2012年04月24日

『源氏物語』の演劇化弾圧に関する新聞報道

 浅岡先生から教えていただいた、昭和初期の「読売新聞」に掲載されていた貴重な情報の第2弾です。
 すでにこの弾圧問題は知られていました。しかし、私は新聞報道という時系列で確認はしていませんでした。今回のご教示を得て報道資料を確認し、報道された情報の収集の大切さを知りました。
 このような資料を、さらに幅広く集めていきたいと思います。
 なお、この一連の事件に後援として関与している紫式部学会を代表する研究者として、池田亀鑑の存在があります。この点については、池田亀鑑が本件に関してどのような行動や発言をしていたのかは、あらためて考えていくつもりです。
 
(1)読売新聞(昭和8年(1933)10月24日、朝刊7面)

・「芝居になる『源氏物語』 各権威の後援で最初の上演」
・「来月廿六日から四日間新歌舞伎座で本邦最初の劇化上演が行はれる
 坪内逍遥、藤村作両博士を顧問に紫式部学会の後援により同物語の『帚木の巻』から『須磨の巻』までを六幕十八場として上演するもので学術的指導を池田亀鑑久松潜一の両氏」

 
(2)読売新聞(昭和8年(1933)11月23日、朝刊7面)

・「期待の『源氏物語』 突如上演禁止 廿六日からの開幕を前に 苦心の研究も闇へ」
・「古典の至宝封殺」
・「四日の一万枚の切符も殆んど全部売り尽くしてあるので去る十八日警視庁の弾圧内意を知つて大いに驚き藤村作博士、久松潜一教授等が藤沼警視総監に面会了解に努めたが遂に容れられなかつたものである」
・「当局の気に病むは 有閑階級の腐敗 紫式部学会では依然応援」
・「死んでも上演したい 坂東簑助氏 泣いて語る」

 
(3)読売新聞(昭和8年(1933)11月26日、朝刊7面)

・「ぜひ上演したい 禁止禍の『源氏物語』 文壇、楽団に呼びかけ猛運動」

 
(4)読売新聞(昭和13年(1938)10月20日、夕刊2面)

・「”源氏物語”の大レコード化」
・「山田五十鈴を起用して 空前・五十四枚盤に」
・「嘗てその劇化が坂東簑助により計画されて果さなかつたが、こんどのこの台本は、内務当局の諒解を得て、舟橋聖一氏が健全なものにアレンヂした、台本はすべて現代語に書き替へ、原文にある歌は、そのまゝ生かして歌謡曲風に作曲され」
・「谷崎潤一郎氏の現代訳千四百枚の『源氏物語』の出版と相呼応して五十四枚の連続レコードは、レコード界空前の壮挙となりさうである」
posted by genjiito at 23:41| Comment(0) | ◎源氏物語
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