2012年08月22日

『ジョスリン糖尿病学・第2版』の原書を手にして

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 毎朝、病院の給食には果物が付いています。これまでは、グレープフルーツをよく食べていました。しかし、ここでは、いろいろな果物が出て来ます。このパイナップル4切れで1カーボとするので、これまで避けてきたことが損をしていたように思えます。つい、糖度の高い果物として敬遠していたのです。
 それぞれの食品に含まれる炭水化物の量が見えてくると、食事のコントロールが楽しくなります。

 毎週恒例の教授回診がありました。
 私の今後のことが問題となりました。どうしますか、と私に問われました。つまり、ベイスンという薬を今後とも使うか、それともこれまで通り食事療法でクリアするのか、ということです。
 私は、今装着している持続血糖測定装置による結果が明日わかるので、それを待って結論を出します、と答えました。先生は、そうしましょう、と理解を示して下さいました。
 患者に最終決断をさせるのは、自分のこれからの生活のことなので、正しい医療の姿だと思えるようになりました。先生が何事も指示を出すのではなくて、患者の意志を可能な限り尊重することは、それだけ患者側に責任と負担がかかります。しかし、それができると判断してもらえた患者である私にとっては、ありがたいことです。
 明日までに、自分なりの結論を出すつもりです。

 昨日身に着けた持続血糖測定装置は、快調に、私の身体の中を流れる電流の変化を記録しているようです。手元で入力するタイプの機器なので面倒です。しかし、それだけ精度の高い情報が採取できるのです。明日の解析が楽しみです。

 昼食は、牛の冷しゃぶでした。脂身が少ないので、パサパサした食感がしました。しかし、これで糖質は意外に少なくて、1カーボもないと見ました。
 
 
 

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 午後は、ひょんなことから英語の文献と格闘することになりました。

 糖質制限食の主唱者で京都高雄病院の江部康二先生が、ご自身のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」の8月17日付けの記事で、「「ジョスリン糖尿病学」推奨の炭水化物摂取比率は40%以下」と題することを書いておられました。
 炭水化物はどれくらい摂ればいいのか、かねてより興味を持っていたので、このことが気に掛かっていました。

 その記事では、糖尿病の教科書とされているらしい『ジョスリン糖尿病学 第2版』(医学書院、2007)の693頁に、

ジョスリン糖尿病センターは、太りすぎや肥満合併2型糖尿病患者の食事療法勧告を改定し、炭水化物は総摂取カロリーの40%以下とする

とあることを引き、糖尿病学会の門脇孝理事長(東大病院長)が7月27日の読売新聞の取材に対して発言されたことに、批判の矢を向けておられます。

「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と述べておられます。

つまり、ご自身が翻訳者の一人であるジョスリン糖尿病学の記述に対して、根拠もあげずに真っ向から否定しておられるのですが、氏はジョスリン糖尿病学を読んでおられないのでしょうか?。

ともあれ、根拠もあげずに40%未満の糖質制限食を否定された門脇理事長の私見よりも、ジョスリン糖尿病学の記載のほうが、はるかに信頼に値すると考えるのは、精神科医Aさんや私だけでしょうか?

 江部先生はご自身の持説で問いかけをした上で、さらに次のように言われます。

日本糖尿病学会の重鎮諸氏は、このジョスリン糖尿病学の「推奨タンパク質摂取:総摂取カロリーの30%」に対してもどのようにお考えなのか、是非お伺いしたい所ですね。


 ここで問題となっている『ジョスリン糖尿病学 第2版』の日本語版を、病院の地下にある医学書専門店で手にとって確認しました。確かに、その翻訳には、糖尿病学会の門脇理事長も関わっておられます。この問題の項目を翻訳してはおられませんでしたが。
 この本を買おうとしたら、定価が27,300円とあるのを見て、当該部分をさっと読んで元の棚に戻しました。

 私はこの京大病院に入院して、最初に1日の糖質260グラム、1日のカロリーの60%を摂取する方針で治療が始まりました。少しずつ数値が下げられ、今は糖質1日200グラム、総カロリーの45%の摂取となっています。
 これ以上は下げられないと、この病院の副院長で糖尿病学会の理事であるI先生は言われます。素人考えでは、糖質制限食を11ヶ月体験した身から言えば、もっと敷居を下げるとどうなるのかを知りたいところです。
 一体、炭水化物の摂取量は何%がいいのか、どうも混乱しているようですし、私自身がわからないままでいます。

 問題の『ジョスリン糖尿病学 第2版』をよく読み返そうと思い、私の担当の研修医であるM先生にこの本の所在を尋ねたところ、研究室から英語版ならあった、と言って持ってきて下さいました。日本語版は見当たらない、とのことです。
 それなら、原文の正しい日本語訳を確認することから始めようと思い、早速娘に、とにかく数字の前後の表現を厳密に日本語訳してほしいと頼みました。
 これについては、また記します。
 一応、ここにはその当該英文を引用します。


Joslin's Diabetes Mellitus
(Fourteenth Edition ,2005,Boston)

CARBOHYDRATE
The diet of the normal and diabetic individuals differs very little these days, chiefly because of the discovery of insulin. At onetime my hospital patients did not have over 30 grams of carbhydrates per day, or the equivalent of about one ounce or two tablespoons of sugar. Today no patient has less than 150 grams of carbohydrate or the equivalent of 10 tablespoonfuls of sugar or 10 slices of bread. (1) (P616,Left)

Carbohydrates. No more than 40% of total daily calorie intake should come from carbohydrates, which should be mainly low-glycemic-index foods such as vegetables, fruits, and whole and minimally processed grains. Refined carbohydrates or processed grains and starchy food such as pasta, bread, cereal and white potatoes should be avoided or consumed in limited quantities. (P616,Right)


 夕食の時に、妻が来ました。
 昨日の病院からの帰りに、四条で大雨に遭い、2時間以上も軒下で足留めさせられた、とのことでした。先ほども雷雨で、家を出るに出られなかったとか。何やら変な天気が続いています。
 それにしても、食事は、一人よりも誰かと話をしながら食べるのが一番いいようです。
 
 
 

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posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | *健康雑記
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