2012年10月14日

コーツ先生を宇治にご案内して

 ケンブリッジ大学のジョン・コーツ先生を、昨日は宇治にご案内してきました。数学者であるコーツ先生のことは、ウィキペディアの紹介にゆずります。
 私とはまったく専門を異にする先生なので、どのようなお話をすればいいのか考えていました。しかし、日本文化に対する造詣が深く、また書画骨董にも深い理解を示され、さらには『源氏物語』が大好きな先生でした。気さくにお話ができたこともあり、楽しい旅になりました。

 お知り合いになるきっかけは、先生がお持ちの源氏絵でした。その内容をブログを通してご説明したことが機縁となり、今回日本にお越しになるにあたり、先生が大好きな京都を、それも『源氏物語』をテーマにしてご案内できたのです。

 今回最大のトピックは、源氏香の図は5本の線で52通りのパターンを表現している、ということを説明したことです。これには、大いに興味を持ってもらえました。宇治を歩く道々、至るところで源氏香の図が目に飛び込み、また話題となり、楽しいテーマとなりました。
 もちろん、私は英語がまったく話せませんので、ご一緒にお越しになった慶應大学の栗原将人先生の通訳に頼ることとなりました。また、京都で通訳案内をしていた娘も助っ人として来てくれたので、折々に説明を加えてくれました。

 コーツ先生も栗原先生も、源氏香の図は初めて見る図案だ、とのことでした。
 この源氏香の図については、かつて書いた「お香と『源氏物語』」(2008年3月 7日)をご参照ください。
 僭越ながら、その並び方の法則性を考えてください、とコーツ先生と栗原先生に宿題を出してしまいました。
 ご専門の立場からどのようなお考えが伺えるのか、その日を楽しみに待ちたいと思います。

 さて、宇治散策の最初は源氏物語ミュージアムにしました。宇治十帖の話は、おおよそご存知でした。そこで、さらに視覚を通して具体的に物語世界がイメージしやくすなるように、展示物や映画をご覧いただきました。
 英語の解説レシーバーが借りられたので、展示や映画の内容から宇治十帖の概略が詳しくおわかりいただけたかと思います。

 ブラブラ歩いて宇治上神社へ行きました。平安時代の面影を残す建物から、宇治の八の宮の生活環境を想像していただくことになります。八の宮などの登場人物をよくご存知だったので、その娘たちの三角関係の話も説明しやすくなりました。栗原先生も『源氏物語』や日本文化についてよくご存知だったので、的確な通訳をなさっていたようです。専門分野を異にする先生方の勉強意欲や好奇心の旺盛さに、学ぶことの多い案内となりました。

 幸運にも、宇治上神社では、ちょうど結婚式が始まるところでした。日本の神式の結婚式を、興味深くご覧になっていました。
 
 
 
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 お2人の先生は、すでに宇治には来たことがあるとのことだったので、少し詳しい説明ができました。道々には、灯籠が並んでいて、この週末は夕刻より灯りの源氏絵巻が楽しめるようになっていました。
 
 
 

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 宇治川では屋形船を借りて、船上で食事をしながら宇治川を上り下りしました。奥様ともども、みんなでゆったりと船上遊覧を楽しみました。まさに、源氏絵でよく見かける、宇治川に船を浮かべた浮舟と匂宮の姿が、これからイメージとして膨らむことでしょう。テーブルの上のペットボトルは、源氏絵をデザインしたお茶で、宇治のオリジナルです。
 
 
 
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 『源氏物語』が非常にお好きなコーツ先生は、すでにアーサー・ウェイリーの英訳を読んでおられました。ウェイリーの英訳は、非常に格調の高い美しい英語だそうです。
 また、アーサー・ウェイリーのことをよくご存知だったので、私の理解の至らないところをいろいろと教えて下さいました。有り難いことです。

 平等院は、先月から修復に入ったために、鳳凰堂には足場が組まれていました。解体ではないので、3年以内に完了するそうです。来月からはこの足場に覆いがかかるので、こうした鳳凰堂の姿も貴重です。
 
 
 
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 今回は清水寺のすぐ近くにお泊まりです。源氏香の図に興味を示されたので、夕方には烏丸三条にあるお香の店「松栄堂」にご案内し、『源氏物語』をテーマにしたお香を見ていただきました。前掲のブログ「お香と『源氏物語』」に記した通りのものです。
 明日は我が家でお茶を点てて差し上げるので、香木を数片いただきました。

 好天に恵まれて、充実した秋の1日でした。
 娘と一緒に通訳のお手伝いをしてくれた婿殿にも感謝しています。また明日も、よろしくお願いします。

 なお、コーツ先生が源氏絵の粉本をお持ちであることは、すでに本ブログ「在英国・コーツ版「源氏画帖」の記事一覧」(2011年9月26日)で紹介しています。『源氏物語』の第2部以降をお持ちなので、宇治については格別の興味がおありなのです。
 おついでの折にでも、コーツ版源氏絵の概要をご覧いただければと思います。
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | ◎国際交流
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