2012年03月28日

日本の古典籍を分類するために

 鈴木淳先生が取り組んでこられた科学研究費補助金(A)による「総合目録における隣接領域の受容拡充と検索機能の整備のための研究」(平成20〜23年度)が、この3月で終了します。その最終回となる研究会がありました。

 今日は、古瀬蔵先生の「和古書データ分類ツリー表示プログラム」と題する研究成果の発表がありました。
 『国書総目録』の分類項目と、本科研で取り組んだ「日本古典籍分類表」の成果が容易に相互対比できるプログラムが出来たのです。

 発表を伺いながら、今から15年前のことを思い出していました。
 『CD-ROM 角川古典大観 源氏物語』のデータを作成していた時のことです。『源氏物語』の自立語すべてに、キーワードとしての分類語彙を付けるという、気の遠くなるような作業をしました。その時に、本日発表されたような仕組みの作業プログラムを仲間が作り、キーワード付けに活用しました。手作りながら、非常に重宝するものでした。

 あれから時間も経ち、コンピュータの利用環境は格段によくなりました。しかし、古典文学作品を分類するということにおいて、その判断はあくまでも人間がやることです。機械的にすべてはできません。したがって、分類作業と結果の確認は、コンピュータを使うといっても基本的なステップはあまり変わっていません。

 今回は、手作業で分類されたデータを違う角度から確認点検するためのものでした。『CD-ROM 角川古典大観 源氏物語』の場合とは、その性格は異なります。しかし、苦労した当時を懐かしく思い出しながら、文学研究に役立つこうした作業用のツールがいまだに共有できていない研究環境の立ち遅れを、あらためて痛感しました。

 いろいろな分野の方々との共同研究を通して、文学研究のためのデータ処理と活用に資するツールを集積していきたいものです。そして、それらを有効に生かした、複眼的で多視点から文学を読む環境作りの模索を、今後とも続けていきたいと思います。
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■古典文学
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]