2012年03月16日

今西科研の第4回研究会

 今朝、大きな地震がありました。昨日に続くものです。
 徹夜で仕事をしていた時でした。少し眠くなり出した明け方の4時20分頃、突然部屋が大きく揺れ、しばらく続きました。貴重品を入れたカバンを抱え、いつでも玄関を飛び出せる態勢でいたところ、まもなく収まりました。
 すぐにテレビを点けたところ、震源は埼玉県のようでした。
 昨日は千葉県、今日は埼玉県と、震源が関東平野に入ってきています。気持ちの良いものではありません。

 さて、今日は、今西科研の本年度最後の研究会がありました。今回も、刺激的な発表でした。

 実践女子大学の横井孝先生の「「定家本」を表記から検証する ー実践女子大学本紫式部集をめぐってー」は、以下のような内容でした。いつものように、明快で問題点を示しながら話して下さるので、たくさんの考えるヒントがもらえました。

・大島本や明融本などに見られる、書写している行の途中から筆者が変わることの意味。
・定家本の定義について。
・実践本は定家仮名遣いの基準で書き写されている。
・定家自筆本の面影を色濃く残す。
・定家は「え」に「江」を使う。
・定家自身は、一字も違えず、という意識はなかったのではないか。
・字母レベルまでの索引が必要だ。
・伴久美さんが『源氏物語大成 索引』を補訂した資料がある。
・定家の仮名遣いの揺れを、時間順に見たい。

 続いて、京都女子大学の坂本信道先生は、「定家自筆本『古今和歌集』の文字遣いと書写による変遷」と題する発表でした。
 巻2までを調査された結果でしたが、4種類の写本がどのような文字を使って書写されているかを、具体的な数字を示して問題点を指摘されました。非常に明快で、これからいろいろな写本を調べる際の参考になる内容でした。

・定家自筆本は2つある。
・嘉禄本は漢字が多い。
・嘉禄本を中心にして、それ以外の写本で、漢字とひらがながどのように書き換えられているか。
・ひらがなは、かなり変えて写しているのではないか。
・写本同士の関係は、字母よりも、どの字を使っているかをみたらおもしろい。

 休憩時間に、昨年国文学研究資料館で購入した鎌倉時代の『源氏物語』の古写本16冊を、図書館の貴重本閲覧コーナーで拝見しました。これだけの数の鎌倉期古写本を一度に見るのは圧巻です。

 後半は、本年度の科研報告書に収録した資料に関して、「正徹本の画像データベースについて」と題して、私が紹介がてら報告しました。
 これは、国文学研究資料館所蔵の正徹本『源氏物語』を画像データベースにしたもので、どこにどんな文字で書かれているかが検索でき、写本の画像も表示できるものです。今月末に、このDVDを収録した報告書が完成します。

 その後、立川駅前で懇親会となりました。
 今日は、お客様が4人お出でになり、14人での賑やかな情報交換会となりました。
posted by genjiito at 23:54| Comment(0) | ■古典文学
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