2012年07月02日

国文研蔵『源氏物語団扇画帖』服飾関係分類索引(畠山版3)

 『源氏物語団扇画帖』の服飾関係分類索引(畠山版2)では、「第六図 蜻蛉巻(第五二帖)」から「第一五図 蓬生巻(第一五帖)」までの10図を扱いました。

 引き続き、第一六図から第二五図までを取り上げます。
 
 
「第一六図 関屋巻(第一六帖)」
1(空蝉一行・女)旅姿 垂髪
       小袖(白地赤縞) 帯(赤色)
2(空蝉一行・女)旅姿 笠に垂髪
        小袖(黄色地、青海波に鳥を描くか) 中着(赤色) 帯(赤色)
3(空蝉一行・男)布衣姿
        平礼烏帽子 布衣(薄茶色) 中着(緑色)
4(空蝉一行・男)白張姿
        烏帽子 白張 中着(緑色)
5(空蝉一行・男)布衣姿
        平礼烏帽子 布衣(浅葱色無文) 中着(緑色)
6(空蝉一行・男)白張姿
        平礼烏帽子 白張 中着(紺色)
7(童)    水干姿 髪は喝食
        水干(紅地松枝文) 当帯 指貫(白地無文) 中着(紺色) 浅沓
8(従者)   水干姿
        萎烏帽子 水干上下(朱色)
中着(袖からは若草色、肩からは葡萄色?、襟からは紺色がみえる) 浅沓
9(従者)   白張姿
        烏帽子 白張 中着(紺色)
10(牛飼)  水干姿 髪は喝食
        水干(若草色) 当帯 小袴(白地無文、上括) 単(朱色)
中着(紺地熨斗目小袖)
11(従者)  狩衣姿
        烏帽子 狩衣(浅葱色地梅唐草文) 単(紅地菱文)
12(従者)  狩衣姿
        烏帽子 狩衣(薄桃色松枝文) 単(紅地、文は不明)
13(従者)  白張姿
        烏帽子 白張 中着(緑地熨斗目小袖)
14(従者)  布衣姿 太刀を持つ
        平礼烏帽子 布衣(浅葱色無文) 指貫(白無文)
中着(袖からは赤、肩からは緑が見える)
15(従者)  白張姿
        烏帽子 白張 中着(紺、緑、白の熨斗目小袖)
16(従者)  白張姿 傘を持つ
        烏帽子 白張 中着(紺、緑、白の熨斗目小袖)
 
 
「第一七図 絵合巻(第一七帖)」
1(藤壺)   五衣表着姿
        表着(生成色地花丸文) 五衣(紅匂) 単衣(黄色菱文) 長袴
2(女御)   五衣表着姿
        表着(浅葱色梅唐草文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
3(女御)   五衣表着姿
        表着(生成色地、文は不明) 五衣(紅匂) 単衣(紺地菱文) 長袴
4(女房)   五衣表着裳姿
        裳(青海波) 表着(鶯色地花菱遠文) 五衣(縹匂) 単衣(薄葡萄色)
長袴
5(女房)   五衣表着姿
        表着(白地か) 五衣(朽葉匂) 単衣(黄色) 長袴
6(女房)   五衣表着姿
        表着(紅地) 五衣(縹匂) 単衣(縹色) 長袴
7(女房)   五衣表着姿
        表着(白地か) 五衣(紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
8(女房)   五衣表着姿
        表着(蘇芳か) 五衣(縹匂) 単衣(白か) 長袴
9(女房)   袿袴姿
        袿(紅地) 単衣(黄色か) 長袴
10(女房)  五衣表着姿
        表着(白地) 五衣(紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
11(女房)  五衣表着姿
        表着(黄色地) 五衣(朽葉匂) 単衣(縹色)
 
 
「第一八図 末摘花巻(第六帖)」
1(頭の中将) 冬の烏帽子直衣姿
        立烏帽子 直衣(白地浮線綾文) 単(紅) 指貫(鳥襷文) 浅沓
2(光源氏)  狩衣姿
        立烏帽子 狩衣(紅地松枝文) 指貫(薄縹無文) 単(墨色) 浅沓
3(末摘花)  五衣表着姿
        表着(黄色地) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄繁菱文) 長袴
 
 
「第一九図 薄雲巻(第一九帖)」
1(紫の上)  五衣表着姿
        表着(生成色地唐花唐草文) 五衣(紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
2(明石の姫君)衵姿
        衵(紅地松枝文) 単衣(白地菱文)
3(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色地梅唐草文) 五衣(朽葉匂) 単衣(薄桃色菱文)
4(光源氏)  冬の烏帽子直衣姿
        立烏帽子 直衣(白地浮線綾文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)
 
 
「第二〇図 朝顔巻(第二〇帖)」
1(女の童)  衵姿
        衵(浅葱色地唐花唐草文) 単衣(薄桃色菱文)
2(女の童)  衵姿
        衵(紅地花菱唐草文) 単衣(萌黄菱文)
3(女の童)  衵姿
        衵(薄桃色地雲立涌文) 単衣(朽葉色菱文)
4(女の童)  衵姿
        衵(黄色地松枝文) 単衣(縹地菱文)
5(紫の上)  五衣表着姿
        表着(白地唐花唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
6(光源氏)  袿姿
        立烏帽子 袿(薄桃色地梅唐草文) 単衣(縹地菱文)
 
 
「第二一図 行幸巻(第二九帖)」
1(女房)   五衣表着姿
        表着(白地梅唐草文) 五衣(朽葉匂) 単衣(縹色) 長袴
2(女房)   五衣表着姿か
        表着(朱色桜唐草文)
3(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色地唐花唐草文) 五衣(縹匂) 単衣(薄茶色)
4(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色地松枝文) 五衣(朽葉匂) 単衣(黄色菱文) 長袴
5(玉鬘)   五衣表着姿
        表着(白地唐花唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
 
 
「第二二図 玉鬘巻(第二二帖)」
1(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色地松枝文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(縹色)
2(女房)   五衣表着姿 櫃から衣(白地梅唐草文)を取り出している
        表着(白地唐花唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
3(女房)   五衣表着姿か
        表着(朱色唐草文)
4(女房)   五衣表着裳姿 櫃から衣(白地青海波文)を取り出している
        表着(若草色無文) 五衣(縹匂) 単衣(薄蘇芳地菱文) 裳 長袴
5(女房)   五衣表着姿
        表着(白地梅唐草文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(紅地菱文)
6(紫の上)  五衣表着姿
        表着(白地菊唐草文?) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄幸菱文) 長袴
7(光源氏)  冬の冠直衣姿
        冠(垂纓繁文) 直衣(白地浮線綾文) 単(紅) 指貫(鳥襷文)

* 女房5の前にある衣 袿か(浅葱色地松枝文)
* 紫の上の前にある衣 袿(若草色地唐花丸文) 単衣(萌黄菱文)
* 光源氏の前にある衣 袿(生成色時か文)二枚を重ねているように見える。また、紅色は裏地か
 
 
「第二三図 早蕨巻(第四八帖)」
1(中の君)  五衣表着姿
        表着(白地菊唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
2(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色地松枝文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(生成色幸菱文) 長袴
 
 
「第二四図 御法巻(第四〇帖)」
1(女房)   五衣表着姿か
        表着(紅地花菱唐草文) 五衣(朽葉匂か) 単衣(縹色)
2(女房)   五衣表着姿
        表着(浅葱色地松枝文) 五衣(入子菱文朽葉匂) 単衣(生成色幸菱文?) 長袴
3(女房)   五衣表着姿
        表着(白地梅唐草文) 五衣(縹匂) 単衣(紅地菱文) 長袴
4(匂宮)   水干姿 髪は喝食
        水干(紅地松枝文) 指貫(鳥襷文)
5(紫の上)  五衣表着姿に衾をかける
        衾(白地唐花唐草文) 表着(白地梅唐草文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄幸菱文) 長袴
 
 
「第二五図 夕顔巻(2)(第四帖)」
1(惟光)   狩衣姿 紙燭を持つ
        平礼烏帽子 狩衣(紅地) 当帯 指貫(薄縹八藤丸文) 中着(墨色)
2(光源氏)  夏の烏帽子直衣姿 蝙蝠扇に筆で文字を書いている
        立烏帽子 直衣(縹色三重襷文) 単(紅) 指貫(鳥襷文) 蝙蝠扇(朱骨金紙)
 
 


※「ひとえ」は、男性用(丈短)を「単」、女性用(丈長)を「単衣」と表記する。
※「五衣表着」の名称はオリジナルである。「五衣小袿」の呼称もあるが、近代から用いられている呼称であり、「小袿」の定義も時代によって異なるので、一番上に着ている袿の意味で「表着」の呼称を用いた。
※「縹匂」「朽葉匂」は、オリジナルの呼称である。これは、同じ色目が有職故実書の中には見られないもので、ブルーから白へのグラデーションを表すために「縹匂(はなだのにおい)」、茶色から白へのグラデーションを表すのに「朽葉匂(くちばのにおい)」という呼称を仮に用いた。
※烏帽子の紐を顎にかけて固定しているものと、そうでないものとがいる。不鮮明な箇所もあり、今回は掲載しなかったが、この書き分けについては考察が必要かもしれない。
※同じような赤でも、「紅」と「赤」とで使い分けた。身分が低いと思われる人物には、「赤」を用いた。他にも、身分の差で表記を変えたものがある。
※男性の「中着」は、小袖なのか、単なのか判別ができなかったために使用した。また、熨斗目模様がみられるものは、「熨斗目小袖」と判断した。しかし、通常熨斗目の模様は肩まで入ることはなく、若干の不審もある。
※上文に二色以上使用しているものを「二重織(ふたえおり)」として区別した。
※ライトブルー系統の色は、直衣の場合「縹色」とし、薄縹色(濃)、浅葱色(薄)と区別した。
posted by genjiito at 22:42| Comment(0) | ◎源氏物語
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