2012年02月02日

《新版・十帖源氏「桐壺」》の公開

 『十帖源氏』の多言語翻訳を目指して、翻字と現代語訳のプロジェクトをボランティア活動の一環として進めています。昨年9月に、第9巻「葵」までを終えました。

 海外で翻訳された『源氏物語』は、アーサー・ウェイリーの英訳『源氏物語』(全6巻、大正14年〜昭和8年)が用いられることが多く、その第1巻(「桐壺」〜「葵」)に収録された「葵」巻までを翻訳していることがほとんどです。

 そのため、我々も一旦ここで一区切りとし、最初の「桐壺」巻に立ち戻り、現代語訳などの統一を目的として見直しをしてきました。
 凡例も、その後にわかった問題点などを整理しました。
 見直しが終わったものから、改めて《新版》として公開することにしました。

 この翻字と現代語訳を参考にして、世界各国の言語に『十帖源氏』が翻訳されることを願っています。
 この翻訳にチャレンジしようと思われる方は、どうぞ名乗り出てください。
 我々も、その翻訳のお手伝いをいたしますので、このブログのコメント欄を通して連絡をいただければ幸いです。

 おおよそは、以下のような形式になっています。
 全文は、末尾のアドレスからダウンロードできるようにしています。
 『十帖源氏』は『源氏物語』の簡約です。しかし、これを機会に世界中の方々が『源氏物語』の世界を知っていただけることを楽しみにしています。

 なお、この『十帖源氏』の多言語翻訳プロジェクトは、畠山大二郎君がとりまとめ役となっているものです。
 メンバーも、みんなが『源氏物語』を専門的に研究している若者ばかりではありません。
 この多言語翻訳プロジェクトの現代語訳部分に参加したい方も、本ブログのコメント欄を通して連絡をいただければ、勉強会の情報をお知らせします。だいたい月2回、新宿の喫茶店で7人ほどが集まって、ああでもない、こうでもないと言い合っています。
 
 
 

《凡例》(一部)

『十帖源氏』の凡例     平成24年2月版

◆現代語訳について
・海外の人が理解できるよう、平易な文で訳すことを旨とする。
・公立高校入試を控える中学3年生くらいのレベルで現代語訳を作っていく。
・「です」「ます」体に統一する。
・主語を明確にする。
・できるだけ理解しやすいように言い換える。
・文はできるだけ切る。
・敬語にはこだわらず、忠実でなくともよい。
・敬語は帝につける程度でよい。
・「何とか」といった抽象的な語はさける。
・「方」は、「女性」「男性」「人」などの語に置き換える。
・「もの心細げ」の「もの」は、心細い「感じがする」といったように訳出する。
・訳文は1文が長くならないようにする。1文は50字くらいまでの長さが好ましい。100字以内に収めるようにする。
・「そば」という言葉を用いるときは、平仮名表記。
・和歌は訳さず、句ごとにスペースをおき、表記通りにする。

 (以下、省略)
 
 
 
《「桐壺」》(一部)

『十帖源氏』巻一「桐壺」

〔2・ウ〕
〈絵1〉 八月十五日の夜、石山寺で、紫式部が、『源氏物語』を書きはじめた場面

〔3・オ〕
【翻刻本文】
いづれの御時にか、女御かうゐ、あまたさぶらひ給ける
中に、いとやんごとなきゝはにはあらぬが、すぐれてとき
めき給ふありけり。〔割・いづれの御時とは、醍醐天皇をさしていへり。/時めき給ふとは、「きりつぼの更衣」の事也。〕
  梨壺、照陽舎 桐壺、淑景舎 藤壺、飛香舎
  梅壺、凝花舎 雷鳴壺、襲芳舎
此きりつぼにすみ給ふかうゐを、御てうあひあれば、
きりつぼのみかどゝも申也。あまたの女御かうゐそね
みて、あさゆふの御みやづかへにつけても、心をのみうご
かし、うらみををふつもりにや、あつしく成ゆき、〔割・をもき/病也〕
物心ほそげに、里がちなるを、みかど、いよ/\あはれに

【現代語訳】
   (桐壺)
いつの時代のことでしょうか、女御とか更衣とか、そういったお后が大勢いらした
中に、特に高貴な身分ではなくて、帝にとても愛されて
いらっしゃる女性がいました。〔「いつの時代」とは、〈醍醐天皇〉の時代のことです。
帝に愛されていらっしゃった女性というのは、〈桐壺の更衣〉です。〕
  梨壺は照陽舎、桐壺は淑景舎、藤壺は飛香舎、
  梅壺は凝花舎、雷鳴壺は襲芳舎ともいいます。
この桐壺に住んでいる更衣を愛されたので、
この時の帝のことを〈桐壺の帝〉ともいうのです。大勢の女御や更衣たちはくやしがって、
毎日〈桐壺の更衣〉が帝の近くにいることに、嫉妬をして
ばかりいました。そうやって、他の后たちの恨みをたくさん作った結果でしょうか、体が弱くなっていきました。〔重い病気です〕
心細い感じがして、自宅に帰っていることが多い〈桐壺の更衣〉のことを、帝は、これまで以上にたまらなく

(以下、省略)


 
 
★以下をクリックすると、ファイルをダウンロードできます。
 

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《新版・十帖源氏「桐壺」》をダウンロード
posted by genjiito at 20:22| Comment(0) | ◎源氏物語
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