久先生の「源氏物語を読む」という公開講座に参加されてから、現代語訳に頼らずに原文で読み通す決意をなさいました。そして、ご専門の医者の立場で『源氏物語』に立ち向かわれた成果が、この本になったのです。
 
 
 

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 全体の半分くらいが、『源氏物語』の原文の引用と現代語訳とあらすじです。また、話題が散漫になっているので、すぐに読むことができました。

 ご専門の立場から、『源氏物語』に登場する人物の、健康行動、潜在意識、健康に対する価値観などに注視しておられる点は、参考になるところがありました。

 本書からは、特に引用する箇所がありません。しかし、文学とは異分野の方が、こうした自由な立場で発言なさることはいいことだと思います。ただし、もっと実証的な記述がなされたら、さらに完成度があがったことでしょう。印象批評の域を出ていない点が、非常に残念でした。
posted by genjiito at 23:39| Comment(0) | ◎源氏物語
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