2012年07月08日

国文研蔵『源氏物語団扇画帖』服飾関係分類索引(畠山版5)

 『源氏物語団扇画帖』の服飾関係分類索引(畠山版4)では、「第二六図 野分巻(第二八帖)」から「第三五図 若菜上巻(第三四帖)」までの10図を扱いました。

 引き続き、第三六図から第四五図までを取り上げます。
 
 
「第三六図 幻巻(第四一帖)」
1(女房)   五衣表着姿
        表着(白地梅唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
2(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色松枝文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(縹地菱文) 長袴
3(女房)   五衣表着姿
        表着(若草色地唐花唐草文) 五衣(入子菱文縹匂) 単衣(紅地菱文)
4(女房)   五衣表着姿か
        表着(紅地松枝文)
5(光源氏)  冬の烏帽子直衣姿
        立烏帽子 直衣(白地浮線綾文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
 
 
「第三七図 横笛巻(第37帖)」
1(女三の宮) 五衣表着姿
        表着(薄蘇芳地松枝文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(海松色菱文) 長袴
2(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色地梅唐草文) 五衣(入子菱文縹匂) 単衣(蘇芳菱文) 長袴
3(女房)   五衣表着姿
        表着(白地松枝文) 五衣(緑色と浅葱色?が見える)
4(女房)   五衣表着姿か
        表着(紅地唐草文)
5(女房)   袿袴姿か
        袿(苔色地桜唐草文) 単衣か(紅地菱文)
6(女房)   五衣表着姿
        表着(白地菊唐草文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(紺地菱文) 長袴
7(光源氏)  束帯姿
        冠(垂纓繁文) 袍(黒轡唐草、縫腋) 単(紅) 表袴(霰地) 大口(赤) 襪
 
 
「第三八図 鈴虫巻(第三八帖)」
1(女房)   袿袴姿
        袿(生成地菊文) 単衣(縹地菱文)
2(女房)   袿袴姿
        袿(紅地花菱唐草文) 単衣(萌黄菱文)
3(女三の宮) 袿袴姿
        袿(白地梅唐草文) 単衣(白地菱文) 長袴
4(光源氏)  夏の烏帽子直衣姿
        立烏帽子 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(鳥襷文) 蝙蝠扇(朱骨朱色金泥紙)
 
 
「第三九図 夕霧巻(第三九帖)」
1(落葉の宮) 五衣表着姿
        表着(白地梅唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄幸菱文) 長袴
2(夕霧)   夏の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
 
 
「第四〇図 花宴巻(2)(第八帖)」
1(光源氏)  直衣布袴姿(物語本文の「おほきみ姿」と同一とされている)
        冬の直衣(白地浮線綾文) 下襲(白地浮線綾文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
2(朧月夜)  五衣表着姿
        表着(若草色) 五衣(縹匂) 単衣(紅地菱文)
3(女房)   五衣表着姿
        表着(紅地松枝文) 五衣(朽葉匂) 単衣(浅葱色菱文)
4(女房)   五衣表着姿
        表着(薄桃色地梅唐草文) 五衣(紅匂) 単衣(萌黄菱文)
 
 
「第四一図 紅葉賀巻(第七帖)」
1(紫の上)  衵姿
        衵(浅葱色地松枝文) 単衣(白地菱文) 長袴
2(犬君)   衵姿 髪を後ろで束ねている
        衵(紅地梅唐草文) 単衣(萌黄菱文)
3(女房)   五衣表着姿
        表着(生成色) 五衣(入子菱紅匂) 単衣(浅葱色菱文) 長袴
4(女房)   五衣表着姿か
        表着(白地松枝文)
5(女房)   五衣表着姿か
        表着(黄色地唐花文)
6(光源氏)  束帯姿
        冠(垂纓繁文) 袍(黒菊唐草、縫腋) 下襲(躑躅襲=表白裏黒、浮線綾文) 単(紅) 表袴(霰地) 大口(赤) 襪 笏 餝太刀
 
 
「第四二図 帚木巻(2)(第二帖)」
1(空蟬)   袿袴姿
        袿(白地梅唐草文) 単衣(白地菱文) 長袴
2(女房)   袿袴姿
        袿(黄色地唐花唐草文) 単衣(紅地菱文) 長袴(朱色)
3(光源氏)  夏の烏帽子直衣姿
        立烏帽子 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
4(従者)   狩衣姿
        烏帽子 狩衣(若草色無文) 単(紅地、地文不明) 指貫(白地無文)
5(従者)   狩衣姿
        烏帽子 狩衣(紅地松枝文) 単(墨色) 指貫(浅葱色無文)
 
 
「第四三図 紅梅巻(第四三帖)」
1(匂宮)   冬の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(白地浮線綾文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
2(若君)   水干姿 髪は喝食
        水干(紅地松枝文) 当帯 指貫(縹色無文) 単(墨色)
3(従者)   狩衣姿
        烏帽子 狩衣(紅地唐花唐草文) 指貫(浅葱色無文) 単(墨色)
4(従者)   狩衣姿
        烏帽子 狩衣(白地梅唐草文) 単(紅地唐草文)
5(従者)   狩衣姿
        平礼烏帽子 狩衣(白地松枝文) 指貫(縹色無文) 単(紅地唐草文)
 
 
「第四四図 野分巻(2)(第二八帖)」
1(女房)   袿袴姿
        袿(薄蘇芳地松枝文) 単衣(浅葱色菱文) 長袴
2(女房)   袿袴姿か
        袿(紅地、地文は不明)
3(女房)   袿袴姿か
        袿(朱色)
4(玉鬘)   袿袴姿
        袿(白地唐花唐草文) 単衣(白地菱文) 長袴
5(光源氏)   夏の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
 
 
「第四五図 橋姫巻(第四五帖)」
1(薫)    狩衣姿
        立烏帽子 狩衣(朱色地花菱唐草文) 単(紺) 指貫(薄紅色地?鳥襷文) 浅沓
2(女房)   袿姿
        袿(薄蘇芳地唐花唐草文) 単衣(紅地菱文)
3(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色松枝文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(朱色地菱文) 長袴
4(大君/中君)五衣表着姿
        表着(黄色地唐花文) 五衣(入子菱文縹匂) 単衣(萌黄菱文)
5(大君/中君)五衣表着姿
        表着(白地梅唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(黄色菱文) 長袴
 
 


※「ひとえ」は、男性用(丈短)を「単」、女性用(丈長)を「単衣」と表記する。
※「五衣表着」の名称はオリジナルである。「五衣小袿」の呼称もあるが、近代から用いられている呼称であり、「小袿」の定義も時代によって異なるので、一番上に着ている袿の意味で「表着」の呼称を用いた。
※「縹匂」「朽葉匂」は、オリジナルの呼称である。これは、同じ色目が有職故実書の中には見られないもので、ブルーから白へのグラデーションを表すために「縹匂(はなだのにおい)」、茶色から白へのグラデーションを表すのに「朽葉匂(くちばのにおい)」という呼称を仮に用いた。
※烏帽子の紐を顎にかけて固定しているものと、そうでないものとがいる。不鮮明な箇所もあり、今回は掲載しなかったが、この書き分けについては考察が必要かもしれない。
※同じような赤でも、「紅」と「赤」とで使い分けた。身分が低いと思われる人物には、「赤」を用いた。他にも、身分の差で表記を変えたものがある。
※男性の「中着」は、小袖なのか、単なのか判別ができなかったために使用した。また、熨斗目模様がみられるものは、「熨斗目小袖」と判断した。しかし、通常熨斗目の模様は肩まで入ることはなく、若干の不審もある。
※上文に二色以上使用しているものを「二重織(ふたえおり)」として区別した。
※ライトブルー系統の色は、直衣の場合「縹色」とし、薄縹色(濃)、浅葱色(薄)と区別した。
posted by genjiito at 23:52| Comment(0) | ◎源氏物語
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]