今日も、ビデオテープやカセットテープを数百本処分しました。もう、トータルの本数はわかりません。
例えば、息子と一緒に見た「ウルトラマンタロウ」のビデオ。これは娘も好きだったので、一緒にテレビにかじりついていたはずです。
またこのビデオを子供と一緒に見たいな、と思いながらも、そんな日はもう来ないだろうな、とも思います。これは、処分すべきものなのでしょう。しかし、捨てる手が、一瞬ですが躊躇しました。
娘が4歳の時に、まんが「タッチ」の映画版を見に難波の映画館へ連れて行きました。前の方に座って、明治の「きのこの山」を食べながら観ました。
その映画のビデオも、捨てる手が一瞬止まりました。
物を整理するというのは、過去を捨て去ることに通じるように思えます。しかし、そんなことを考えていたら、整理などできません。ここは心を冷たくして、過去を回想しないようにして捨てざるを得ません。
カードの山が出てきました。
梅棹忠夫の『知的生産の技術』の影響を受けて、あらゆる情報をB6カードにメモしていた頃のことです。私家版のB6カードを設計して大量に作り、それに電動式ひらがなタイプライター(シルバー・リード)で印字していた頃のカードが出てきたのです。
このカードには、「シェクスピアと平安後期文芸」というタイトルが書かれています。
これこそ、昨夏、「JISカナ・キーボードの存続が危うい」(2011年7月24日)で、次のように書いたカードそのものです。
私は、コンピュータを導入する前は、シルバー精機の電動ひらがなタイプライタを使っていました。京大型カードを使っていたので、そのB6カードの大きさの特製私家版を作り、そのカードをタイプライタに差し込んでメモなどを印字していました。
写真を見ればわかる通り、黒と赤のインクリボンを使い分けています。
末尾の「(A−101、P20)」というのは、別の図書整理ノートの図書ナンバーを見ると、『有明けの別れ』(大槻修、創英社、1979・3・10)という本からの抜粋であることがわかります。
現在、私はこうした抜き書き資料は、Macintosh と iPhone に入れてある「エバーノート」というアプリケーションで保存・管理しています。情報を電子化し、素早くファイリングしていつでも検索できるようにしています。
30年以上前のカード式情報整理に比べて、今はスピードアップが計られています。しかし、その効率はかつてのカード式より向上したかと思い返してみると、明確に向上したとは言えない面が多々あるのです。特に、カードをめくりながらさまざまな思いの中を彷徨っていたあの楽しさを、今は忘れているように思います。いかに的確に必要な情報に早く行き着くかに精力を払う日々になったように思うのです。
考える力が衰えたのは、年のせいだけではなくて、考える道具のせいもあるように思えるのです。
大量のカードが出てきました。カードを繰っていると、連想ゲームをしているようでおもしろいのです。しばらく忘れていた感覚です。
デジタルだけではないアナログの楽しさに、身の回りの整理をする中で行き当たりました。
身辺整理を続けながら、老化の始まりかな、との思いが過ぎります。しかし、しばらくはこのテーマを考えてみる価値があるように思うようになりました。
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