2012年07月09日

国文研蔵『源氏物語団扇画帖』服飾関係分類索引(畠山版6完結)

 『源氏物語団扇画帖』の服飾関係分類索引(畠山版5)では、「第三六図 幻巻(第四一帖)」から「第四五図 橋姫巻(第四五帖)」までの10図を扱いました。

 引き続き、第四六図から第五四図までの9図を取り上げます。
 これで最終回となります。

 今回は、とりあえず索引として使ってもらえる情報を提示しました。
 文字列の羅列となっています。
 見栄えの悪いものであることは承知で、資料として活用できる用語集を目指して整理したものです。形を整えて有効に利用していただければ幸いです。
 『源氏物語団扇画帖』の分類索引に関しては、いろいろとご教示をいただきました。
 この場を借りて、お礼申し上げます。

 国文研蔵『源氏物語団扇画帖』は、『源氏物語』の全巻を絵画化したものではありません。当初は、2セットあったと思われます。つまり、108枚あった源氏絵の内の54枚が適宜取り集められて、それらが一冊の折本に仕立てられたものと推測されます。
 その意味では、まだこの残りの54枚が出てくる可能性があります。その日がくるのを、気長に、楽しみにして待つことにします。

 なお今後は、『源氏物語』の全54巻を対象にした源氏絵の「服飾関係分類索引」を、畠山大二郎君にお願いしたいと思っています。

 用意が調い次第に、またこのような形で掲載させいてただきます。
 
 
 
「第四六図 藤裏葉巻(第三三帖)」
1(太政大臣) 衣冠姿
        冠(垂纓繁文) 袍(黒轡唐草、縫腋) 単(紅) 指貫(薄縹八藤丸文) 檜扇を手に持つ
2(雲居の雁) 五衣表着姿
        表着(白地梅唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(白地菱文) 長袴
3(夕霧)   夏の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(薄蘇芳鳥襷文)
 
 
「第四七図 松風巻(第一八帖)」
1(光源氏)  夏の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(薄蘇芳鳥襷文)
2(明石の姫君)袿姿?
        袿(紅地松枝文) 単衣(白地菱文)
3(乳母)   五衣表着姿
        表着(若草色地花菱遠文) 五衣(朽葉匂) 単衣(白地菱文) 長袴
4(女房)   五衣表着姿
        表着(生成色地唐花唐草文) 五衣(菱文紅匂) 単衣(薄蘇芳菱文)
5(明石の君) 五衣表着姿
        表着(白地梅唐草文) 五衣(菱文白重) 単衣(萌黄地菱文) 長袴
 
 
「第四八図 椎本巻(第四六帖)」
1(女房)   五衣表着姿
        表着(薄蘇芳色松枝文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(紅地菱文)
2(女房)   五衣表着姿
        表着(朱色地花菱唐草文) 五衣(縹匂) 単衣(白地幸菱文) 長袴
3(女房)   五衣表着姿
        表着(鶯色地菊唐草文) 五衣(入子菱紅匂) 単衣(紺地)
4(大君/中君)五衣表着姿
        表着(浅葱色地唐花唐草文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(黄色地菱文)
5(大君/中君)五衣表着姿
        表着(生成色地梅唐草文) 五衣(入子菱紅匂) 単衣(萌黄地幸菱文) 長袴
 
 
「第四九図 竹河巻(第四四帖)」
1(薫)    夏の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)

2(蔵人の少将)夏の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
 
 
「第五〇図 若菜下巻(第三五帖)」
1(柏木)   袿姿
        立烏帽子 袿(二重織朱色地唐花唐草文) 単衣(白地菱文)
2(女房)   五衣表着姿
        表着(生成色地梅唐草文) 五衣(入子菱紅匂) 単衣(紅地菱文)
3(女房)   五衣表着姿か。(五衣が見えない)
        表着(薄蘇芳色松枝文) 単衣(紅地菱文)
4(女房)   五衣表着姿
        表着(生成色地菊唐草文) 五衣(縹匂) 単衣(香色地幸菱文) 長袴
5(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色地梅唐草文) 五衣(朽葉匂) 単衣(紺地) 長袴
 
 
「第五一図 澪標巻(第一四帖)」
1(明石の君) 五衣表着姿
        表着(白地松枝文) 五衣(白重入子菱文) 単衣(萌黄幸菱文) 長袴
2(柏木)   袿姿
        立烏帽子 袿(朱色地唐花唐草文) 単衣(白地菱文)
 
 
「第五二図 常夏巻(第二六帖)」
1(内大臣)  夏の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(鳥襷文) 蝙蝠扇(朱骨金紙に雪竹)
2(少将)   狩衣姿
        平礼烏帽子 狩衣(朱色地唐花唐草文) 当帯 指貫(縹色無文) 単(墨色)
3(女房)   袿袴姿か
        表着(朱色地唐草文)
4(女房)   袿袴姿か
        表着(浅葱色地松枝文) 単衣(縹色地菱文)
5(女房)   袿袴姿
        表着(白色梅唐草文) 単衣(香色菱文) 長袴
6(雲居の雁) 単衣重姿
        単衣(生成色地唐花唐草文、下に白地無文の単衣を重ねる) 長袴 蝙蝠扇(朱骨金紙に日の丸)
 
 
「第五三図 宿木巻(第四九帖)」
1(中の君)  五衣表着姿
        表着(生成色地唐花唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
2(匂宮)   冬の烏帽子直衣姿
        立烏帽子 直衣(白地浮線綾文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
3(女房)   五衣表着姿か
        表着(黄色地花菱遠文)
4(女房)   五衣表着姿
        表着(朱色地菊唐草文) 五衣(菱文縹匂) 単衣(紅地菱文)
5(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色梅唐草文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(生成色菱文) 長袴
 
 
「第五四図 若紫巻(2)(第五帖)」
1(庭番)   直垂袴姿
        丁髷 直垂(浅葱色無地) 袴(白無地、腰板が台形になるのは一六世紀ごろからとされている)
2(北山の僧都)法衣姿
        剃髪 袍(墨染、僧綱襟) 袈裟(白無地、五條袈裟か)
3(光源氏)  冬の烏帽子直衣姿
        立烏帽子 直衣(白地浮線綾文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
 
 
 


※「ひとえ」は、男性用(丈短)を「単」、女性用(丈長)を「単衣」と表記する。
※「五衣表着」の名称はオリジナルである。「五衣小袿」の呼称もあるが、近代から用いられている呼称であり、「小袿」の定義も時代によって異なるので、一番上に着ている袿の意味で「表着」の呼称を用いた。
※「縹匂」「朽葉匂」は、オリジナルの呼称である。これは、同じ色目が有職故実書の中には見られないもので、ブルーから白へのグラデーションを表すために「縹匂(はなだのにおい)」、茶色から白へのグラデーションを表すのに「朽葉匂(くちばのにおい)」という呼称を仮に用いた。
※烏帽子の紐を顎にかけて固定しているものと、そうでないものとがいる。不鮮明な箇所もあり、今回は掲載しなかったが、この書き分けについては考察が必要かもしれない。
※同じような赤でも、「紅」と「赤」とで使い分けた。身分が低いと思われる人物には、「赤」を用いた。他にも、身分の差で表記を変えたものがある。
※男性の「中着」は、小袖なのか、単なのか判別ができなかったために使用した。また、熨斗目模様がみられるものは、「熨斗目小袖」と判断した。しかし、通常熨斗目の模様は肩まで入ることはなく、若干の不審もある。
※上文に二色以上使用しているものを「二重織(ふたえおり)」として区別した。
※ライトブルー系統の色は、直衣の場合「縹色」とし、薄縹色(濃)、浅葱色(薄)と区別した。
posted by genjiito at 23:52| Comment(0) | ◎源氏物語
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